老人と海の作品情報・感想・評価

老人と海1999年製作の映画)

THE OLD MAN AND THE SEA

上映時間:21分

4.0

「老人と海」に投稿された感想・評価

sabo

saboの感想・評価

3.8
鑑賞日2020/09/22

キューバの老漁師サンチャゴ。
メキシコ湾の沖で一本釣りをして生計を立てていたが長く不漁が続いていた。
そんなある日、遠い沖で一体のカジキと遂に対峙する。
最果ての海で、運命の糸で繋がりあった老漁師と怪魚。繰り広げられる双方の命を懸けた闘いの結末は…

※本作は可能な限り予備知識無しでの鑑賞をオススメします❗(*-ω人)✨


❗感想(ネタバレ含む)❗
フォロワーのミーミミさんのレビューにビビっときて鑑賞(ノ´∀`*)
素晴らしかったです♪
ヘミングウェイの短編を元に作られたアニメーションですが、まず映像が素晴らしい✨
ガラス板に描かれた油絵を何枚も重ねて作られた動画は、力強さや温度感、そして命の躍動感を見る側へダイレクトに伝導させます。
そしてドラマチックな劇伴も相まって迫力満点な作品に仕上がっています♪
感動しました(*´ω`*)

余談ですが、うちは一族総出で釣り好きファミリーなのでかなり共感度高めでした。(この動画鑑賞も釣りから帰って来た直後ですw)
なので釣りを趣味とされている方に対しては、特に手放しで鑑賞を推奨致します(笑
20分の運命のドラマ、どうぞ五感を研ぎ澄ませてご堪能下さい☆

ストーリー:3.9
ビジュアル:4.0
音 楽:3.5
学生のとき、課題図書にヘミングウェイの『老人と海』があった。

そのときのわたしは
その本の良さがよくわからなく

感想文に「主役のお爺さんに感情移入が出来ませんでした」と書いて提出した。

先生は
「では、もう少し貴方が歳を重ねたときに手に取ってみてください。また違う感じ方をするかも知れないですから」と書き添えて返却してくれた。

検索でこの映画を見つけたとき、その時のことを思い出し、懐かしくなった。

この映画は
ロシアとカナダと日本の合作らしい。

21分の短編で

2万9千枚ものガラス板に描かれた油絵を描いては消しを重ねて、莫大な労力の末にできたそう。

その映像はなんとも幻想的で
また力強さに溢れている。

映像表現の教科書にもなりそう

https://youtu.be/TvK-Bjzm3AQ
ご参考まで。



以下ネタバレ有りですのでお気をつけて〜






サンチャゴはかっては屈強な負け知らずの海の男でした。

しかし、そんなサンチャゴにも「老い」は訪れます。

現在84日間、なにも釣れていません。

5歳から仕込んだ弟子マノーリンも同乗していましたが、41日目には親の言い付けで別の船に鞍替えさせられました。

それ以来44日のあいだ、ひとりで海に漕ぎだす毎日です。

サンチャゴはマノーリンが降りてから、独り言が多くなりました。

サンチャゴは言います。
「運はいろんな形をして現れる。
 とすれば どうしてそれがわかる?」

そうなのです。
運はいつ訪れるかは誰にもわからないのです。

ならば…
サンチャゴは思います。
待つしか無い!闘いながら!

いいときは永くは続かない。
運に見放される日は必ずある。

その日も…サンチャゴは
『とにかく新しい日なんだ』と
昨日までの不運を切り離して
漁に向かいます。


さてサンチャゴは何故、海に出るのでしょうか?

それは海が沢山の生命をかかえる場所だからです。

そこには自由に飛翔する海鳥たちも、
水面を力強くバウンドするトビウオたちも
そして海の王者のカジキマグロも
厳しい自然と闘いながら悠々と生きています。

そんな生命たちにサンチャゴは畏怖の念を抱いています。

そして、そこに挑んでいく喜びを。

サンチャゴはいつもより沖に出ることにしました。

新しい漁場。

ー長い死闘の始まりですー


人は本来、孤独です。
ひとりで向き合うしか無いときがあります。

独り言は、自分と向き合う作業。
サンチャゴは、カジキマグロとの死闘のなか、独り言で自分を鼓舞します。

『人間は負けるようには造られていないんだ!』

5メートルの船よりも大きなカジキマグロです。

その怪物と五角に渡りあえている躍動!


