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「灼熱/灼熱の太陽」に投稿された感想・評価

バニラ

バニラの感想・評価

2.5

このレビューはネタバレを含みます

隣り合うセルビアの村とクロアチアの村を舞台に、時代の異なる3つの恋愛物語を。
それぞれの物語の男女を同じ役者が演じるのも見所、シンプルな恋愛なのでつながっている一つの物語みたいな気もした。
時代ごとの風景の違い、人物を取り巻く環境の背景も興味深く観れた。
描写は終始静かで重さを感じていたのでずっと構えて見てた、紛争の悲惨さを見せられると思ってたので。
恋愛模様は民族間の対立に翻弄される男女の姿だが紛争のシーンはほとんどなく、1話目は悲しい話しだけど2話目3話目は恋愛模様のみで拍子抜けとも感じてしまった。
作品は平和へのメッセージなのだろう、受け取る側で評価が変わりそう。
描く紛争の影を上手く感じ取れなかった。
おすず

おすずの感想・評価

3.0
クロアチア紛争勃発から20年の民族間対立の推移を、10年ごとに3組の男女の関係性から描いたオムニバス。全体の印象としてはオープニングがハイライトで徐々に右肩下がりな感じ。それぞれの話が短い上に、肝心な描写が省かれているので2人の心情がイマイチ読み取りづらくて、感情的に見えてしまう。3時代を描いたからこその奥行きも受け取れなくて、3つの短編映画を続けて観たという感じ。

カメラワークや光と影の使い方、音楽の演出は面白くて惹きつけられたのだけどな〜〜。
クロアチア旅行の前に、歴史の勉強のために鑑賞。
旧ユーゴスラビアでは、スロヴェニアに次いで経済発展しており、91年に独立を果たすもセルビアとの泥沼の内戦、血みどろの戦いにより多くの犠牲者を出した国。そんな民族と宗教の対立により深く傷ついた国の、再生と復興、希望の兆しと影を描く。91年から10年ごとに、クロアチア人とセルビア人カップルの関係を通して、時代が変化していく様を描くのはとても興味深かった。

91年のエピソードが最もインパクトがあり、鮮烈な印象を残すが、あとの2話は、人物の心理描写が分かりづらく、テーマも重いため、見るのに根気がいる作品でもある。

ただ、2011年のエピソードの最後がとてもよかった。
大学生のクロアチア人男性は、交際していたセルビア人彼女を親の反対により捨てた過去を持つ。そんな彼が彼女のもとに許しを請いに行くと、彼女は彼に背を向け、玄関のドアを開けたまま無言で去る。彼らには、幼い子供がおり、暗い過去を押し流し、未来へ歩んでいくメッセージに感じ、とても印象的だった。

クロアチア人の友人に、現在の民族対立の禍根について聞くと、今の若い世代間では、ほとんど問題にならないことが多い、と話していた。この映画に、2021年のエピソードを付け加えるなら、間違いなく最も明るく希望にあふれた話になっただろう。
クロアチアの30年の歩みに思いをはせる映画だった。
ルー

ルーの感想・評価

2.7
3つのストーリーがあるけど、3組のカップル全てが同じ役者さん2人という面白い試みが、今回はあまりしっくりこなかった。
同じ人が演じるのであれば、3つのストーリーにもう少しはっきりとした連関が見えれば、その試みはより活きたのではないかと思う。
この地域の時代の流れは見えるけど、3つのストーリーに繋がりが感じられないと、どうしても1つの大きな作品という感じが薄れるように感じてしまった。

2つめの話の男は、辛い様子を表には出さない人だったけど、やはり心の内には思うことがあった。だけどそれを飲み込み、前へと進むのは、あれは強さだなぁ。

クロアチアはめちゃくちゃ旅行したい場所なので、コロナが落ち着いたら絶対に行こう。。
mh

mhの感想・評価

-
クロアチア紛争/1991-1995における民族間の対立を題材にしたオムニバスムービー。
同じ役者が三つの時代で別の役を演じるというハイコンセプトな映画。

①紛争がはじまる1991年。引き裂かれる恋人同士の話。
②戦いが終わってすぐの2001年。惹かれあうけど相手のことが、民族的な意味で許せないふたりの話。
③次第に人が戻ってきた2011年。雪解けが近いふたりの話。

