ゴッド・アンド・モンスターの作品情報・感想・評価

「ゴッド・アンド・モンスター」に投稿された感想・評価

ゲイで元映画監督の老人がノンケの庭師との出会いを通じ、昔の記憶に囚われるようになる中で二人は絆を深めていく。
老人は同性愛者であるため、社会にとって怪物と見なされる。
『フランケンシュタイン』の副読本に留まらない良質性を持ち得ているが、思いの外、テーマとしての同性愛を前面に押し過ぎていて(まるで彼にはそれしかなかったと言わんばかりに)ちとがっかり。後になって気がついた。私も冒頭の学生と同様に怪奇映画作家としてのホエールを望んでいたのだ。
人非人

人非人の感想・評価

4.0
プールの中で空を飛ぶように浮かび、自由になるイアン・マッケランと、雨の降りしきる夜にフランケンシュタインの真似するブレンダン・フレイザー。
dude

dudeの感想・評価

3.9
晩年のジェームズ・ホエールを描いた作品。こんなことがあったのかと思って観ていたがどうもフィクションの度合いが高いらしく、それはそれで『フランケンシュタイン』『フランケンシュタインの花嫁』の評釈としての脚本の妙に唸る。怪奇映画風の画面作りも徹底というほどではないが嬉しいところ。
同性愛、老人の性欲、死を描くことなどに対する様々な偏見が描かれはするものの、ホエール役のイアン・マッケランがあくまで飄々としているのが良い。ゲイにしか伝わらない駆け引きやジョークなんかも楽しく、序盤のシーンで取材に来た青年との何気ない会話や佇まいだけでそれと悟らせるのが上手かった。フランケンシュタイン似の頭をした庭師がホエールの恐怖と嫌悪の世界に足を踏み入れそれを受け入れる姿に溜飲下がりまくり。
スペシャルサンクスでジョエル・コーエンの名前が出て驚いたが、どうもホエールの描いた絵を提供したらしい?
《ダークユニバース》のプロローグ特別映像でDr.フランケンシュタインが「神と怪物の新世界が始まるのだ!」と叫ぶシーン。
『フランケンシュタイン』のこの映像が本作にもジェイムズ(イアン・マッケラン)のフラッシュバックとして登場する。
それと劇中で『フランケンシュタインの花嫁』の撮影風景が再現されていてコレも既に《ダークユニバース》を先にやってます(笑)

昔真夜中に起きてテレビをつけたら劇中劇の主人公二人で再現された『フランケンシュタイン』のモノクロ映像が流れていて意味不明ながら最後まで見てしまった。
のちにこれが『ゴッド・アンド・モンスター』と言う本作と知ったのですが。
アカデミー脚色賞受賞にも関わらず日本では当初劇場公開されずファンの活動により劇場公開に漕ぎ着けた作品。

『フランケンシュタイン』『フランケンシュタインの花嫁』の監督ジェイムズ・ホエールの自宅プールでの変死。
自殺との事で間違いないらしいですが、本作はその死に至るまでの最後の日々を描く。

実在の人物であるジェイムズ・ホエール監督はゲイであり晩年を迎え、嘗ての恋人たちや従軍したクリミア戦争での想いを寄せた兵士の残酷な死、少年時代恐らくは厳格な両親や教会(キリスト教)から自らのゲイである事実を否定されていた記憶、蘇る過去の記憶と幻影に苛まれている。

嘗ては世界的な名声を得た映画監督でも今は世捨て人同然で、メイドと2人だけで郊外の邸宅で寂しく隠遁生活をおくるジェイムズ。
そこへ海兵隊上がりの屈強な肉体を持つ庭師クレイトン(ブレンダン・フレイザー)がやってくる。
今は絵が趣味であるジェイムズはクレイトンに絵のモデルになってくれるよう頼む。
絵のモデルとなったクレイトンにジェイムズは絵を描きながら自らの半生、赤裸々な同性との恋愛遍歴を語って聞かせる。
クレイトンはジェイムズに初め強い嫌悪感を抱くもののやがて強く惹かれている自分に気づく...

