牛腸さんの手紙の朗読を聴いていると、生きる意味や目的について考えさせられる。彼は、ただ生きるというのではなく、何かを成し遂げたい、生きた証を残したいと強く思っていた。身体的ハンデを負っていたのが大き…
>>続きを読むひとつだけいうことがあるとしたら、佐藤真も牛腸茂雄も、光と影のあわいに、とりわけ不可視の領域に、ほんとうの淋しさをしきりに感じとって、決して、その感情に名前をつけてしまうことなく、フィルムの上に焼き…
>>続きを読む暮らしの思想 佐藤真 RETROSPECTIVE
海面や木のざわめき、街を照らす夕陽なんかのショットと写真のモンタージュに、夭逝した写真家・牛腸茂雄の手紙の朗読が重なって浮かび上がるストーリー。
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冒頭、住宅地の真ん中に設けられた草地に、一本の木が映し出される。鳥のさえずりとともに風が吹くと、葉はゆらゆらと揺れ、しばらく同じ画角のまま停止する。ぼくはその画面をただ見せられる。とても静かだ。
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不在を通して本作品で描かれているのは、牛腸が彼自身の写真を通して静かに見つめていた世界。写真の意図や手法についての具体的な説明がないことが、ステレオティピカルな理解を妨げ、彼の作品ならではの深みと味…
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