差し込まれる中上健次のフィルムの、路地の黒さ、空の白さにドキッとする。
かつて「路地」であったとされる場所が映される。しかし、ただ住宅地が広がるだけである。果たしてここに「路地」と呼ばれた場所が本…
青山真司と井上紀州両監督が1992年に46歳で亡くなった小説家・中上健次を追悼したロードムービー。撮影・田村正毅。音楽・坂本龍一、大友良英。
紀州生まれの井上紀州が同郷の作家・中上健次の綴った”路…
中上健次が残した言葉「路地」。この言葉で一本の映画ができてしまう力がある。紀州に導かれる中年の男の不思議な旅。何か肉を感じさせる和歌山弁に乗せた中上健次の残した文章が、映像と詩のあわいに溶けてゆく。…
>>続きを読む綺麗だった。
紀州はとても美しくていいとこなんだなぁと思った。それって中上健次の世界観なのか?とも思ってしまったけど。
撮影が田村正毅でロケ地も火まつりに近い場所とか出てくるのにどうしてこんなに違い…
このレビューはネタバレを含みます
移動することによる位相の変化と言葉、映像による、失われた小さな世界の反魂行為。
それはあらゆる失われる町、そこにあった物語、そこにしかあり得なかった交流、人の関わり、思い出、をわたし達にいっとき手繰…
「枯木灘」を読んでいるシーンは分かったけれど、他はようわからんかった。中上健次を真剣に読んでこなかった己の無教養と知性のなさを恥じるばかり。
車を前から捉えるショット、車と電車が並走するショットはと…
田舎の小学校から海、また地方都市の街並みから山へとカメラを振っていくという極めて単純で且つ大胆な旅への誘惑、もしくは批評的な何かに惚れた。真似て自分もこの夏、島崎藤村の小説持って岐阜の中山道行こうか…
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