フル・コンタクトの作品情報・感想・評価

フル・コンタクト2015年製作の映画)

Full Contact

製作国:

上映時間:105分

3.3

あらすじ

砂漠の中、兵士が小屋で画面に向かい、ドローンを操作して標的を爆撃する。遠隔殺戮のトラウマが蓄積した男がたどる精神の旅を、迫力の映像と想像力に満ちた展開で描く驚愕のドラマ。

「フル・コンタクト」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

だいぶ前に見たあやふやな記憶を承知の上でザックリとまとめると
ドローン兵が一方的に殺した敵に罪悪感を抱いて、妄想の中でその殺した相手と文字通りフルコン格闘技の世界で対等に戦う、というお話 晦渋な描写だがストーリー自体は難解じゃなかった
最後試合が終わって、殺した相手と和解の意味で手を取り合ってた気がするが結局自己満足に過ぎないし、都合のいい人物に仕立て上げて殴り合って決着をつける一方的なのは変わってないしで傲慢な映画だった印象
妄想の中ではそれまで映画内で話してた英語から違う外国語に変えたりと描写は凝ってた
すごく好みの映画。いわゆる謎解き映画だけど、自己流の解釈ができる。素敵。全く関係ないけど、映画館のロビーで「グレゴワールの竿が見えたよ」とかいってるオバさんが居て、すげー品のない人だな、と思いつつも『グレゴワールの竿』っていうヨーロッパ映画がありそうだな、って思った。(とてもどうでもいい)
うさこ

うさこの感想・評価

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ラストシーンでの胸の高鳴り。
ドローンの爆撃で、精神の安定を崩した男が、精神の旅に出る物語。
PTSDのテーマの作品は多いが、これは少し着眼点が異なり、肉体と精神の関係性を描いている。
三層構造で一章はドローンを用いて現場に居合わせない殺戮・戦闘。二章は現場にはいるが、自分の手ではなく、武器を用いて相手との距離がある戦闘。三章は自分の手で、相手と戦うボクシング戦闘。なにが心を揺さぶるのか、それはもう明白だ。一章では、ミニマムに無機質な印象から、二章では犬の登場や相手の顔が見えてくる、三章では彼に指示をする監督の顔が見える。どれほどの距離をとるのか、他者との関係性の物語のようにも思えた。最後には相手と抱きしめ合う。ラストの格闘シーンは、自己のストレスやトラウマからの解放、そして精神と肉体を取り戻した男の物語だと思え、大きな感動、動揺、えもしれぬ高揚、胸の高鳴りが暫く止まらなかった。
mmmcy

mmmcyの感想・評価

-
比べちゃかわいそうかもしれないが、『美しき仕事』(クレール・ドゥニ)でのコランを見直したくなる。見直さなかったけど。
戦争映画ではなく、人間がトラウマを乗り越えるまでの精神世界を表現した映画。
監督の説明の通り、三つのパートに別れていてそれぞれ主人公の人間性が異なっている。
1.高飛車、危うい人物
2.恐れ、悲しみを持つ人物
3.愛情、同情を持つ人物

『地雷と少年兵』のように、戦争を"生身の人間の不在"により起こるものであるとこの作品からも感じられたが、それを人と上手く関係を持てない主人公の人格の問題点として描いているため、戦争映画としてそのような見方をすると足りないものがある。
そもそも戦争映画を作りたかったのではなく、現代の問題(バーチャルな人間関係の増加による)を描きたかったということなので、戦争映画として考えようとする自分の見方は見当違いなのはわかっているが、どうしてもドローンという題材を使うのならそこにより焦点を絞って欲しかった。

でも精神世界の描き方は好きで、特にラストは『ウォーリアー』的なカタルシスを感じられてグッときた。また新しい映画に出会えた気がする。
ブログを更新しました。 『【TIFF2015】「フル・コンタクト」彼に罪は無くても、彼の心は壊れてしまう。』
⇒ http://ameblo.jp/yukigame/entry-12087251969.html
Osamu

Osamuの感想・評価

3.8
ドローンを遠隔操作し標的を爆撃する兵士の精神世界を描く映画。

敵には自分は見えない。見えないから殺される恐怖は無いのかもしれない。見えない自分も存在しないのかもしれない。そうだ、存在しないのだ。内なる世界へ突入する。

いつもは安全地帯から敵を追っていた主人公が、追われる恐怖を味わう。安全地帯に居た時からこの恐怖に怯えていたのか。

そして、恐怖から抜け出して新しい自分になることを渇望してクライマックスへ向かっていく。

カメラアングルが個性的。視線を意識させてるのかな。

おもしろくはないけど嫌いじゃない。
あかり

あかりの感想・評価

2.7
東京国際映画祭にて

難しすぎて見ているときも見終わった時も何が何だかまったく分からなくて、眠くて、でも理解しようとして、結局わからなかった
レビューを全部読んでみたらなるほど、上級者の見解を聞かないと分からない映画だった

あとからじわじわ分かる感じが好きなので見終わってからこの映画に対する評価上がった

ある程度理解したうえでもう一度見たいと少しだけ思う
確かに難解だし眠いちゃ眠い。でも監督含めてのティーチインでハッとさせられた。
「これは同じ物語が三回繰り返されてる」
これを受けて見直すとまた変わりそう。見下ろす視点だった男が最終的に見下ろされる形で生身で戦う。とても示唆的。

映像はめちゃきれい。ばっきばっきにキメてきます。ヘルメットに映りこむとことか面白かった。
JunIwaoka

JunIwaokaの感想・評価

4.2
2015.10.25 @ 28th TIFF

帰り道にタイトルのフル・コンタクトが意味することを何度も何度も考えた。
ドローンを遠隔操作し、異国の地で暗殺を行うという現代的な戦争映画かと思ったら、PSTDが題材であってまったく違かった。衰弱する精神世界を圧巻の映像美で語り、とても抽象的にも関わらず明確なメッセージが突き刺さる。
ドローンは通信技術によるバーチャル社会の異常性を象徴していて、人としての感情を失ってしまう現代への警鐘。監督が話していたようにPSTD、つまりトラウマを戦争という背景で強調しているけれど、失恋や事故、近しい人との死別など日常的であって、当たり前にあるものが覆ることで自我を見失ってしまう弱さにある。そんなときに自分の殻に閉じこもり心を無にしてしまう気持ちや後悔だや罪悪感が波のように押し寄せる心情は痛いくらい分かるし、僕なら一日中寝ていたい。だけど生きるということはいつまでも逃避していられずに、再び自分以外の別のものに向き合わなければならない苦しみがまたあるんだよね。
コンタクトというのは他者に触れ合うこと。終盤に描かれる二つのコンタクトによって痛みを感じることで他者を受け入れ、温もりを感じて喜びを知る。フルコンタクトとはPSTDを描きながら他者を受け入れ(それってすごい困難なのことなんだよな。。)て、再生する自我、ヒューマニティーへ辿り着く物語。
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