団地妻 しのび逢いの作品情報・感想・評価・動画配信

「団地妻 しのび逢い」に投稿された感想・評価

平々凡々な夫婦が社会(金)に翻弄され、お互いの溝が広がっていく。つつましく生活する難しさ、見栄を張りたがる人間の業。団地の閉そく感、逃げ場なしの共同体から漏れ出す情欲。地味なドラマであるからこそ、地に足つけてしっかりと物語を撮っていく巨匠・西村昭五郎。日常にうんざりしている白川和子のため息からのオープニングクレジットが抜群にかっこいいよ。
自信喪失に陥っている夫(浜口竜哉)を必死に支えようとする若妻(白川和子)が、図らずも不倫の歓びに目覚めてしまう。団地住まいの夫婦のすれ違いを描いている、日活ロマンポルノ。

生活を維持する役割としての夫、家庭を守る役割としての妻。それぞれの立場における人間心理をシンプルに描写しながら、その共依存関係のシーソーゲームを説いていく。ストイックかつミニマムな作風だが、ドラマの訴求力は強い。

登場人物では、セックスの手管を利用して車を売り捌いていく、イケメンの自動車ディーラー(大泉隆二)が面白い。「車買ってくださ~い」と催眠術をかけながら、団地妻とくんずほぐれつ。妻に自動車購入の決定権があるかどうかはさておき、箸休め的なシークエンスとしてはアリ。

何よりも、夫婦のすれ違いドラマの要点が、分かりやすくまとめられているのが嬉しい。これぞ「性を題材にした人間ドラマ」の教則本。