久しぶりに再鑑賞しましたがつくづくよくできていると感心しちゃう。バイオレンスやグロはなく、静かな恐怖がじわじわと忍び寄る作品。怪しい雰囲気と、ふとした瞬間に感じる違和感でゾクっとさせるのが見どころです。
この姉弟が最初に登場するシーンがなんとも秀逸に感じて好き。
よくヒッチコック監督の『レベッカ』（'40）と比較されるようですが、確かにあの不穏な雰囲気は通じるものがありますね。ストーリーは全く異なるものの、アメナーバル監督がヒッチコック作品にインスパイアされているのは明らかっぽい。実際、前作の『オープン・ユア・アイズ』（'97）はヒッチコックの『めまい』（'58）に影響を受けているそうです。
美しい若奥さま（ニコール・キッドマン）と子供の姉弟が長年暮らしてきた古い屋敷。そこに変化が訪れたことで、静かな日常が徐々に歪み、思わぬ展開へと導かれます。思いもしない着地点が設けられていて、親子愛に包まれながらラストを迎えることができました。
子役の2人の演技も素晴らしく、賢そうだけどあどけない会話を耳にすると緊張がほぐれて、作品へのいいアクセントになっているように感じました。あんな演技を監督はよく引き出せますねー。
静かに忍び寄る恐怖と意外な展開が心に残るゴシックホラーで、とっても上品な恐怖を味わうことができました。
