マックイーン:モードの反逆児のネタバレレビュー・内容・結末

「マックイーン:モードの反逆児」に投稿されたネタバレ・内容・結末

2010年、アレキサンダー・マックイーン逝去のニュースはファッション界を震撼させます。
ファッション通信でコレクションを見漁ってた頃にその名を知ったのですが、素晴らしいコレクションを沢山発表してたので哀しさが込み上げてきたのを覚えています。

やんちゃで面白くジョークが大好き、類稀なるファッションの才能を持っており、常に意欲的な彼は、「モード界の異端児」という名に相応しかった。

彼の人生をチャプターに分けて、家族、友人、仕事仲間の証言から回想していくドキュメンタリー。各々のチャプターを特徴付ける装飾を纏った骸骨💀が印象的でした。ジャケ写になっている色とりどりの花で囲まれたお面がマックイーンらしくて素敵です。

自身の名を取ったブランド「アレキサンダー・マックイーン」。斬新さと過激さが特徴的なそのコレクションは、すぐに世間から注目されます。メディアからはバッシングの対象となりますが、彼にとっては好都合。
確かな知名度と実力を上げていく彼は、やがて大手高級ブランドにとっても目の離せない存在に。ファッション界のエリート街道を突き進む彼は只々眩しい。

しかし、順風満帆な日々は長くは続かず、年がら年中コレクションに追われる多忙な日々。仕事と私生活が一体と化し、ドラッグが心の拠り所になっている不安定な精神状態。大好きだった筈の洋服作りやファッションは、いつしか彼を苦しめる存在になってしまう。

孤独だった晩年の彼を思うと、どうしても胸が締め付けられます。

常にエネルギッシュで何処か破滅的なマックイーンの生き方は、今もなお多くの人を惹きつけています。彼の生き方や美学を知りたくなったら、それはコレクションに色濃く映し出されているので、是非観て欲しいです。
アレクサンダー・マックイーンと言えば
ビョーク。そして冨永愛さん。
奇抜で不思議な服…
だったのが、
ハイ・ファッションが気になり出してからショーを観て、衝撃を受けたのがジョン・ガリアーノとアレクサンダー・マックイーンでした。

いつかアレクサンダー・マックイーンの服を観に行こうと思ってしばらく、彼の訃報を聞きました。丁度、裏原にブランドポスターが大量に張り出されていて、妙に切なくなった思い出があります。

そんなアレクサンダー・マックイーンの、デザイナー時代の軌跡を追ったドキュメンタリー。イメージしていたのとは随分人物像が違ったけど、vossは死ぬほどかっこいい。そして、気分屋ではあれど、周りの人を大切に生きたマックイーンの、文字通り駆け抜けた半生が垣間見れる作品でした。
全編に渡って情熱が溢れてる。

めちゃくちゃな人だけど、結果、色んな人に愛されていたんだということが伝わってくる映画でもあります。

vossの真ん中の箱のモデルを務めた作家の方が、「ショーの後、大量の花束が家に届いていて、そこにはアレクサンダーからのメッセージ『今日は本当にどうもありがとう、きみはとても美しいよ!』」というエピソードをどこかで読んで、人柄が見えた気がしました。

デザインだけでなく、テイラーと向上心で鍛えた技術に裏打ちされた服は、アイディアだけではなく、どこか洗練されていて、ボディが着るとそれはそれは美しいラインが浮かび上がる。エンドクレジットが出る間際にそれに気がついて、一瞬息を呑みました。

服は着るものだけど、それだけじゃない。それを体現できるのがアレクサンダー・マックイーンの作る服だったのかもしれません。
天才の努力と苦悩の物語

一世を風靡し、時の人だったリー
若い頃から才能に溢れ、コレクションは毎回話題を攫い、お金を払ってでも彼の下で働きたいデザイナーが山程いるくらい。。

あの若さで、想像もできないくらいのプレッシャーと、落胆を味わっている彼の人生を知ってしまうと、手放しに「成功者」とは言えない感じ。

とても響いた言葉が、

ショーを観に来た人たちに、日曜日の午後にお茶をしに来た気分で帰って欲しくない。
最高の気分か最悪の気分になって帰って欲しい。
じゃないとやる意味がない。

この言葉をずっと体現し続けた人です。
ファッションや芸術に疎い凡人です
何とかコレクションやVogueといった雑誌も
イマイチわからないファッションもあるのであまり見ません

