不滅の物語 オーソン・ウェルズの作品情報・感想・評価

不滅の物語 オーソン・ウェルズ1968年製作の映画)

The Immortal Story/Une histoire immortelle

製作国:

上映時間:58分

3.4

「不滅の物語 オーソン・ウェルズ」に投稿された感想・評価

Hero

Heroの感想・評価

3.5
下界と断絶された閉鎖的な室内で行われる暇を持て余した貴婦人の遊びとくればソクーロフの『痛ましき無関心』を想起せずにはいられないし、ファムファタルなJモローといえばジョセフロージーの『エヴァの匂い』にてスタンリーベイカーと情事の流れになった次のカットが噴水からパンダウンな変態潮吹きモンタージュが思い出される、その対抗馬筆頭としては西川美和『ゆれる』にてJオダギリと真木よう子がベローチェした次のカットがガソリンスタンドにおける給油のクローズアップなインサートの挿入なのか挿入のインサートなのかもはや映像でsexしてる例のあの繋ぎ、本作の蝋燭を吹き消すJモローが鏡に反射するシーンなんかには『上海から来た女』のラストシーンが必然的に出てくるし、そうなればそれをオマージュした『燃えよドラゴン』の鏡の間が思い出される“考えるな感じろ”………そうか、これは感じる映画かと気付いたときにはもう終わっていた。そんなこんなで僕の集中力は色んなところに飛び散らかしていた。オープニングの漢字の垂れ幕が妙にエモかった。漢字とウェルズ。

《ゴーモン映画〜映画誕生と共に歩んできた歴史〜》
紫色部

紫色部の感想・評価

2.5
2018.6.15 アンスティチュ・フランセ東京(フランス語版)

ウェルズと頑なに視線を合わさないジャンヌ・モロー。蠟燭やカーテンに覆われたベッド周りや、階段やベランダ(?)の切り取り方は良かった。
テレビ映画として作られたからか、演出のキレは流石ながらも映像の力が質感のせいで弱く感じられる。

権力者のオーソン・ウェルズは市民ケーン的で、噂話を本当にしようとする展開は後のフェイクに通じる部分があったか。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.8
‪「不滅の物語」‬
‪本作を初鑑賞したが大好きな映画になった。58分の英語版と50分版の仏語版と二種あるが異なる場面があり、更に市民ケーンを思わせる主人公とそれを演じたウェルズの風格ある風貌と彼お得意の歪ます空間造形はお見事…冒頭の漢字の垂幕のシーンと貝殻のアップは印象的でJ.モローも美しい‬。
yaaa

yaaaの感想・評価

4.0
いくつかの短編の映像化のうち、ジャンヌ・モローが出るんなら金だしてあげるよって訳で一本だけ映画化されたものらしい。

まあ正直面白いんだか面白くないんだかよくわからない感じ。
「世にも奇妙な物語」のハズレの回みたいな。

オーソン・ウェルズ扮する金も権力も手に入れた老人が、船乗りの間で噂される物語を実際に行って本物にしてしまおうという物語。
その噂される物語が自分の若い妻と町で拾ってきた若い男をセックスさせるというもの。
この嘘の話を真に変えるというのが「オーソン・ウェルズ」らしいと言うことなのかな。
ある意味オーソン・ウェルズのピンク映画なんだがまったくエロはない。
ジャンヌ・モローの手ブラが見れたりするが「隠すのに必死」みたいで風情はない。
カラー撮影がお初らしいが画面的にもあんまり面白みはない。
カットバックのカメラの位置が引きすぎ!?と思うところが面白みか。

舞台用のような塗りたくりに近いメイクで椅子に座ったままほぼ動かないオーソン・ウェルズに何かを見た!
これってジャバ・ザ・ハットの元ネタなのか?
仏語版を鑑賞。英語版は7分ほど短い。

テキトーなことを言うと、『裏・市民ケーン』という感じがしたな。
これはとにかく酷い…
ウェルズは相変わらず自ら偏屈な金持ちを演じている。
すべてのものを手に入れた金持ちが唯一手にできなかった「物語」そのものを、自分自身の手で作り上げる物語。
って自分でもわかったんだかわかってないんだが、それすらもよくわかっていないのだが、そんな内容だった、たぶん。
哲学的で形而上学的な言葉と禅問答のような台詞まわしで煙に巻かれたかんじになるが、映画を見ているときは全く難解なイメージはない。するりと夢に入りこんだかのようにその「物語」を受け入れられた。そしてモローが出ているシークエンスは、本当に甘美な夢のよう。

オーソン・ウェルズはメイクがやたらと濃く、シェークスピアの舞台役者というか肖像画から抜け出てきたようなかんじ(後期のかれはみんなそういう風に見える)。

本編前にニッカウィスキーCM出演時のウェルズのレア映像を見たが、これまた英語教材のイラストから出てきたようで、とても生身の人間のようにはみえない。
しかし台詞を言わされる感といい、その舞台装置での居心地の悪さといい、いろんな意味で感慨深く、「ああこのひとはテレビCMの中の狭いセットにいるようなひとではなく、やっぱ映画のスクリーンの中に“現実に”生きているひとだわー」と実感し、再認識した。

@フィルムセンター(11/7/2015)*DCP
・sample1: https://youtu.be/_8Le2CkFlUc
・sample2:https://youtu.be/jpDVt6cRg_A
俳優が演じる物語が現実に直結しなければ気がすまない老人をウェルズが演じている。
退屈だが鬼気迫るものがある。当時、ウェルズと親しい関係がない訳のないジャンヌ・モローはかなり艶っぽい。