ほとんど人の姿が映らない空っぽの風景にさざめく、濃密な人の気配と声。静かに狂気を孕んでいく男女の日常が、美しい朝焼けや薄明の光景とともに、声や物音だけでつづられていく―。 いま出てきたトイレの中に、誰かがいるような気がしてならない…。パジャマ姿の青地(つぐみ)が眩しそうにカーテンをめくる。もう陽も高い。中学の非常勤講師をしている彼女は、このごろ学校へ行くのがおっくうで、いくら寝ても寝たりない感じ…
ほとんど人の姿が映らない空っぽの風景にさざめく、濃密な人の気配と声。静かに狂気を孕んでいく男女の日常が、美しい朝焼けや薄明の光景とともに、声や物音だけでつづられていく―。 いま出てきたトイレの中に、誰かがいるような気がしてならない…。パジャマ姿の青地(つぐみ)が眩しそうにカーテンをめくる。もう陽も高い。中学の非常勤講師をしている彼女は、このごろ学校へ行くのがおっくうで、いくら寝ても寝たりない感じが抜けない。同僚教師の野口(西島秀俊)は、自分の顔のことは棚に上げ、青地の顔がだんだん膨らんできていると笑う。長く付き合い過ぎた彼氏(山本浩司)との会話は上滑りし、好きだという気持ちもすでにおぼろになっている。 繰り返し見続けるのは、記憶とも妄想ともつかぬ奇妙な夢。どうも何かが変だ…。
めちゃくちゃ良い 良すぎたなー
「おまえおかしいよ」って良い
おまえがおかしい可能性について考えられてなくて、馬鹿で浅はかで、わたしにそういうこと言えちゃう、言ってくれる人なんだって、わかる、良い言…
この映画は写真なんだと思う。写真の映画はよく、木々の間から木漏れ日や空を写す。 SELF AND OTHERSとか、PERFECT DAYSとか。映画の文法じゃない形で心象を可視化するとそれはすなわ…
>>続きを読む幾重にも重なった蜃気楼を見ているような
掴みどころのない
それでも、確かに自身の感覚としてとらえることのできる対象との時間。
(他人がそれを知覚できるかどうかは問題ではない)
それはまぼろし
おぼ…