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ポール・ヴァーホーヴェン トリック

『ポール・ヴァーホーヴェン トリック』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

4.2
 オランダ・ユトレヒト、映画ミーティングに呼ばれたのはオランダ屈指の大御所監督であるポール・ヴァーホーヴェン、御年74歳。オランダ映画史上最大の25億円をかけた『ブラックブック』から6年、その華々しい新作完成の告知は突如幕を開ける。プロの女流脚本家キム・ファン・コーテンが書いた脚本は僅かに4ページのみ、時間にして5分ほどの告知映像のその後が公募された脚本の続き募集に対し、世界から集められた700もの脚本。その中から選りすぐりの集合知を結集し作られたのが60分にも満たない中編である。その前にはポール・ヴァーホーヴェンによるドキュメンタリー・タッチの紹介映像が34分ほど収められるのだが、栄光のアメリカ時代を自慢げに語りつつも、新作のことになった途端、自慢の弁舌は突然湿り始める。送られて来た脚本700本のうち、モノになるのはせいぜい2本か3本、そのダイヤの原石を探す作業に膨大な時間を費やし、突如マフィアが出て来たり、唐突に主人公が殺されたりするアメリカナイズされた物語に辟易しながら、総勢397名の脚本家のマテリアルを散りばめながら、今作は完成した。映画は主人公を務めたピーター・ブロック以外はほとんど映画学校出身の素人俳優だが、演劇ではなく映画の勉強をした彼らの能力に監督は一定の信頼を示す。ヴァーホーヴァン曰く、フェデリコ・フェリーニには『8 1/2』という映画があるが、今作は『14 1/2』の性質を持つとドヤ顔で嘯く。

 資産家で会社経営者のレムコ(ピーター・ブロック)は50歳の誕生パーティで妻子に囲まれ、裕福で幸せな人生を噛みしめていた。食卓で愛娘からもらった黒い手帳、妻イナケ(リッキー・コーレ)が催したホーム・パーティには数百人もの人々が集合、宴は繰り広げられる。娘の親友のメレル(ゲティ・ヤンセン )はパーティの途中に現れ、娘と共に兄トビアス(ロベルト・デ・ホーフ)の部屋を訪れる。2人が覗き見た兄のPCの中のメレルのアイコラ画像、フレームを構える兄の前に大胆に見せたおっぱい。するとそこに、日本で暮らしていたはずの元愛人ナジャ(サリー・ハルムセン)が不敵な笑みと共に現われる。妻と2人の愛人、同時に3人を愛する主人公は7ヶ月の身重になったナジャの姿に困惑の表情が隠せない。とびきりの美女3人を手玉に取った辣腕社長の身に思ってもいない悲劇が起きてから、会社の経営は傾き、一気に窮地に陥る。冒頭のレムコの部屋に全てが帰結するかのように、父親レムコへの妻の疑惑の目、奥手な兄トビアスのメレルへの病んだ眼差し、そしてメレルと生娘との友情の行方と愛人ナジャに隠された壮絶な秘密が活性化させる物語は、ソープオペラ的なメロドラマでありながら、次の瞬間がまったく予知出来ないコラージュ的な脚本の魅力に左右される。冒頭のドキュメンタリーにおけるヴァーホーヴェンの自信の無さを覆すような二転三転する展開の妙、今回も男の欲望を3人の女(愛娘も加えて4人!!)は高飛車な欲望を翻弄するファム・ファタール的な妖艶な魅力を放つ。
初めの4ページ分の脚本をプロが書いて、残りは一般公募で作るという斬新な映画でした。
前半はこの映画を作る過程のドキュメンタリーでした。いつもバーホーベンの映画はメイキングを絶対に見ているので、元気で楽しそうな姿を見るだけでも嬉しかったです。

肝心の本編の内容は、一見ウディ・アレン的なコメディ要素もあるのですが、本当に一般公募なのかと思うくらい、いつも通りのバーホーベン映画でした。もちろんエログロです。

ロボコップ2をボロカスに言っていたのが印象的でした。2は見てないので興味が湧きました。
シル

シルの感想・評価

3.4
宅配レンタル3本目
同監督作8本目

面白い試みの映画

映画冒頭4分だけを撮影、公開し、その後の脚本を一般募集。送られてきた大量の脚本から監督自ら選出し、再構築することで一本の映画を作る。

一部は制作過程での苦悩をドキュメンタリーとして描き、二部が映画の本編で50分くらい。

全員頭イカれてる。

友達が父親と寝てることに気づいた娘いいな。普通にもったいないし、周りに迷惑かけるよねって感心してたのにちょっとかけるんかい。笑った。

なぜ許せるんだ娘よ、なぜそれを知った上でいけるんだ兄。

ギリまとまってると思うからすげーな。
最後の一言も強烈で好き。

映画の本編の点数としてはこんなもんかな。
試みは良かったんだけどな。
2024
171

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