演出力は全くもって平凡で雑、構図も編集も甘い、がロケーションやプロップの力等が作用して奇跡的価値を持ってしまった映画というのは往々にしてあるもので、まさしくその典型。
海岸で手鏡を見る人魚、その鏡に…
国立映画アーカイブのAFA特集で鑑賞。カーティス・ハリントン監督、デニス・ホッパー主演。
海軍水兵が愛した娘は海辺の遊園地の見世物小屋で(半身魚の)人魚姫役を演じていたが、そんな彼女が「本物の人魚…
海沿い夢アパートのテラスで朝食からエビカニのサラダ。瑞々しいデニスホッパーは内陸から出てきた身寄りのないウブな水兵で、同じように天涯孤独の人魚にのめり込む。思わせぶりないかがわしい演出のおかげで安心…
>>続きを読むカーティス・ハリントンの監督第1作目(本邦未公開)。彼の日本公開作は『悪魔の口づけ』(67)だけだが、魅力あるスリラーであったと記憶している。本作もファンタジーとスリラーが融合した、不思議な味わいの…
>>続きを読む監督は元々アメリカの前衛映画出身らしく、所々挿入される独特なブードゥ的なダンスの映像や海面の撮り方など印象的ではある。ただ実験映画の監督が劇映画を手がけたものを見ると大抵芝居の設計が稚拙なのだが、こ…
>>続きを読む筑波久子が鱶女(!)を演じた蔵原惟繕『海底から来た女』(原作:石原慎太郎)をふと思い出してしまうような人魚の幻想譚。とはいえジャック・ターナーとかマーク・ロブソンが撮っててもおかしくないような雰囲気…
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