サンチャゴには強さへの憧れがありました。
かつて船乗りをしていた少年だったころ
訪れたアフリカの地で、マストから海越しに崖に立つライオンを見たのです。

そのライオンは威厳に満ちていました…



いまやサンチャゴは
『俺たちは今ふたりっきりだ』とカジキマグロに話しかけます。

糸の先とこちらで繋がるうちに、まるで同士のような心持ちです。

丸3日の格闘の末、サンチャゴは
カジキマグロにモリの一撃を放ちます。

見事に命中!闘いに勝利!
船には載せられないので、舟の横に並べて結えつけ、帰港します。

しかし喜びも束の間、獲物の傷から流れでる血のにおいを嗅ぎつけたサメの群れに取り囲まれ、命の危機に晒されます。

しかしサンチャゴは諦めません。

あらゆる武器を総動員してサメと闘います。

闘うことを辞めないサンチャゴ。

『殺されることはあっても負けることはないんだ。
 戦った先の死なら負けではない』

サンチャゴは身体こそボロボロになって帰ってきましたが、
心は充足感に満ち溢れています。

闘いを終えたあとの眠りは格別でしょう。

その夢はもちろん、ライオンの夢です。




そして
この死闘はサンチャゴにある変化をもたらします。

ひとは独りを知り、初めて人を求めるのです。

なん度となく『おまえがいればなぁ』とサンチャゴは弟子のマノーリンのことを想います。

『こんなに沖に出なければ良かったよ。ごめんよ』とも。

この出来事はサンチャゴを素直にもしたのかも知れません。

帰ってきたサンチャゴをマノーリンは羨望の眼差しで迎えます。

また一緒に船に載せて!とも。

ワシは運がないから辞めておけ、というサンチャゴに

『運がなんだい!
 運なんて僕が持ってくるよ』

とマノーリンは力強い言葉を伝えます。


サンチャゴは人生がなんたるかを身を持ってこの若者に見せることができました。

これからは、マノーリンの若さに助けてもらいながら、

サンチャゴもまだまだ海に出ることでしょう。

この物語の深いところはこの継承までも描いているところです。
あー

あーの感想・評価

4.0
観てる途中に、夜の暗闇と灯りの
描き方が素晴らしすぎて...。

一回止めて、雄叫んで。

観終わって雲の描き方が
べらぼうに美しくて、
三回雄叫びをあげた。

『人は鳥や獣と比べりゃ、
 たいした生き物じゃない。

 知恵はなくとも奴らは
 気高くて純粋な生き物だ。

 どうせなら俺は暗い海の底にいる
 奴のような獣がいい。』


動物のドキュメンタリーを観ると、
その『生』だけに純粋に生きる動物達に
素晴らしさを感じる。

21分と短い時間ながらも、人と獣。

知恵を持つ人間とは。と、感じいる。

サメちゃんには、サメちゃんの理。

彼らもただ、生に純粋に生きている。

損をした。とか思うのは、
また人間の理なのだろうな。


https://youtu.be/TvK-Bjzm3AQ
NYoLo

NYoLoの感想・評価

4.0
まだ実際にお会いしたことはありませんが、仲良くさせていただいているフィルマのお友達のご紹介で♪

ガラスに油彩で描いたコマ撮りのアニメーションで綴る、かの有名なヘミングウェイの「老人と海」

原作はもちろん読んだことがありますが、大カジキを釣り上げつつ、サメに殆ど食われ、やっとのことで家に帰るまでの老人の心境を描いた物語、以上のものを感じることができなかった幼き私‥‥

今回、台詞を聞き取るために何度も繰り返し観たためか、それとも油彩の素晴らしさのおかげか、多分両方の効果で、彼の海と生き物たちへの畏怖、敬愛、そして若さと老いとの対比など、複雑な思いに心を馳せることができました。

ご紹介、ありがとうございました!

ガラスだからこその表現(こちらに向かって打ち付ける波しぶきとか)も見応え充分。

途中のファンタジックな描写も美しかった。

リスニング教材として、あと何回か鑑賞したいと思います😊
toko

tokoの感想・評価

4.0
講義にて、吹き替えで鑑賞
少年の声が松田洋治さんでびっくりした

油彩で描かれたアニメーションは美しい絵画が動いている様でなんだか新鮮で、そして驚く程に完成度が高い
hepcat

hepcatの感想・評価

-
大学生の頃大ハマりしたヘミングウェイ原作の老人と海

原作を忠実に再現している
舟が思ったより小さかった

老人が晩年のヘミングウェイを投影しているような儚さが悲しい
HAY

HAYの感想・評価

4.0
"老人と海"の世界観を美しくそして強烈に表現したアニメーション
静と動 光と闇
全てのシーンが絵画
ロシアのアニメーション作家アレクサンドル・ペトロフによるヘミングウェイの小説『老人と海』の映像作品です。1999年アカデミー短編アニメ賞受賞作品です。

『老人と海』は有名な話ですが、一応ストーリーの解説。簡単に言えば老人が巨大カジキを釣り上げる話です。長い戦いの末に老人が失ったものは?そして、老人が得たものは?という話です。すごく奥深い話なので、本作のアニメーションで楽しんでもいいですし、小説もとてもいいので読んでみるといいと思います。

『老人と海』はほとんどが海の上の話となります。水の表現ってすごく難しくって、最新のCGでも自然に人間にとって違和感のない表現は大変です。アレクサンドル・ペトロフのスタイルはガラス板に描いた油絵によるアニメーションです。アニメーションで難しいのは質感です。本作における海の表現は最新のCGと比べてもスゴイと思います。

このガラス板に描いた油絵アニメーションはすごく手がかかります。1)したから光を当てたガラス板の上に油絵を指で描く、2)出来上がった油絵を撮影する、3)ガラス版の油絵を消す(!!!)。4)最初に戻る。一枚絵を描いたら消すんですよ!スゲー大変!
BSプレミアムでスペンサー・トレイシー主演のものが放送されていたので思い出した、完成度と芸術性が高い傑作短編。

あまりに芸術的過ぎて老人と海ってこんな美しかったっけかと変な気分にもなるが、それだけこの作品は圧倒的ということでもある。
AE35UNIT

AE35UNITの感想・評価

4.6
絵画がジワジワ動いていくようで、見ていてとても楽しい。海が綺麗な映画ということもあり、個人的には「ライフ・オブ・パイ」を思い出した。冒頭の、老人の夢の部分の神秘的な感じが、後々になって魚との戦いが精神的な領域まで及んで来るのに繋がっていた。面白かった。
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