共通設定は、クロアチア人の男とセルビア人の女。
そして水が印象的に使われていた。

①が強烈。②③はちょっとついていけない部分もあるんだけど、民族浄化とかGenocidal rapeとかが行われていた紛争なので、無理もないという側面がある。
ただ、映画のなかではそういった蛮行があったことがわからないようになっている。民族間の対立には宗教的な理由(キリスト教VSイスラム教)もあったかと思ったが、そっちには触れないで進むため、やたら感情的なひとたちと誤解されそう。
同じユーゴスラビア紛争のなかでも、クロアチア紛争だったり、ボスニアヘルツェゴビナ紛争だったりで、お互いに影響を与え合ったりしているいっぽうで、細部が違っていたりもするので、一緒くたにもできず、理解がなかなか追いつかない。
でも、面白かった。
りょ

りょの感想・評価

-

同じ俳優を使って、10年ごとの異なるクロアチア人とセルビア人の二人を描くというやり方、面白いしかなり良かった
役名は変わっても家族構成と民族が一貫してるから理解しやすくて助かる

紛争により引き裂かれようとする91年、わだかまりが強く残る01年、次第に紛争が遠き日になろうとしていても禍根は残る11年。これだけでクロアチアを知った気にはなれないけど、ざっくりと辿ってきた道筋が見えて良かった。

アンダーグラウンドの終わりがこの映画の始まりに繋がるけど
戦禍に見舞われ続けてるね……
《ZVIZDAN》
うわー…好き!!

2018.08.26レンタルDVD*字幕
ICHI

ICHIの感想・評価

3.3

終わり方と川に入水するシーンが印象的だった。

皆のレビューを見るまで、時系列が全く別な事、違うキャラクターを演じていることがいまいちよく分からなかった。


同じ人物のその後を描いているのだとしたら、名前も設定も変わっているしなあ、なんてぼけえっと感じながら観ていた。

お兄ちゃんの残骸がぐちゃぐちゃになってベッドにへばりついている描写、敵な筈なのに惹かれている本能的な描写が衝撃的だった。

輪廻転生までは時系列的に空いていないが、同じような関係性で別の時系列で繰り広げられる模様が三島由紀夫の豊饒の海の設定をちょっとだけ想起させた。(話の内容は全然違うけど)

母親が娘にブチ切れるところがとてもリアルで、「わたしは家畜ではないのよ」みたいなセリフが印象に残った。

いつも息子や娘や夫を思って、せっせと家事をし、愛情をそそぎ、意志を尊重し、必要とあれば行っておいでと送り出す。

そんな自分を蔑ろにしてくる娘になったとしたら、母の人生、存在意義は絶望的だろう。そんな母の押し隠されていた不安や悲哀が、映像でまざまざと描写されていた。


最後の、1度追い出した夫が帰ってきて玄関でうずくまっていたのを、一瞬隣に座って、でも言葉や抱擁などは交わすことなく、玄関を開けたまま家に入ってゆく妻、そのシーンがよかった。

女って、こうやって男を許してゆくんだなというのが、無駄なセリフや行動が一切なく示されていた。

勧められて観たが、まだまだぼやっとして理解ができていないからまた観たいと思う。
第二章の娘の態度に怒る母親の言葉が苦しい。
大切な人、ものを失っても、生きていかないと、という母親の覚悟と、若い娘との葛藤。
そこそこ大人になったので、お母さんの気持ちに肩入れが強くなり、娘の態度にイライラしてしまう。

第一章は、民族、国境とは、そしてそのカテゴリーに沿って起こる争いに巻き込まれる民の不条理さ、リアルに描いてると思う。経験したことはないけど、観ていて共感できる点において。
第三章は飽きてしまい、途中から真剣に観れず。

このレビューはネタバレを含みます


セルビア人とクロアチア人の対立によって生まれてしまった悲恋たち。
主演の2人が3つの時代の物語を演じているのが新鮮だった。

前々から旧ユーゴスラビアの国々で起こった紛争に興味があった。
なぜここまで対立し合うのか、憎み合うのか、引き裂かれてしまうのか…。
我々の感覚では分からない、根強く複雑な感情が絡み合っているのだろうか。
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