でも、アレキサンダー・マックイーンの名前は知っていたし 美しいものは好きなので鑑賞してみました

いつもドキュメンタリーを鑑賞した後は
わりと淡々としているのですが、これは少し悲しくなり、落ち込んでしまいました

失業手当を資金に始めて、才能を発揮し、ジバンシイにまで抜擢されます
この時の彼はお世辞でも 業界人には全く見えません
ぽっちゃり体型、自身の服にもこだわりがなく
本当にその辺にいそうな風貌です
でも、この頃の彼はよく笑い、明るくチャーミングでした

ジバンシイとグッチと仕事をするようになってから、彼は目に見えて変わります
この頃の彼は痩せて、洗練されますが、あの頃の明るさ、笑い声は全くありません
確かに、年14回のショーはクレイジーですね
また、精神科の病室をイメージしたショーをやる時点でもうヤバイのでは?と予感させます

後半のインタビューで彼は海が好きで自然に身を置きたいと答えています
大好きな犬達と戯れるている時に見せる一瞬の笑顔は作り笑いではなく、本当に自然な笑いでとても印象に残っています

もう、前半と後半だと演技しているのかな?と思うくらいの別人です
最初は好きな事を仕事にできて楽しかっただろうと思います
それがとても伝わってきた

後半はもしかして、仕事が全然楽しくなかったのでは?と思ってしまいました
また、彼はとても才能に恵まれていたのに
まわりの人や環境に恵まれていなかったのかな?とも思います
恋人ともあまり長く続かなかったようですし、
仲の良かった仕事仲間はいても、心許せる友人も少なかったような
本当に心を許せたのは母親と姉だけだったように思えます


今から書くレビューはもしかしたら、不快に思う方もいるかもしれませんが、書かせてもらいます

個人的にマックイーンの甥の発言に一部不快だと感じるものがありました

彼が◯◯◯の陽性だったとか
孤独で首吊り自殺なんて恐ろしい、怖いみたいな発言が後半に飛び出します
しかも、彼の自殺の話をする時の表情はどことなく笑みを抑えているように感じたのはわたしだけでしょうか?わたしだけですね、ごめんなさい…

他のレビュアーさんや世界中ファンの方はご存知の方が多いかと思いますが 何もそこまで告白しなくてもよかったのでは?と少し怒りを感じてしまいました
デザイナーのドキュメンタリーとして素晴らしく、見応えがあって、これぞまさに観たかったドキュメントだなぁと思った。
コレクションのテーマごとに章が5つに分かれ、そのショーがどういう意図だったか、
どんな素材が使われていたか、見るべきポイントなどが分かりやすく提示されていた。
それとともに彼自身の言葉や、家族、関わった人たちの言葉から見えてくる彼の半生や趣味嗜好、人となり。
情熱と愛を持って美を追求していたこと、時系列に沿って、名声を得るとともに変化していく彼の思考なども感じとれて、コレクションの映像がただ流されるものではなく深みを持って見れるように工夫されていた。
情報量の多さに何度一時停止したことか。
各章で打ち出されるスカルとイメージ、万華鏡のようなドレスの写し方のエンディングも素晴らしかった。
作曲家マイケル・ナイマンのサントラとシニードオコナー聴いてみよう。
日本でも回顧展を開催してほしい。
近くで拝みたい。

