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「ガチ星」に投稿された感想・評価

凌

凌の感想・評価

3.6
ありそうで無いけどあるであろう一種の仮想現実を観た気分に当時なった気がする
Oto

Otoの感想・評価

2.9
苦手な映画だ...。人物が物語の都合で動かされていてそれこそ「駒」のように見えた。

CMのような短い断片の羅列で、どの関係性も掘り下げられることがないから、長い目でみたストーリーが見えない。ほとんど会話を交わしていない期待の新人や後輩との戦いを感動物語みたいに提示されてもどう見ていいのかわからないし、彼の立場で考えた時にスターの後ろに連なって練習するなんてことは絶対選ばないし、ラストレースでわざわざビリからのろのろスタートして演出するようなこともしないし、感動を作り出すために都合よく主人公が使われてしまっている。

ラストレースのそれぞれのバックグラウンドのインサートに関しても、唐突過ぎて悪い意味で驚いた。「みんな問題を抱えて乗り越えています」っていうとってつけたようなテーマの提示で終わっていいのだろうか、どうしてそこに至るまで他のキャラを単なる記号として描いてきたのか。終盤で出てきた謎の悪役も登場させた意図がわからない、ワイルダーが言っていた「第三幕で新しい要素を加えてはいけない」というシナリオの法則をすごく実感した。目標も敵もコロコロ変わっていく、その場しのぎの展開。

主人公があまりにも応援できないのも、葛藤が分散しすぎているからだと思う。元野球選手としての有名税は問題として成立しているけど、息子と妻のことに関しては完全に自業自得でしかないし、そもそも競輪で成功したい動機が「息子に見栄を張りたい」という自己中な欲望でしかないから全然共感できない。年齢による衰えって普遍的な複雑な葛藤ではないので共感層が限られるし、わざわざ他人から「もう競輪しかない」って言ってもらわないと気付かないなんてことないでしょ。『空白』や『劇場』なんかも同じくクズ主人公と言えるだろうけど、彼らにある「でも憎めいないな〜」という要素が欠けている。『百円の恋』で言う、廃棄弁当を意地でも渡そうとするみたいな優しさの描写とか、主体的な「生き生きとした他者に対する強い憧れ」みたいな欲望を感じない。

浮気で傷つけた店主とその妻、きつく当たった母、約束を破って嘘をついた息子、競輪学校で喧嘩を売られた二人...どの関係性も全く回収されていないし、それらを描きっぱなしで新しい要素をどんどん出しているので置いていかれた。一番描いて欲しい努力の描写を飛ばして無事プロになりました、だから家族も許してくれました、よっしゃー!っていうのはあまりに主人公に対して甘すぎると思う。周りの人物が生きた人物になっていなくて、息子や母は言いなり、悪役は試練のために用意された存在。パワハラコーチも、プロになれたからあれはあれでいい過去だったね、で済むレベルじゃないんだよな。

別に成長はなくてもいいけど、変化のドラマはないとダメで、そこが『ロッキー』との大きな違いだなぁと思う。落ちこぼれの描写が図式的な本作と比べると、あちらは「勝ったのに野次を飛ばされる」という一工夫があるし、「世界チャンピオンと戦う」というミッションがミッドポイントからずっと一貫していてコロコロ変わらない。

目覚ましを隠す描写をわざわざ映していたり、玄関に貼られた「金返せ」とか、母親がスクラップブック作っていたとか、どこかで見たような「型」の継ぎ接ぎでしかないから、役者が下手に見えてしまう演出をしている。わかった!って急にはしゃぎ出すのはキャラが破綻しているし、「パン嫌いです」と伝える芝居も急に感情的な悪役に変わっていて統一感がない。後輩だって何も感謝するようなことしてもらってないのにずっとありがたっているから、すごく幼稚なキャラとして描かれている。揺れ動く内面みたいな複雑な心情を誰も持っていない、すごく単純化された人物ばかり。苦悩の描写として「嘔吐」と「涙」しかパターンがないからそれを繰り返されても退屈。

手ぶれで感情伝えたりとか、クロスカッティングで息切れをつないだり、ラストシーンで回想を挟んできたり、観客の感情をあまりにも指定しすぎているのだと思う。みる人の想像力をあまり信頼していないというか、説明をしすぎている。

『セッション』と同じく、自分のスポ根へのアレルギーが過剰に出ているのかもしれないし、実際の主演俳優の人生を重ねているのも知っているし、『戦力外通告の男たち』とかみてるとリアルな世界なんだと思うけれど、そもそも一つ一つのシーンが「断片」になってしまっていて、映画という形態を選ぶ必要があったのか疑問。どうせならコントに寄せてしまった方がよかったのではないか。せっかく華丸さんが登場している割に笑えるシーンもなかった。

もっと人物と葛藤を絞って、大事なシーンに時間をかけて描いて欲しかった。CM監督としては一流なのかもだけど、脚本の問題なのか、テレビドラマを編集してるからなのか、期待外れだった。絶賛している人が割といて人の好みってわからないもんだなぁ…と思う。

監督のCMも、コアアイデアがわかりづらくて、むしろ本筋から外れたディテールで笑わせるトンマナなのが作風かもしれない。
https://youtu.be/2ry41RIkqHA
これは分かりやすいけど、いまだとコンプラやばそう。
https://youtu.be/fCkOZyRYVrI

そもそも価値観として、苦労なんて出来るだけしないに越したことはないと思って生きてるけど、血と汗と涙の結晶にだけ価値があるという考えの人も割といるのかなと思った。運動や仕事などでそういう苦労を強いられてきた人には刺さるのかもしれない、自分は逃げてしまった。

