『路地へ 中上健次の残したフィルム』青山真治
新宮へ向かう車。大友良英の研ぎ澄まされた音が鳴る。
中上健次が撮ったという路地の映像。失われた街並みが幻のように映る。
音楽。被差別部落。ぼくの関心が…
中上健次作品と距離を取るわけではなく、むしろどっぷりと心酔していることを隠しもしない演出にちょっとたじろぐ。
小説版『ユリイカ』を見るに好きなんだろうなと思っていたが、ここまでとは。
ただ"路地を…
中上健次の撮ったフィルムに坂本龍一の音楽が響くシークェンスは、抒情的にすぎる気もするが、私は甘っちょろい人間なので、すっかり胸打たれてしまった。
画面の強度もすばらしく、青山真治監督の作品に大好きな…
2025年は2月3月と紀州に二度足を運び、熊野古道中辺路・小辺路を踏破した。ただひたすらに歩いていたかった、それだけだったのだが。
熊野三山のお膝下として新宮は君臨しているけれど、海に面しているもの…
路地が消える前に中上健次が遺そうとして撮影したフィルムがとにかくいい。
手書き原稿すごすぎ。ミミズが這うような中上健次の筆跡が呪文のよう。原稿用紙が路地と化す。(花が綺麗なポスターの地の部分が手書…