以下 備忘録
【TAPE ONE:JACK THE RIPPER STALKS HIS VICTIMS】
ーー他人そして自分自身にどう思われてもよかった。だから心の奥深い闇から恐ろしいものを引き出しランウェイに乗せるんだーー
・学生時代からずっと服の絵を描いていた
・17歳の頃、姉のためにタイトな美しいラインのスカートをつくる
・母の勧めもあり紳士服の聖地でもあるサヴィル・ロウで職探し
・老舗テーラーのひとつ、創立1906年のアンダーソン&シェパードで服作りの基礎を学ぶ/何でも教えてくれと貪欲に吸収
・90年代初めにコージタツノのビスポークテーラー(注文仕立)でも働く
・伝統的な方式によらず、構造と立体について試行錯誤をしていたコージのやり方を理解したがっていた
・ストリートウェアのレッドオアデッド
・真面目、無遅刻、冷静
・服と関係ない事項から服作りのヒントを得ることを学ぶ/ビジュアルリサーチや歴史 セックスによるアイデア
「どうすれば前に進めるのか?」
・イタリアのデザイナーが始めたセカンドライン/語学力も滞在先もお金も資格も持たずイタリアへ
・約10日後、ロメオ・ジリの助手となる
・ロメオの想像を形にしようと、職人と共に作ったジャケットの中には黒ペンで「くたばれロメオ」
・そこでも貪欲。情熱。
・みずぼらしく魅力がなく、無一文でも服を山ほど抱え、情熱を持ってMAコース創始者のボビー・ヒルソンに会いに行く
・服飾界にいる叔母のレネーの援助もあり、セントマーチンズ美大へ入学/最高の学校/表現の自由/同じ志の仲間
・講師を恐れず「僕の方が詳しい」という
・絵画や本はどれも新鮮/正攻法ではなく独自の解釈で感覚を養う
・ロンドンファッションウィークでの卒業コレクション
1992.03.16.LONDON
[獲物を狙う切り裂きジャック]
・切り裂きジャックやパフュームなどイーストエンドの歴史や闇に影響を受け、美しいものを作り上げた/黒いコートの裏地には人毛/血のような赤/奇抜な毒々しさ
・UK VOGUEのイザベラ・ブロウに服を買い上げられる
「見たこともない動きをする服、モダンでクラシカル。サボタージュと伝統の完璧な組み合わせ。美とバイオレンス。天才。」
・それについても「とにかくお金がほしくて」


【TAPE TWO:HIGHLAND RAPE】
ーーデザイナーは誰しもイリュージョンを作りたい。人を惹きつける物を作りたい。
服は美しいものだが、外には現実がある。
現実に耳をふさぎ、世界は楽しいと思う人に現実を伝えたいーー
・90年代は一夜限りの服作り
・リー・バウリーの超越した美学に影響される/ラバー ラテックス 革へのフェティシズムもデザインに取り入れる
・元恋人 アンドリューグローヴス
「行儀の悪いやんちゃなスクールボーイ」
・ショーのヘアメイクをこれまでの実績を問わずに見分ける審美眼/MIRA CHAI-HYDE
・お金も手段もスタジオもスポンサーも実績だって何ひとつなくても、それでも「ショーをやる」と彼は決めていた/人を集める魅力
「他人を気にしない。結局人はみんな別々の存在なんだ。独自の考えがある。」
・笑い声と90年代半ばの大胆な創造性と冒険心
・イザベラのヒルズハウスで密度の高い交流/鳥に夢中/鷹/衣装箱から幻想的な服を出し、ディナーで着る/非現実的なイザベラの家
「人と違う人間になって。変わった人ほど私は大好きよ」
・子供のいないイザベラは無償で彼に母性を注いだ/時には姉のように彼を大事にした
「普通が好きじゃない。安全策を取ってたら前になんか進めない」