これも或る意味『フランケンシュタインの花嫁』のリメイクなのでは。
ゴッド・アンド・モンスターとは意訳すれば「創造主と怪物」でしょうか。
『フランケンシュタイン』を作った男ジェイムズと彼の生涯最後の恋人(だと思う)であり言わば『フランケンシュタインの花嫁』となる男クレイトンの話し。
これもまたダークユニバースのひとつと、今思えばそんな風にも感じます。

嵐の夜、ジェイムズの前で全裸になり肉体を晒すクレイトン。
「私の怪物になってくれ!」
と自らを殺すように頼むジェイムズ。
クレイトンはジェイムズのもとに現れたフランケンシュタインの「怪物」であり「花嫁」だった。

幻想の世界でフランケンシュタインの怪物となったクレイトンに手を引かれジェイムズが向かった先は死んだ兵士たちの墓場で嘗て戦場で思いを寄せた兵士の傍らで眠りにつくジェイムズ。

『シェイプ・オブ・ウォーター』の半魚人、『ゴッド・アンド・モンスター』のフランケンシュタインと両方ともアカデミー賞受賞作品で個人的には之こそが正に《ダークユニバース》(だと勝手に思う)

時は流れ自分の子供にテレビで放送されている『フランケンシュタイン』を見ながら「この監督と自分は友達だったんだ」と言うクレイトン。
そして雨の中をフランケンシュタインの怪物の歩き方で去っていくクレイトン。
クレイトンにとってジェイムズは「最初で最後の恋人」だった。
この二人の出会いと別れ、過ごした短い日々は素晴らしく、そして余りにも美しくせつない。

等と感想を書いていたのですが、監督のビル・コンドンはメガヒット中の『グレイテスト・ショーマン』の脚本『美女と野獣』の監督等々推しも押されぬヒット監督になってますが何と現在暗礁に乗り上げつつあるダークユニバース次回作『フランケンシュタインの花嫁』の監督だと!
本当に『フランケンシュタインの花嫁』を撮る?!
果たしてどうなりますか...
悠平

悠平の感想・評価

5.0
フランケンシュタインのゲイの映画監督が引退した後、病気により孤独と昔の悲惨の記憶に苛まれる。それに苦悩しながら庭師の孤独な若者と心を通じあわせる。
フランケンシュタインが悲惨な戦争体験から作られたもので、戦争体験を思い出してしまうことはとても辛い。自分も最後は、殺してくれって懇願する。そして、引退した後は裕福な暮らしをしているがめちゃめちゃ孤独なのが分かる。

ゲイの人の繊細さがめちゃめちゃ伝わった。

ラストの雨の中のシーンは好きだな。庭師のひとがフランケンシュタインの真似しながら去る。庭師の人はフランケンシュタインに似てるからな。

フランケンシュタインの映画、見たくなった
実在した映画監督と庭師の交流を描いた小品。

映画監督を演じるイアン・マッケランが素晴らしい。軽妙かつ鬼気迫るというか、、、美しいとすら感じた。

ゲイの老年期、孤独をなんとも哀しく演じていたと思う。

雨の中の幻想、嵐の夜の事件そして温もりあるラストが只々切なかった。


傑作。
カナイ

カナイの感想・評価

4.6
記録用。名作だと私は思う。
タイトルやジャケットからスリラーだと勘違いされそうだけど、そうではなく。
「フランケンシュタイン」を撮った、既に老いた監督(イアン店マッケラン)と、ひょんなことから彼の庭師になるゴロツキ(ブレンダン・フレイザー)のお話。不器用で誤解されやすく、心根が優しい青年。2人はそれぞれに孤独を抱えている。理解されない苛立ち悲しさ、老い、失われる苦しさや恐怖、そんな2人の間に徐々に友情めいたものが生まれていく。
ラストシーンがとても好き。あたたかい気持ちになれる、素晴らしいシーンだと思う。






後に、最後のシーンの動きはフレイザーのアドリブだったと知ってまた泣いた。
tuttle

tuttleの感想・評価

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ゲイがダメじゃなくて、言葉巧みに誘導して意味に食い違いがあるまま脱がせるのがダメだと。
私は主人公の人間性につまづいてノレなかったけど、ジェームズ・ホエール監督や『フランケンシュタイン』に思い入れがあるなら相当見応えがあるのかも。
ぴっぴ

ぴっぴの感想・評価

3.0
予備知識なしで鑑賞。
「殺してくれ」と死を請うシーンも、素晴らしかった。
自分が作り出したものに、最後までとらわれてたのかのしれないね。

2017.2
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