蕾の眺めの作品情報・感想・評価

蕾の眺め1986年製作の映画)

製作国:

上映時間:100分

4.1

「蕾の眺め」に投稿された感想・評価

理想的な乳房をもつストリップ嬢(今陽子)に惚れ込んだ中年男性(平田満)が、白黒ショーの相手を務めている男優(佐藤浩市)の代役として舞台に上がることになってしまう。性産業の世界に飛び込んだ平凡な中年男性と、本番行為を厭わない花形ストリッパーの性の交流を綴っているロマンポルノ。早坂暁による同名小説の映像化であり、映画用脚色も本人が手がけている。

タイトルにある「蕾」とは陥没乳首のこと。訳あって女性の陥没乳首に聖性を見いだした中年男性が、理想的な陥没乳首をもつストリッパーを相手に、白黒ショー(本番行為を見世物にしたショー)をする立場になるという物語。中年男性が自分とは異なる性格をもつ佐藤浩市に嫉妬と羨望を向けるドラマと、プライドをもって仕事をしているストリッパーが本物の愛情を知らされていくドラマの紋切り型に則している。

舞台上の振り付けがきちんと映像に収められているため、その異世界感覚に酔いしれることができる。陥没乳首に花をさしていくという見世物にも、形容しがたい官能性がある。また個人的には、あがた森魚と緑魔子の「最后のダンス・ステップ」をBGMに使っているあたりがツボに入る。欲を言わせてもらえば、新しい振り付けを披露したときの、客席の反応を克明に描いて欲しかったところ。

女性の乳首という部位に対して、最大限の賛辞と尊崇を向けている作品。男を蕩かす卑猥な突起であると同時に、赤ん坊に栄養と活力を与えるための神聖な部位でもあるということ。本作はエロティックの根元部分を真摯に捉えた作品とすることができる。しかし、急に現実に引き戻されるラストの展開は、あまり好きではない。