・ブルーバードガレージでデビューショー
「日曜のランチをした感じでショーから帰ってほしくない。最悪の気分か浮かれた気分で会場を出てほしい。どっちでもいい。何も感じなきゃ僕の仕事は失敗。」
・エモーショナル 情熱と愛 激しさ セックス ロマンス
・テーマは「作らないこと」/ビニール袋 マスキングテープ ラップなどの失業手当で買った安価な素材をモデルに巻きつけてジッパーを付けた
・ボディの比率を壊すという技術の結果/パンツを下げて胴長に見せるため、陰毛やお尻の割れ目が見えても関係ない
・スーツの上にタイヤを転がした
・4ポンド分のレースに1ポンドの透明ジッパー/車用のスプレー塗料でペイント/素材費は10ポンド以下
・彼の仕立てにかかれば安い素材であっても注文が入る/魔術
・華やかな世界を飾っても5ポンドもない生活
・失業手当でショーをしてたからという理由でTVのインタビューに顔を出さず出演/働いていると逮捕される
「不良じゃない。あの子は愛すべきハッピーな子供」
・母の前では汚い言葉も使わない
・6人兄弟、父親はタクシードライバー
・センスのあるきついジョークは父親譲り/ビクトリア時代のダークロマンス的な彼の語り口は母親譲り/強くてタフで、多くを語らなくとも強い母子の絆
・歴史が好きな母/ハイランドの氏族の本/系譜を調べて先祖がスカイ島のマックイーン家であると証明しようとした
・それにインスパイアされ、出身地とは違うスコットランド気質を感じ、彼の世界は広がった
「僕の祖先はジャコバイト派だ。
イングランドとスコットランドの戦争でイングランド軍は女性を強姦し、氏族を抹殺した。みんな気づいていないが集団虐殺と同じだ。ボスニアで何人死んだ?何百人も死んでる。その大虐殺は今も世界で起きてる」
・デッサンをする姿も観れる 貴重な映像
・夜がクリエイティブで昼よりアドレナリンが多い/いつも音楽が流れていた/ピアノ曲多め/彼にとって縫うことが癒し/別次元に入ることを「目が黒くなった」と言う
・チャコペンでサイズも計らずフリーハンドで自由にパターンを描く/見ただけでサイズを把握して生地に描くことができたらしい
・本質的にロマンチスト/恋をするように服を作る/デザインに生きてる
1995.03.13.LONDON自然史博物館
[ハイランド レイプ]
・家族をショーに招待する/叔母と母はモデルにサンドイッチを差し入れ/温かみのある舞台裏
・心の闇、深み、彼はモデルをレイプされたての姿にした/生垣から逃げてきたような/気楽に見ていられない/犯罪現場にあったような服
「女嫌いじゃないよ。レイプとは女が与えないものを男が奪うことなんだ。姉は夫から暴力を受けてた。奴は死んだけど姉の首を絞めてるのも見た。だから女性が強く見えるアイデアを」
・人々は彼が真実をむき出しにするのを悪趣味、過激、女性軽視だと言うが、彼にとっては真実/彼の服は自身の物語/子供時代の告白にも近い
・幼い頃の義兄からの虐待 姉へのDV
・鎧をつけた女性を作ることは女性と自分を守るための悪魔祓いなのかも/鎧で守るのは彼の心でもあった

