19世紀末、スウェーデンからデンマークに移民してきた年老いた親子。
家畜同然の下働きと過酷な極貧生活、様々な人間模様を主人公の少年ペレの目線から、貧困層や飢餓、差別等を描く内容。


脈略無い唐突なストーリー展開もあったり、必要無いと感じるエピソードもあったりと、もうちょい尺縮められそうなモンだが、ペレの旅立ちを描くには必要なシーンだったのかな？と無理矢理納得。


湖の薄氷を飛び渡ったり、見てるだけで臭いや汚さ伝わってくる牛舎を転げ回されたり、CG処理かって思う位 蠅がエラい事になってる中の違和感無い自然な演技など子役のプロ根性に脱帽…。
…心臓麻痺も起こしかねない氷湖の飛び込み…あれダブルだよね？(^_^;

そして、老いさらばえあがきつつも我が子を思う名優マックス・フォン・シドーの悲壮感漂う演技も圧巻！

全体的に汚い風景目立ってそれがリアルに見える作品でした。

エリック生きとったんかい…(*_*)

デンマーク🇩🇰のビレ・アウグスト監督は『愛と精霊の家』『レ・ミゼラブル (1998年版）』『マンデラの名もなき看守』等、大作を送り出している。
この作品は第41回カンヌ国際映画祭パルム・ドール、第61回アカデミー賞外国語映画賞を受賞している良作❗️


こちらはサッカー⚽️のペレの話ではございません😁
スウェーデン🇸🇪から新天地デンマーク🇩🇰へ夢を抱き移民船で渡った父子のお話。


19世紀末のデンマークの小島の船着場。年老いた父ラッセ（マックス・フォン・シドー）と息子ペレ（ペレ・ベネゴー）は農場の管理人から安給料の牛飼いの仕事で雇われたは良いが、なんと住処は蝿のたかる牛小屋の片隅だった。そこで生活を始める姿を描いている。

ペレはラッセがかなり歳を取ってからの息子で、愛妻を病気で2年前に亡くしていた。ペレは泣き言も言わず、父を助け、学校でイジメに会いながらも、賢くて言葉を計算も吸収していく。
使用人のエリックと仲良くなり、お金を貯めて2年後にアメリカへ渡る夢を聞く。ペレもいつしか同じ夢を見るようになっていくが、状況は寒さ、飢え、賃金も一向に上向かない。
父親の夢は再婚してベッドで朝のコーヒーを飲むこと。そんな父親は、夫が1年も行方不明になっている年嵩の女性と良い関係になる。ところが、その矢先になんと夫が生還したため、父親が人妻と淫らな行為をしたと噂になりペレが更にイジメられるようになってしまう。
まだ10歳ほどの少年は、ここにいても人生が始まらないと気持ちに区切りを付け、年老いた父は旅はもう出来ないと諦める。そこで1人で農場を抜け出して行く...


ロケ地は長閑な風景が広がって、季節毎のシーンはまるで絵画になりそうな自然がとても美しい。氷の張る海水も寒さが伝わって来た。

原作は長編『勝利者ペレ』で、この作品は序章の部分のようだ。きっと成功した大人のペレの話はもっともっと先なのだろう。

主役のペレは本名で出演しているイケメン少年。この後に1本出ているようだが、もう俳優を辞めてしまったのかな？もったいないくらい上手だった💫


※リヴ・ウルマンが長い女優生活で最も好きな友達と語っているマックス・フォン・シドー。
どんな役柄もしみじみと人間性が伝わってくる🥺役者の中の役者という感じ✨

「ペレ」

第61回アカデミー賞で外国語映画賞、第41回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドールを受賞した作品。監督はベルイマンの脚本を映画化した「愛の風景」のビレ・アウグスト。

スウェーデンからデンマークに移住し、農場で雇われることとなった父と息子が、階級社会や貧困に喘ぎながらも生きていくという物語。題材からも想像がつく通り、とても重い内容の作品で、父と息子だけでなく、その他の人にも淡々と悲劇が起こっていく。

2時間半、止め処なく陰鬱な雰囲気が漂う作品だが、不思議と退屈しない。「愛の風景」でも思ったことなのだが、劇中で起こる出来事が意外にも多く、作風の割にボリューミーな作品であった。

いざという時役に立たない父親やアメリカに夢を抱いていたものの、その夢が叶うことなく終わってしまったエリックを反面教師として、ラストには一念発起したペレ。デンマークに到着した時の父親にくっついているペレの姿から想像もできないほど成長して逞しくなっていた。

ラストは余韻に浸らせる様な海辺のシーンで終わっていたが、原作ではこの後の物語が描かれており、メインはこの後の物語らしい。映画としてはここで終わるのが綺麗なので、この後の物語にはあまり興味がない。この後のペレが農場や父親から離れ、幸せになったことを祈るばかりである。

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