薔薇いくたびかの作品情報・感想・評価

「薔薇いくたびか」に投稿された感想・評価

古いしきたりや考え方に縛られながら愛を感じ続ける男女(若尾文子、根上淳の共演)によるロマンティックな映画。衣笠貞之助監督作品。モノクロ映画。 VHSレンタル鑑賞。

上野の芸術大学の入試場面から始まり、若尾文子は受験番号=117番の受験生。
119番の受験生(南田洋子)と知り合いになるが、お互いの合格までは名前や住所の交換せずに、番号で呼び合うことにする。そこに、119番の兄(根上淳)が車で現れて、117番と兄の相思相愛が始まる。

その後、なかなか会うことができなかったり、すれ違ったりすることが続き、兄は友人に「117番なんて、名前も住所もわからない。夢のような話だよ」と言われ、117番は地元のしきたりの「足入れ」=「結納とともに事実上の結婚候補として、夫候補の家に住まうが、嫁失格となると結婚はされずに返される」に縛られて、嫌々ながら市岡家(船越英二)のところに3日間だけ行く。
二人は再会する。二人が車で出かける場面を、二階の物干し場から見下ろす母親視線の俯瞰ショットが衣笠監督うまい。
この「足入れ」が問題となり、破談寸前。
クライマックスの京マチ子や長谷川一夫の「本当の愛情とはなにか」についての言葉は、物語を引き締めて、いい感じである。
(ただ、この物語で2時間15分は、当時の大映映画としては長尺である。)

若尾文子は、とても若くて、非常に綺麗。
服もオシャレで、相変わらず美しい声にしびれる作品であった。
こんな単純なすれ違いメロドラマに本気でハラハラして胃が痛くなった
chi

chiの感想・評価

3.5
中洲大洋劇場若尾文子映画祭。
大映オールスターズ出演。映画というより二時間ドラマという感じ。この時期の70〜90分枠に慣れ過ぎていて、久しぶりに見た二時間超え映画は少しきつかった。

藝大の入試で知り合った女の子のお兄さんを好きになる若尾文子。お兄さんもまた彼女を好きになるのだが、運命は意地悪で、なかなか再会を果たせない二人の話。
合格が分かるまで、受験番号で呼び合うと決めてていたため、名前も分からない。しかも、受験番号117番の若尾文子は入試に落ちてしまうのである。
行きつけの喫茶店の本に挟んだ手紙や、新聞を通して、互いにどうにか連絡を取ろうとするのだが、なんと一年もの期間があいてしまう。どうにか会えたのちも、様々な障壁が二人の交際を阻む。
純情可憐な二十歳を演ずる若尾文子がひたすら可愛い。スクリーンいっぱいの彼女を見て、やはり私は泣きそうになる。
南田洋子さんはお年を召してからの作品しか見たことなかったのだけれど、若い頃も本当に可愛くて可愛くて。あと市川雷蔵がアルバイト先の前支配人に似すぎていて笑いをこらえるの大変だった。
大映好きなら、絶対に観ておくべき一本!
chiyo

chiyoの感想・評価

3.0
大映がオールキャストで送る、純潔をテーマにしたメロドラマ。弓子演じる若尾文子、光子演じる南田洋子が、互いを受験番号で呼び合う序盤こそ楽しめるものの、中盤以降は村社会の男尊女卑な風習、過度な女性への純潔の強要に辟易とするばかり。また、弓子が自分に非がなくても自分を責めてしまうような子で、ひとりだけが我慢をして周りに振り回されている感じ。特に、弓子に結婚を迫り「あし入れ」する先となった、船越英二演じる市岡が本当に鼻持ちならない。また、弓子が想う根上淳演じる真一郎も、勝手に期待して勝手に裏切られたと弓子を非難し、こんな真一郎なんて見限った方が良いんじゃないか、と個人的には思った。擦れ違いものは嫌いではないけれど、あまりにも弓子が不憫すぎる。京マチ子や市川雷蔵、勝新太郎等、主役級の俳優を一度に拝める楽しさはあるものの、この映画内容にしては尺が長すぎ。
青二歳

青二歳の感想・評価

4.0
【祝!若尾文子映画祭】
良い子のみんな大映が松竹風メロドラマに挑戦するとどうなるかな?答えは〜…
1.お正月映画並みにキャストの無駄遣いをする(忠臣蔵かっつーの)
2.エキストラがやっぱりすごい
3.長い(忠臣蔵かっつーの)
4.松竹みたいなスタジオ撮りを差し挟むもやっぱりエキストラやロケがすごくて大映だとバレる
5.少女漫画も敵わないロマンチックぶりを発揮して松竹ドヤァ!と盛り上げるもキャストの無駄遣いがすごすぎて気が散る
さぁ答えはどれかな?

こんな贅沢な無駄遣いは忠臣蔵でやっておくれ。メロドラマでするなー。まぁ若尾文子優遇映画だがメロドラマのお約束、ライバルor友人のが魅力的。愛らしさは南田洋子がトップですな。
神

神の感想・評価

3.5
角川シネマ新宿鑑賞。
「その人は僕と一緒だった子かい?」と一年も前の出来事を店員杉田康に聞く根上淳。50年代というのは時の流れ方が違うらしい。じれったくも見守りたくなる自分と船越英二がいなければと思う自分と。