【TAPE THREE : IT’S A JUNGLE OUT THERE】
ーー大成功を収めるには業界にいる動機を考えないと。僕はやるべきことをやる。名声のためじゃないーー
・セントマーチンでは1年目にパリの展示会へ行く/そこでショーを見て
「ジバンシィなんてばあさんが着る服だ。
あんな所では絶対に働かない」
・1997年ジバンシィのクリエイティブディレクターに就任 恋人マレーアーサーとともにパリへ
・ファッション業界の変化/アルノー/大富豪 によるブランドの買収/ガリアーノを2年後にディオールに/「君は僕の馬だ」「君という馬に賭ける」
・27歳で2年連続 英国デザイナーオブザイヤーを受賞し知名度もあったがギャラに惹かれたと/それも会社を立ち上げるため
・チームをつくる
デザイナー助手/セバスチャン ポンス/イジられ役/英国のコートを着たスペイン人
サイモン コースティン?/ストーリーの筋を通す/ショーで語られていないことをセットに反映させる
スタイリスト/ケイティ イングランド/コレクションのリサーチ/ファッションにおいて重要なことを伝えた
ジュエリーデザイナー/ショーン リーン/彫刻のようなボディジュエリー/骨/恐竜のよう
サラバートンは当時インターンでいた
・狭くて物が散乱するロンドンの仕事場と、豪華でシャンデリアのあるパリの仕事場は全く異なり、それは服装、働き方、ジョークにおいても/整備された社内を子供が走り回っているかんじ/注目に比例して不安になる仲間に「大丈夫、仕上げるから」
「ひらめくのは最後の最後。何かが降りてくる。きっと神様か何かの所から来るんだ。いつも兆しを探してる。」
・王様扱いされるデザイナーと工房の職人を隔てる壁や慣習も取り払う/すべては職人に払う敬意があるから/言語の壁も超える
・最初の驚きは理解すると尊敬に変わり、互いに畏敬の念を抱いた
・丁寧に糸を解く工房とハサミでカットするリー「たかが服」
「オートクチュールでは工房が大事だ。職人にも僕と同じ賞賛を」
・彼は王様ではなく、普通でいたかった/正気を失うぐらいのプレッシャー/25日間で55着の服をまとめていた
1997.01.19.PARISエコールデボザール
[THE SERCH FOR THE GOLDEN FLEECE/金の羊毛を捜して]
・ジバンシィでの初コレクション/テーマはアルゴ探検隊の大冒険
・ワイヤーと女神の合体/特大サイズの金のツノ/ロゴからの発想/2つのG ギリシャモチーフ/白と金 唇、乳輪まで金に彩る/どのモデルも個性的で美しい
・ヘアスタイリスト/Nicolas Jurnjackめちゃくちゃかっこいい
・気取ったところに投げ込まれても僕は僕だと主張できる/自分に忠実
・そんな素晴らしいショーもファッション誌の編集長には酷評/破滅するのを見たがっていた
・平気さと笑ってみせるが、本当は恋人とも殴り合って口論になるほど精神的なダメージを受けていた/アルノーとのツーショット写真のマックイーンは目に生気がないように思えた
・ジバンシィの契約でのイザベラとのすれ違い/緊迫した雰囲気/助けてくれた人につらい思いをさせてしまった/「今や僕が大物なんだ」世間は彼を冷たく、変えてしまった
「プレスや世間にとって僕はガゼルだった。いつか食われる。誰もが簡単に切られる世界だ。デザイナー生命ははかないよ。アッと言う間さ。ジャングルと同じ」
「クソくらえ。みんな覚えてろよ。」

1997.02.27.LONDON.バラ・マーケット
「そこはジャングル」
・ロンドンに戻っての自身のショー/フォーマルで控えめなパリとは違い、歓声が上がる
・不安 怒り 恐怖 モデルはまるで獣/演出ではないのに燃えるランウェイの車/だけどその火を消させず、モデルをどんどんランウェイに送り出そうとした/そこでは本来のリーに戻る

【TAPE FOUR:VOSS】
ーー僕の私生活と仕事はすごく密着してる。ショーがあるから感情を表現できるーー
・ロンドンとパリ/自分のブランドにプレタにオートクチュールの両立/半年ずつ住む生活/徐々にエレガントをパリの生活から見つける
・ディオールのガリアーノは彼のショーの4倍の予算だと知る

