蕾の眺めの作品情報・感想・評価

「蕾の眺め」に投稿された感想・評価

pier

pierの感想・評価

3.0
佐藤浩市が出演しているため鑑賞。
男が一瞬にして冷める終わり方だった。
理想的な乳房をもつストリップ嬢(今陽子)に惚れ込んだ中年男性(平田満)が、白黒ショーの相手を務めている男優(佐藤浩市)の代役として舞台に上がることになってしまう。性産業の世界に飛び込んだ平凡な中年男性と、本番行為を厭わない花形ストリッパーの性の交流を綴っているロマンポルノ。早坂暁による同名小説の映像化。

タイトルにある「蕾」とは陥没乳首の暗喩。一般の中年男性が、理想的な陥没乳首をもつストリッパーを相手にして、舞台に上げるようになるという物語。自身とは正反対の性格をもつ佐藤浩市に嫉妬と羨望の両方を向けていくドラマと、ストリッパーが本物の愛情を知らされるドラマが進行する。

舞台上の振り付けがきちんと映像に収められているため、その異世界感覚に酔いしれることが可能。陥没乳首に花をさしていくという見世物にも、形容しがたい官能性がある。また個人的には、あがた森魚と緑魔子の「最后のダンス・ステップ」をBGMに使っているあたりもツボに入る。

本作は、女性の乳首という部位に対して、最大限の賛辞と尊崇を向けている作品。男を蕩かす卑猥な突起であると同時に、赤ん坊に栄養と活力を与えるための神聖な部位でもあるということ。唐突に現実へと引き戻されるラストはあまり好きではないが、エロティックの根源部分を真摯に捉えた作品としては上出来。