ケルジェネツの戦いの作品情報・感想・評価

ケルジェネツの戦い1971年製作の映画)

THE BATTLE OF KERZHENETS

上映日:2016年12月10日

製作国:

上映時間:10分

ジャンル:

3.5

あらすじ

「ケルジェネツ」は河の名前で、実際にこの河のほとりで行われた西暦988年のロシアとタタールの戦争が描かれ、それに巻き込まれる村が舞台となる。

「ケルジェネツの戦い」に投稿された感想・評価

【特集】ユーリーノルシュテインの世界。


二本目は『ケルジェネツの戦い』
中世のフレスコ画が命を吹き込まれる。

前作との違いは、戦いと平和を描いている部分。
前作は戦うことで、新たな可能性を導き出した。だがその結果として待っている部分までに触れることはない。
本作では争いのもとでの憂い、平和による繁栄を連想させる。

BGMと連動した戦闘シーンは、荒々しさが見えつつも儚さも同時に感じさせる。
色彩の美しさはすげえとしか表現できない。


争いとは人がいる限り、いつの時代も起こる。そのおかげで生まれるものもあるかもしれない。
だがそのために失うものはあまりにも多い。
争いのための無惨な死は、世界を赤い血に染めていくだけ。
その後の世界では彼らの傷痕は語られているわけではなく、まるで無かったかのように明るい。

繁栄の裏には犠牲が。
犠牲の裏には繁栄が。
表裏一体なのかもね。
A

Aの感想・評価

3.3
『Yuri Norshtein Film Works ユーリ・ノルシュテイン作品集』より

緻密に描かれた幾重にも重なったイコンのような切り絵が動く。接写や早いカット割り、荘厳な音楽とものすごい作り込みで、想像以上の迫力。
美しく芸術的。絵画とオペラを同時に鑑賞している感覚かな。どちらにも造詣が深くはないけれども。
 『ユーリー・ノルシュテイン作品集』に所収された第2作。オペラ化作品を基に、中世のモンゴルとロシアの戦争を描いた作品。ささやかな生活と信仰、駆り出される農夫たち、妻子との別れ、激しい殺し合い、平和な生活の回復を、フレスコ画を模したアニメーションで描く。前作と打って変わって、平和への祈りに捧げられた作品。
 本物と見まごうくらい、長い歴史のなかで色あせ、ひび割れ、欠け落ちた壁画の質感を再現。清貧に暮らす中世の農村の雰囲気が存分に伝わってくる。無神論が教義のはずの共産主義革命を題材にした前作でもなぜか随所に見られたキリスト教色が、中世を舞台に移したことで前景化している。まぁキリスト教というより「聖母教」と呼んでやりたくなるくらい、マリアの存在感が強いが。
 また、戦闘シーンでは、多重露光を用いて激しい動きを表現する前作の手法を深化させている。
 
 切り絵の関節を曲げるだけの単純な動きの反復は、UPA等のリミテッド・アニメーションを彷彿もさせる。しかし切り絵アニメーションは、デザインをいくらでも細密にできる点で大きく異なる。
 絵画芸術に直接依拠する前作と本作では特に、ノルシュテインはそれによって「絵画の発展としてのアニメーション」をつくっているのだろう。つまり、まず絵があって、つぎに動きなのだ。したがって、様式性の強いリミテッドな動きは制約どころか、むしろ「動く絵画」のために要請されていると思われる。その動きは、あくまで絵画の鑑賞者が「幻視」したかのような、簡単なものでなければならないからだ。
 さらに言えば、ロシア人だから当然かもしれないが、エイゼンシュタインの影響もあるだろう。モンタージュこそ映画を他の芸術から切り離す技法とする一方で、エイゼンシュタインは絵画がモンタージュ的なもの(つまり時間)を取り込んできたという。それはキュビズムのような前衛芸術だけの話ではない。
 絵画をみる眼は、全体と部分を曖昧に往還している。そうした眼によるモンタージュを映像によって顕在化させる、ということをノルシュテインは行っているのではないか。
ERI

ERIの感想・評価

3.4
絵と音の取り入れ方がエッジが効きすぎている。
光と陰の当て方もとても興味深い。美しい。

確かにユーリー・ノルシュテインに影響を受けた作家やクリエイターは多そう。

人生の悲哀や嘆き、祈りが聞こえてくる。10分の作品だけどずっしり見応えがある。

泣きそうになるのは、なんでだろう。ロシアで生まれてこの時代に生きていた人はこの作品を観てる時どんな思想でどんな気持ちだったんだろうか。
ゆき

ゆきの感想・評価

4.1
ロシアのアニメーション神様、ノルシュテイン監督。
フレスコ画を活用して、監督の師匠(?)と作ったという作品。切り絵。美しい。言葉は要らない芸術作。

ケルジェネツという河での戦が描かれる。
『ノルシュテイン監督生誕75年記念のデジタルマスター上映にて。
上映6作品のうちの2作目』
これ、戦争を高揚するように見えたけど、実は反戦映画。なのかな??

そんなことより、この切り絵の素晴らしさには驚かされる。アニメのキャラなんか見ていると、日本人と違ってロシア人ってセンスないのかな?なんて思っていたことがあったけど、これ見ると一変する。細かくて、芸術性も高い。

絵画好きな人は、一度は観て損はないはずです。
988年に辺境民族と戦って東スラブ統一を成し遂げたキエフ公国のウラジーミル聖公の戦いをモチーフに、召集される戦士達と取り残される家族の姿を描いた一作。
戦場へと向かう男達の高揚、家族の悲哀、激戦の様子を静かながら情熱的に描き、戦争が終わったアトの牧歌的な生活をコラージュによって描写されているトコロが絶品。しかも、悲惨な戦争も過去のものとなれば勇ましい英雄譚に摩り替わってしまうという皮肉も感じられるあたりが素晴らしい。
だぶ

だぶの感想・評価

3.0
フレスコ画で戦じゃ戦じゃー映画

これもロシアの歴史知らないとダメなやつ
O

Oの感想・評価

4.9
これ、フレスコ画のアレな感じが苦手!っていう人が見ると、見る目変わるのでは。フレスコ画に関して無知すぎてどこがどの作品の引用なのかさっぱり分からなかったが、魅力を最大限に引き出していると言い切っていいと思う。
10分とクソ短いが見終わってもう10分くらいは「凄い....」くらいのありきたりな感想しか出てこないんじゃないか、ってくらいのパワーはあったなあ.....

ちゃんと「絵画」から「映画」に昇華してます。
YUKIKA

YUKIKAの感想・評価

4.9
色のセンスがすごい。
映像綺麗。
衣装作りとかにも役立ちそう。
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