1999.11.27
[No.13]
・色も形も明確で、自分のやりたいことが見えていた/安らいでいた
・ロボットに意思があるかのような動きとペイント/初めて自分のショーで泣く
・業界を超えて有名になる「怖いな」
「有名になって追われてもそんなのどうでもいい。名声より大事なのは僕が今してることだ」
・お金が入るほど不幸に見えた/プレッシャーをコカインで跳ね除けようとした
「コカインで物事がはっきり見えてきた。ありのままに。この仕事をしながら働きすぎだと思った。何か譲歩すべきだった。悪いクスリだよ。僕自身は変えられないのに」
・怒りや攻撃性 被害妄想 二面性/性格は変わったがデザインは素晴らしい/1年に10回のコレクション
・彼はロマンチストで、愛という概念と戯れていた/本当に人を愛せたのか/彼が愛したのは仕事だった/彼は誰も信用していなかった
「ファッションで大事なのは恋人を惹き寄せ自分を表現することだ。」
・脂肪吸引/業界の深み/イカれていた/外見を変え、コムデギャルソンの服に身を纏い「アレキサンダーマックイーン」になり、完全に自分を失った
「”マックイーン”はファミリーだ。そこには結束力が絶対に必要なんだ。僕は前よりも厳しい親方になり、みんな手抜きしてないか全ての部門を監視してる」
・楽しさを失った
・セバスチャンが去った時のこれまでの頑張りに見合わない孤独
・彼は相手がどんな気持ちか思いやることもせずに物事を深読みする/自分の下を去る人を敵だと思ってしまう
「ビジネスの変化 人の変化 すべてが水の泡になること そんな混乱を経験してきた。
なぜこんな行動をとるのか。なぜこんな過ちを犯すのか。人は自分に問いながら人生を生きていく。」
・不安神経症 パニック発作 鬱病/エゴを満足させる業界が精神に悪影響を与える

2000.09.26.LONDONビクトリア バス駐車場
[Voss]病室 死と美と復活
「ウィトキンの写真を収集してたのは僕の暗黒のセックス時代だ。新たな自分を発見した。」
「ファッションは大きな泡だ。時々弾けさせたい」
・病室のような真っ白な空間/マジックミラーによって遮られた、モデルが歩く中の世界と、マスコミや観客のいる外の世界/ランウェイはまるで精神病棟
・ケイトモス美しい
・友人のお見舞いから着想/巻かれた包帯に美
・ポーズと同時に壊れていくドレス
・ショーのフィナーレには中央に設えた個室のガラスの壁が割れ、ウィトキンの写真を再現した太った女と蛾の群れが現れる/悪夢のようなセンスのあるジョーク
「人生も人も完璧じゃない。誰もがモデル体型じゃない。美は見る人次第だ」
・トムフォードも目を留める/詩人と商人の合体 現実的だと
「経営には莫大な金がかかる。マックイーンは一度も破産してない。この会社を自立させたい。」
・グッチグループからの契約打出し/会社の費用を負担、所有権は50%渡す/LVMHにバレぬように
「海に親しみを感じる。魚座だからかな。雪や雨の降ってる時に海のそばにいて波の音を聞く。気が滅入るけどロマンチックだよ。たまにはすべてから離れ休むことが必要だ。ビジネスやショーのことを何も考えないで自分の時間をつくる。自然に囲まれていたい。」
・樹齢400年以上の木 楡の木 夜はライトアップしてひらめきをもらう
・家族の甥をテキスタルデザイナーとして迎える/子供時代を思い出せる存在を近くに置く/精神的にも安定

2006.A/W
[カロデンの未亡人]
・ケイトモスのホログラム
「僕は作品を通して私的なことを叫んでるんだ。ケイトモスのホログラムも私的なことだ。この世と天国が1つになった。作品を見れば僕がわかる。」

【TAPE FIVE:PLATO’S ATLANTIS 】
ーーファッションは私の人生ーー
・イザベラブロウの死 48歳/自殺
・うちひしがれる 深い闇に落ちる
・共に抱えていた悲しみ/彼は幼い頃、虐待の傷を/彼女は5歳の頃、弟を事故で亡くす
・自責 破壊的な面は未解決のまま爆発しては深刻化していった/ファッションは若さだからこのまま生きて老女になったら自己改革できない
「才能の開拓は母親業に似てる。母乳が枯れたの」
・彼に別れを告げるため企画した食事会/苦労して用意した料理は疲れ切って部屋にこもる彼に食べてもらえなかった/でも別れの挨拶はした/ハグして「あの世で会おう」
「病気になるとひどく孤独になるものよ。」
・末期の卵巣がん 抗がん剤治療に興味なし
「覚えてる?私は希少な太陽の光だった」
「これからもそうだよ」

