ひかりのおとの作品情報・感想・評価

ひかりのおと2011年製作の映画)

上映日:2013年02月09日

製作国:

上映時間:89分

4.1

「ひかりのおと」に投稿された感想・評価

obao

obaoの感想・評価

3.9
@シネ・ヌーヴォX
私がホームグラウンドとしているシネ・ヌーヴォの支配人の弟さんが監督されている作品。
なので、何を書いても差し障りがあるような気がするのですけど、
今作は、樹一郎監督の他の作品に比べてすごくわかりやすかったです。

それに面白かったです。

父の病気の為に都会での暮らし、音楽の夢を諦めて故郷に帰ってきた青年。実家の酪農の仕事や夫を亡くした幼なじみとの恋、相棒を亡くして奇行をとる叔父。
樹一郎監督の他の作品は、どこかファンタジックな色合いが含まれ、理解できかったのもあるのですが、今作は現実世界の悲喜こもごも。
上映後の舞台挨拶での撮影エピソードも面白かったですし、監督の横で弟を温かく見守る我らが姉支配人、そして誰も質問しないならとまた当てられる私。

暮れの楽しいひとときでした。
実家を継ぐために戻ってきた若き酪農家の話。田舎の問題やリアルを見事に切り取った描写。

音楽を取るか酪農をとるか。
主人公にとっては2つの選択肢の間での葛藤。主人公の恋人にとっては、死別した夫の家を取るか、新しい道を歩んでいくか。主人公のおじにとっては、過去に酪農家として事業拡大を選択し失敗、そして今生きるか死ぬかの選択肢。それぞれが抱く選択肢の中での葛藤。

今の世の中は、餅は餅屋でひとつのことに一生懸命になるのがわかりやすい形だから、無理に選ぶという作業が必要になってくる。
選ぶのではなく、折り合いをつける。
結婚するという事務手続きをせずに、一緒にそこに“いる”ということ。

自分の置かれている現状や、これまでの人生の経験によって感じることが、人によって全く違うからおもしろい。いろんな角度からの見方を持たせた監督はすごい。