シアノスの作品情報・感想・評価・動画配信

『シアノス』に投稿された感想・評価

hacca

haccaの感想・評価

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望月花梨が少年向け漫画家ならこんな表現もしたかも。
男じゃないのでよく分からない感情がたくさんあったわ。

現実的に考えると、本当に彼女が「消えて」なかったら、遺失物紛失で捜査を難航させるな、とか考えてしまったから、繊細さ0。

このレビューはネタバレを含みます

オスは元々、メスだったという話を聞いて、着想された。
観念的な要素が多く、全てが記号的。
女性的な少年は行方不明の少女と同化していく。母親が連れてきた男性を拒絶すし、男性刑事にはホラー並に恐怖を覚える。それほど、自分の男性部分を強く否定する。しかし、社会と折り合いをつけるべく、自分の女性的な部分を燃やし消し去る。そして少年は男性になる。
冒頭の少女を窓から見ている少年。少女を捕えようと、少年が手で覆い隠す。その瞬間に、少女はいなくなる。その後、探しに行くが、同じようなカットで少年も姿を消す。つまり、少年は少女を手に入れ、同じように消えた。少年と少女は同一存在となったのである。同化を表すには、よく考えられたショットで良かった。アイデア勝ち。
やまだ

やまだの感想・評価

2.4
不思議な作品でした
合うか合わないかで言うとあんまり
リップのシーンが印象的ではあった
sasa

sasaの感想・評価

3.3
「私の作り方」なる動画を投稿していた少女の失踪事件。彼女の遺物を発見した少年。
彼女の刃物で掌を切ってみる、彼女の口紅を塗ってみる、「わたし」を飲み干す……単純な性癖の映像化というよりは、屈折した少年期特有の倒錯的な同一化願望が主眼だろうか。それ以上のものを読み取ろうとすると脚本から一枚剥離した感があり、「失踪事件」という題材のもつ外連味に呑まれてしまう。
コントラストの効いたシャープで青みがかった映像は好み。
森の中で排泄?するカットを覚えている。覚えているということは印象に残ったということなのだと思います…!
ちろる

ちろるの感想・評価

3.5
真っ赤な血と、痛みがまだ、かろうじて僕の生きていると認識させている。

失踪した少女あおいは、不思議な動画をYouTubeに挙げていた。
少年は、実験を始める。
少女がやっていたことと同じように。

導かれて迷い込んだ森の中、僕だけが知ってる彼女の失踪の秘密。
彼女の世界を守ろうにも、僕じゃあまりに無力すぎるから、大人たちの怪訝な視線から逃げ切るために、君と永遠の訣別を・・・

荒削りな映像も含めてなかなかゾワッとするようなホラーテイストの物語でした。
観念的に進行していくの物語が、観念の説明にしか感じなかった。
フェチ感強いアプローチは面白いんだけどなあ。
消えた女子高生に同化する同級生の物語。


大人には分からないであろう感覚…
大人は子供に比べてたくさんの事を分かっているだけに、子供よりも、自分の分からないものは排除したくなるのでないかと思う。


捜査と平行に行われる少年の実験、このままでは大人に食われてしまう。

そうして到った決別は、少し強制的にも見えて正直あんまり好感もてなかった。

えー😧で終わっちゃう悲しい映画でした。
eye

eyeの感想・評価

3.7
"シアノス" (2018)

このタイトル

シアン(ギリシャ語)の語源
映画のトーン自体 どことなく暗い青

松本監督は

少年未満→少年になる

ストーリーをイメージしたそう

ストーリー自体は







田舎町で少女の失踪事件が起きる

少女は失踪直前 田んぼを歩き
森の中へ入っていった

その最後の目撃者となった少年

森の茂みの中で少女の幻影を追い
彼女の遺留品を見つける

リップベビーを拾う場面や通学バッグには
包丁も入っている

包丁は男性器のメタファーで
少年は自身の掌を包丁で傷つける

そして少年は家で彼女のリップベビーを塗る

手の甲で拭くときに包帯に色がつくことから
口紅の意味もあり 女性性の象徴と見立てられる

多感な思春期にいる少年は夢精してしまう

少女は失踪前より自分の作り方・成分を
YouTubeにアップロードしていた

少女とは家が近い以外に接点がなく
YouTube上で間接的に気になっていく

という

"性の目覚めを体験している"

少年は母子家庭で父親がいない

理科室で薬品を盗む際 事件を調べる刑事が
校庭のようなところを歩いている

少年は理科室から目があったときに瞬時
カーテンを締めて男性をシャットアウトする

後半 森を出た後に刑事に追いかけられるが
自分の体力の限界から追いつかれてしまう

ここは男性性から追いかけられるという
抽象的な部分のメタファーだそう(監督より)

理科室でのカーテンを閉める行為も
男性性の排除のメタファーだと分かる

突如現れる男性に対する
恐怖心・対抗心が描かれている

森で拾った彼女のリップベビーを逃げる際
落としてしまうシーンがある

男性(刑事)に拾われるも
彼は「自分のじゃない」と否定する

女性性の象徴であろう物を落とし

それを否定することは
女性ではなく男性として生きることへの
メタファーでもある

家では専ら少女の作り方の動画を観つつ
成分を読んで復元を試みる

ストーリー終盤 少女の動画はYouTubeから
削除されてしまう事象が起こる

そして少年は大量の水をがぶ飲みする

水には少女を復元するために合成した
薬品を混ぜたであろうことが推測される

水を飲んだ少年は
お腹が痛くなって 森で排泄してしまう

結果 取り込んだであろう少女は流れて
自身の中から出てきた排泄物を省みる

という部分が後半にあたる

広く茂った森の中に寝そべる行為や排泄する行為
自体が "子宮"の中に返っている

少年は"赤ちゃん返り"をしている

終盤

少年は森で見つけた少女の制服や下着・鏡
などの遺留品を大事に保管していた

しかし 一斉に燃やす

鏡は他者と自分/少女と少年を写していたが
それを捨て去ることで心に潜んでいる

"少女と決別する"

少年は神社の一本道を1人歩いていく

このシーンについては
"決別・成長"をロングショットで見送る

という形を意図したと監督より語られていた

"変態" 〜metamorphose〜 (2014)は
少女→男性性を意識する行動

"シアノス"(2018)では
少年→女性性を意識する行動

両作品にシンクロする

"包丁で傷つける"

鋭利で強力な男性性のシンボルが
ストーリーのキーでもある

意識と無意識をはっきりさせつつ
"思春期"
という軸に焦点を当てている

移ろいやすい時期且つ群像劇の中で
成長していると感じられる

シンクロするようなテーマで個人的には
楽しめて発見がある映画だった
少女を観察する男の子を観察する受け手という構図で、受け手が図らずも作り手と共犯関係を結んでしまって、その後に何が起ころうとも目を話すことが出来ない責任が発生してしまう。

だからこその思い切ったラストショットに震え上がったね。
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