良かったところをあげると、轢かれるときの表情と音は痛々しくて印象に残ったのと、母親の稀に見る実在感。競輪って頭突きとかしていいんだね。
Amelie

Amelieの感想・評価

-
目を背けたくなるような、でも、目を背けたら、この映画を否定してしまったら、自分も許されないような、そんな感覚があった。
もしも、神様が本当に存在するとしたら、人間を見て何度ももどかしい気持ちになるんだろうなと思う。
私の人生も、神様をもどかしくさせてるんだろうなと思う。

努力する機会が訪れる日や自分がヒーローになるかもしれない運命が来る日になぜ期待してしまうんだろう
人間の意思なんて脆くてすぐ崩れ去る
人間って、ほんと、弱いよなぁ
強くなりたいね
大槻

大槻の感想・評価

-
好きな映画を聞かれたら、必ず口にしたい映画。

ひたすらに描かれる主人公のダメな部分を、人ってこうだよねという諦念と、共感を胸に見続け、見続け、見続け…最後はまさしく競輪のラストスパートのように走り抜ける最高の映画。

自分が映画に求めているもの、これだったのでは?という気づきを得た。

物語の展開への期待感と、素晴らしい映画を見れた嬉しさと、登場人物への共感を伴う悲しさで心がフルボッコにされること約2時間。終始見たことのない表情になっていたと思う。

セッション、最強伝説黒沢、リアルと、観ているうちに様々な作品が思い浮かぶが、そのどれもが大好きな作品。

自分もずっと撮影されていて、生活を誰かに見られているとしたら非道いものなんじゃないかと、ふと思ったり。
Agigon

Agigonの感想・評価

3.7
ワイスピ見た後、なんか人間くさい映画見たくてこれをチョイス。ジャケットのみで選んで見ました。
サラッとあらすじ
戦力外通告を受けた元プロ野球選手の濱島は自暴自棄になって落ちていき、家族も去っていく始末。
過去の栄光の日々など微塵も感ずることの出来ないほど、自堕落な生活を送って行く。妻の元で暮らす愛息子にも父親としてもう一度頑張る姿を見せたい…このままではいけないと思いつつも、なかなか新しい仕事にも恵まれなかった。そんなある日弟の一言がきっかけで、濱島は40を目前にして「競輪」の世界へと足を踏み入れる。
だがそこは、彼が今までに経験したことの無い過酷な訓練が待ち受けていた。
過去の栄光さえもそこでは通用などせず、返って、それらが彼の足枷となっていく…。
もがき苦しみながら再起をかけて挑んでいく男の物語。


再起をかけて頑張る中年男のスポ根ものって感じなのかな〜と思ってたんですけど、
この作品の主人公は野球しかしてこなかったと言うか、それしか能がないような人物で、素行も悪く描かれていて、なんともクズ男でした。戦力外通告を受けた後は落ちて行くのが早くて、プロ野球選手があんなにも早くて、どん底な生活に落ちていくものなのかと驚きます。
そんな男でもひとつの目標が出来ると、あんな過酷な事に挑戦しようとするのだから凄い!!そこはスポ根の根がまだ腐ってなかったのね。
男の再起を描いている作品でしたが、
私はこの作品で競輪選手養成学校の超過酷な訓練を知り、訓練をこなして行く彼らがこの映画の見所になっていたように思います。
主人公の濱島の頑張りも中年男性に響くものがあったのかもしれませんが、選手それぞれみんな何かを抱えて、あの場で踏ん張って頑張っていた事に感動を覚えました。

追伸
北九州ではあのパンは有名なんですかね。
1度食べてみたい。久松君には嫌な思い出かもしれないけど…
ペダル踏む暴言暴挙かき消して

(暴言→ネットを開けば人を責める言葉で溢れてて→ネットは匿名だけど競輪会場は自分の顔をしっかりと出して暴言が飛び交う→選手は相当のメンタルなんだろうなって思う→給料は抜群に良いけど→熱い良い作品だったね→夏)
改心するきっかけがそれはちょっと
というか改心せずによく学校卒業できたな
主人公一ミリも好かん
zikakin

zikakinの感想・評価

4.5
めちゃくちゃ現実やなぁと感じた。人間の悪い所、いい所、卑しい所、素晴らしい所、とにかくいろんな面が見れる映画。
落ち込んだ時、何かに負けた時に見てください。少し元気になれます。
悲劇続きおまけに憎悪、どんより観ていたが後半は感動した。
最後の回想は笑えたが…

特別悪くもないのに、トラブルメーカーに仕立てられてるなと同情したが、どうにも最後まで主人公が好きになれなかったな。

知らない役者のキャスティングだったけど、みんな演技が素晴らしかった。

このレビューはネタバレを含みます

どんなに周りの影響を受けても自分自身の悪習を変えることがどんなに難しいか、
なかなか悪習が抜けない自分自身とリンクする部分があり、非常に痛い気持ちになったが、人間変わる時は変わる。という事を同時に教えてくれる映画でもあった。
そして人間決して一面だけ見て決めてはいけないなあとも思った。
パワハラは嫌いだし、無くなるべきだと思うが、あのコーチを見るとあれも一つの正義なのだとどうしても思ってしまう。
最後一位を取らないで終わるのが
あからさまなハッピーエンドではなく、
この先も彼の人生は続いていくんだと思える終わり方でよかったと思った。
泥臭い根性に胸を打たれる映画だった。
主人公が40過ぎて簡単にやり直せない歳だからこそ、この映画は意味の強いものになるんだなあと感じた。
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