2007.09.06.PARISパレオムニスポールド
[ラ デイム ブロウ]
・ブロウへ捧ぐショー/フィリップ トレイシーと共につくる
・舞台の中心には鳥の羽のような骨組/光と音で羽ばたいているかのよう/服が彼女に見え、彼女の香りがし、まるでその会場にいるかのようだった

[豊穣のツノ]
・完全に正気を失ってる/今のファッション業界 ガラクタの山
「自分じゃなく世界に怒ってる。それ以外には心が向かない。何を考えても陰鬱だ。」
・ひさしぶりのセバスチャンとの再会/会うと別人かのような外見
・HIV陽性
・ショーの始まりと終わり 波打つ気分/年14回のショー
「年を取って仕事を辞めるなら誰も働けないよう会社を焼き払う笑
引継ぎは無理だよ。僕のショーのテーマをどうやって考える?僕のショーはすべて私的なものなのに」
・人を抱える責任/休みたくても休めない/放棄したくてもできない/心の底の孤独
「孤独に沈むこともある。人生にはファッションより大事なものがある。仕事というバブルに閉じ込められたくない。うちのスタッフたちは家に帰れば仕事を遮断できる。僕はおふぃすを出てもマックイーンだ。家に帰ってもそうさ。だからイヤなことがあっても自分を責めるしかない。」
・幻聴/口癖は「被害妄想は人を破壊する」

2009.09.06.PARISパレオムニスポールド[プラトンのアトランティス島]
・観客を不愉快にさせるカメラの配置
・陸地の人が海に帰るがコンセプト
「この世に存在しない場所を探してる。この上もなく美しい所だ。僕の頭の中の世界が存在するとは思えない。」
・ダイビングが好きで水中の別世界を愛していた/すべてから離れ 子宮に戻った感じ/静寂の中をふわふわと漂う
・アトランティス島は彼の頭の中の研究所/デジタル印刷 実験 パターンのカット ロボット
「これが最後のコレクションだ。セバスチャン僕はもうウンザリなんだ。自殺するよ。もうたくさんだ。耐えられない終わりにしたい。Vossの最後を覚えてるか?同じことをやりたい。ただし強化ガラス製で人間サイズの箱だ。ショーが終わるとその箱が床から上がってくる。中には僕がいる。それから自分を撃つ。」
「僕の人生はジェットコースター。上がって下がって…止まれ。もう降りたい。」
・エイリアンになれ/たくましい顔をしろ/パワフルになるんだ /すべてが終わり 生まれ変わる/新しい星の誕生
・永遠に続く連続プリントは魚のひれや蛇のうろこを加工、モンタージュしたもの

・透析をうけていた母の具合が悪化/失うことを恐れていた
・姉との最後の会話は母の葬儀の打ち合わせ
甥には母の墓石のデザインを依頼
「時々仕事や人生が空しい。人生に感謝してるから腹は立たないよ。でも僕は引き時を知ってる。」
2010.02.10母の葬儀の前日 命を絶つ
どれほどの人たちに愛されていたのか
遺された人たちの思いが伝わってきた。
あったかい人たちに囲まれていたのね。
少しの間でも、そう感じた瞬間が彼にあったらいいな

