たしかに凄い映画だとは思うけど、黒澤明の『七人の侍』の模倣(?)みたいなスローモーション映像や同時進行系カット割など、今観ると時代錯誤的で熱苦しい演出も多い。
内容的にも武士が堕ちた野武士に虐げらる農民を救うという『七人の侍』とほぼ同じ展開だったのには驚き。パクリとまでは言わないが、酷似している。
黒澤がアメリカ映画に及ぼした影響は強い。あの『俺たちに明日はない』ですら黒澤的な同時進行系カット割やスローモーションを導入している。(ラストの有名な襲撃シーンね)
60年代は『荒野の七人』や『荒野の用心棒』など黒澤菌がウヨウヨしていたから、本作もその亜流と言える。何も黒澤明を貶したり叩いてるつもりではない。この頃の「黒澤明的」な演出に食傷してるだけで。一旦、制度化された途端に胡散臭くなる。
これはベトナム戦争の反動からかつての西部劇が保守的ではなくなった革新派【ニューシネマ】なので、『捜索者』や『リオ・ブラボー』といったウエスタンにある伝統美に毒を注入した意味で画期的だった。少なくともこの頃は…。
今観ると、回想シーンを無理やり挿入したり後半でスローモーションを節操なく入れてバリバリ人殺したり何だか東映ゲテモノ映画みたいだ。辻褄が合ってるようで合ってない?
脚本のウォロン・グリーンは後にシュワちゃん主演の『イレイザー』(大好き!)をリライトした人物。主人公を演じたウィリアム・ホールデンよりも脇役のアーネスト・ボーグナインやロバート・ライアンの方が印象に残っている。
男同士の友情を描かせるとペキンパーの右に出る者はない。まさしく全共闘世代の映画。🔥