或る夫婦と養女の関係を描き、人間の罪と罰に迫る。このギリシャ悲劇の如き濃密な物語を百分弱の尺に収めた脚色がとても素晴らしい。つくづく50、60年代の大映作品はスクリプトのまとめ方が上手いと感じる。若…
>>続きを読むヤマサツの骨太な演出、水木洋子の名脚本。少女殺しの犯人が自殺。残された娘を被害者家族が養子として引き取る。夫は妻に秘密にしていたが、事実を知って、娘をかわいがるふりをして復讐する。母と娘の心の氷点。…
>>続きを読む三浦綾子さんの処女作の映像化。娘を殺した殺人犯の子供を育てる夫婦の物語。この手の話は総じて母親/妻への役割期待に苛々させられる。それに加えて青臭い義侠心も、無知なふてぶてしさも、観ていられない。昔の…
>>続きを読む若尾文子の大人げなく自己中心的で浅はかで支離滅裂な妻であり母親でもある裕福な家庭で育った女の演技がたまらなく良かった。
『妻は告白する』や『清作の妻』で演じたように思い詰めたら何を仕出かすか分からな…
愛する子供を失う事件がきっかけで憎悪を静かにぶつけ合う夫婦とそれにほんろうされる子供達の残酷な話だけどギリギリ最後にホットできる
気持ち良いほどに自己中心で意地悪な母親役の若尾文子と初々しくて天真…
若尾文子の艶(つや)やかさと憎憎しさ!
1966年の白黒作品。
33歳の若尾文子が、すごく艶(つや)やかで見とれてしまう。
夫の日記を読み、夫や養女ヨウコに憎しみを持ってからのなんとも憎憎し…
『氷点』
1966(昭和41年)
大映
北海旭川市に住む元教師の三浦綾子が朝日新聞の懸賞小説に応募して見事に入選。朝日新聞連載時から話題になり映画化。
プロテスタントのキリスト教徒だった三浦綾子…
罪なき罪人を裁くのは罪深い人々によって甚振られ、謂れの無い贖罪の意識に追い込まれる。
夫は我が幼な子を殺した犯人の子(赤ん坊)を義侠心から養子として引き取ると言う、普通に考えれば余りにも理不尽で…