笑顔も笑い方もチャーミングだったマックイーンが笑わなくなってしまった現実が悲しかった

わたしは彼の生い立ちや世界にかなり影響を受けていると自負しているから
何もかもを自分と重ねてしまってどれほど辛かったろうかと辛くなってしまった

誰かやだれかだれもかれにもかもしれないけど、誰かを羨む人の話を聞くたびに
羨まれている人の孤独を感じてしまう

救えるはずがないだろう、と他人と壁を自分で作ってしまいがち
ずっと側にいてくれないのなら心配なんかしないでくれとも思うものだ

ランウェイが劇的だった時代のショーを見れてすごく嬉しかった
ドリスは機械的になったモデルや時代について言葉にしていたけどマックイーンはどう感じていたのだろう

フェティッシュが芸術的にハイブランドに昇華される空気感がありがたくも感じた

【追記】
bjorkのpagan poetryのMVのノーカット版が配信された。
自分の人生で1番影響を受けている人でこの曲が1番好き。中学生の時にMTVでpagan poetryとcocoonのMVを観て救われたと感じた。あの瞬間がなかったら今、この人生を選んでいないと思う。
pagan poetryのあのドレス、マックイーンのものなんです。
あんなにも美しいものは見たことがない。美しすぎてあんなに衝撃を受けたことはない。
一度身につけたら次はないんだ。マックイーンの初期衝動の形。
ノーカットが見れる日がくるなんてなあ。
としみじみしていたら一週間経っていた。
「結局、人はみんな別々の存在なんだ。独自の考えがある。」
まだ世間が注目し始めた駆け出しの頃のマックイーンの言葉だが、
厭世主義でもニヒリズムでも何でもなく、ましてや孤独ぶりたいわけでもなく、すべてこの言葉に尽きる。

彼が何を思って服を作ったのか、何を思って服を作り続けたのか、何を思って命を絶ったのか。リー・アレキサンダー・マックイーンは何を考えていたのか。この映画を2時間観ても分かる、わけはない。

天才?孤独?絶望?
彼の人生を定義する紋切の言葉をすべて排して、彼自身に少し思いを馳せてみる。おこがましいけども、割といい友達になれそうな気もする。この映画を2時間観てて思った、ことでした。
ドキュメンタリー映画だしアレキサンダーマックイーンについてもほとんど知らなかったからどうかな、と思ったけど衝撃的だった。
その生涯も人間性も、創り出された作品も。

観客を驚かせショックを与えるような姿勢は酷評も頷けるけど、人を惹きつける爽快さや独創性に溢れてる。
作品に込められた深い悲しみとは裏腹な、周りの人を笑わせて、好かれる子供のようなキャラクター。
トムフォードが詩人であり商人だっていう言葉で形容してたのがしっくりくる。

そして最期に向かうほど、やるせない気持ちになった。
選んだ結末とその時の状況や心理状態は自分の想像では遠く及ばないけど、ショーの最後で自分が登場しフィナーレで自殺する、と言っていた彼が自室でひっそり首を吊る。
映画の中でも言ってたけど、その時の絶望感や孤独感を思うとやりきれない。
アレキサンダー・マックイーン。名前こそ聞いたことはあれ、イメージまでは湧かない程度の知識量でしたが、一人の人間の物語として楽しめました。純粋で屈折していて子どものような彼は、すごく魅力的。そんな彼のキャラクターとアイデアの豊かさに惹きつけられた人々が、次第にやりづらさを感じだすというのがまた皮肉というか、胸がいっぱいになりました。途中何度も目頭が熱くなりそうなシーンはありましたが、とうとう堪えられなくなったのはお母さまが亡くなるところでした。周りの観客席からも鼻をすするような音が聞こえて、やはり人の死は悲しいものだなと。むしろその衝撃で、それ以前の詳細を忘れてしまいましたが、ある台詞が印象に残っています。「──天才を見つけるのは容易いことよ。そこにあるものを見つけるだけ」。これからマックイーンのものを見るたび、彼の笑い声が聞こえてきそうな気がします。
一言一句、絶対合ってないけど

ショーを見に来た客を「なんか素敵なお茶会に行ってきた」気分にさせたくない、
見た後の気分は最高か最低かの二極がいい。

というニュアンスの一節が印象に残った。

あと、大事な人の前で汚い言葉使いをする人を叱ったこと、ピアノ曲を聴いていたってこと、行動がエモーショナル、詩人であり商人、彫刻家、とかのエピソードや単語が印象に残った。
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