Osamuさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

Osamu

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孤高の遠吠(2015年製作の映画)

3.7

こわいお兄さんたちに追い込みを掛けられる姿に、観る者も追い込まれる映画。

富士宮の不良ヒエラルキーの中で、弱い4人が生きていく物語。

いや、物語としては観られなかったかな。怖さが
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桜の樹の下(2015年製作の映画)

3.8

高齢者の孤独と、生きることを観る映画。

神奈川県・川崎の市営団地に住む高齢者を映すドキュメンタリー。

高度経済成長時代には、工業地帯で働く地方出身の若者の受け皿となっていた市営団
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波のした、土のうえ(2014年製作の映画)

4.0

東日本大震災で被災した地域の「復興工事」って何を指すかご存知ですか?僕は、津波で破壊された港や道路などを修復する工事全般のことだと思っていました。でも今、現地では、津波に呑まれにくい高さに土地を>>続きを読む

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(2010年製作の映画)

3.5

のめり込む男を観る映画。

ビデオカメラでいろんなものを撮影することに執着する男ティエリーがストリート・アートと関わって行く姿を映すドキュメンタリー。

『バンクシー・ダズ・ニューヨ
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パプリカ(2006年製作の映画)

4.0

夢を共有する装置「DCミニ」が盗まれたことから始まる狂った夢と現実の物語。

おもしろい!夢が現実に割り込んでくる感じ、たまりません。いろいろ辻褄が合っていないような気がしますが、そんなの
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セーラー服と機関銃(1981年製作の映画)

4.0

女子高校生・星泉(薬師丸ひろ子)が血縁筋によりヤクザの組長を継ぐことで始まる、めだか組という擬似家族の愛の物語。

我が青春のアイドル映画です。チョー個人的な感想しか書けそうにありません。
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父を探して(2013年製作の映画)

4.3

アニメーションのブラジル産アート作品。

傑作だと思います。

とにかく色彩が美しい。

空間をスライドするリズム感が抜群にイイ。

吸い込まれるように時間もスライドする
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SHOAH ショア(1985年製作の映画)

4.0

観た者に人間の怖ろしさを刻み込む映画。

「SHOAH」はヘブライ語で「破局」や「絶滅」を意味するそうです。

ナチスが行なったユダヤ人に対する絶滅政策に関わった人たちの証言を集めた
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ジョギング渡り鳥(2015年製作の映画)

3.8

とても自由な映画。
いずれの型にもハマっていないし、はみ出し方もバラんバラん。

境目をはみ出す勇気と面白さを観る映画。

難解なパズルを解読しようと身構えるのではなく、真っ白
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Playback(2012年製作の映画)

4.2

映画俳優の仕事も妻との関係も何だかうまくいかない男が、過去にPlaybackして自分の人生を何度もなぞる物語。

美しいモノクロームの映像。
イカすジャンプカット。
お、ここに
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あやつり糸の世界(1973年製作の映画)

3.8

自分が見ている世界は他の人には違うように見えていて、みんながそれぞれ異なる世界を見ている。つまり、誰もが自分だけに閉じられた世界に生きている…。

子どもの頃、そんな妄想をしていました。本
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キネマ純情(2016年製作の映画)

3.5

まだまだ先の話ですが、2016年の映画を振り返る時、この映画が必ず話題に上ると思います。ベストランキングには入らないかもしれませんが、この映画のことを語らずには済まされないのではないでしょうか。>>続きを読む

火の山のマリア(2015年製作の映画)

4.1

娘が母の愛を受ける姿を観る映画。

グアテマラの火山の大地で小作農として暮らす家族の物語。

貧しさの中で生きる少女マリアには両親が決めた婚約者がいます。両親の仕事上のボス筋の男のよ
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母よ、(2015年製作の映画)

3.7

映画監督という仕事と、病気の老いた母との日々の物語。

ナンニ・モレッティ監督の私的映画、だと思います…。

あの時の、あの感情を、誰にも分かってもらえないかもしれないけれど、表現せ
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息の跡(2015年製作の映画)

4.4

ちょうど1年振りに観た。
やはり帰り道で泣きそうになった。

何週間か前に小森監督と相棒の瀬尾夏美さんのトークショーで「これは佐藤さんの秘密を撮った映画だ」ということを瀬尾さんが言っていた。

同じ被
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罪とバス(2016年製作の映画)

4.0

「ndjc2015」その1。

ポンコツバスが走り始めるのを観る映画。

ポンコツだってエンジンかかれば走り出す。人間もいっしょ。エンジンがかかった瞬間のエモイワレヌ感情が滲み出す描写に
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父の結婚(2016年製作の映画)

3.8

「ndjc2015」その2。

変な家族の物語。
家族の引力を観る映画。

52歳の父親が再婚するっていうから里帰りしたら変なことになっている。なになに、どういうこと⁉︎

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はなくじらちち(2016年製作の映画)

3.7

「ndjc2015」その3

逃げる男の物語。

15年前に失踪した父親を娘とその恋人が訪ねてくるところから始まります。でも、その男は人違いだと言います。話はどこに行き着くのか。

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壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ(2016年製作の映画)

3.7

「ndjc2015」その4:ラスト。

飛び蹴りで彼女を救う物語。

店で客が理不尽にゴネて店員を困らせている光景をたまに見かけますよね。そういうヤツらを飛び蹴りで退治するという、飛び蹴り
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サロメの娘(2015年製作の映画)

3.7

観たことない種類の映画。

映画を音から作り始める実験的制作、とのことです。

最初、言葉を必死に追いかけました。次第に言葉が幾重にも重なって意味を聴き取るのは不可能と諦めた瞬間に自
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ソビブル、1943年10月14日午後4時(2001年製作の映画)

4.2

〜全人類が共有するべき世紀の映像遺産!ホロコーストの“記憶”を“記録”にした傑作ドキュメンタリー映画!〜

クロード・ランズマン監督のホロコースト・ドキュメンタリーを紹介するウェブサイト(htt
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101回目のベッド・イン(2015年製作の映画)

3.8

ポレポレ東中野の上映作品は、年始の『ヤクザと憲法』に始まり、かなり観てきましたが、これは一点の迷いも無く「絶対に観ないヤツ」に分類していました。

ところが、みなさんのレビューを読んでいた
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牡蠣工場(2015年製作の映画)

3.9

牡蠣工場で働く人たちの日常と生きる姿を映すドキュメンタリー。

状況を説明するナレーションも字幕もありません。最初にそこがどこなのかも紹介されません。

目隠しをさせられ、車に乗せら
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人魚に会える日。(2015年製作の映画)

4.0

沖縄の基地問題に関する葛藤を観る映画。

神様の使いと云われるジュゴンを追いかける物語。

中学2年生の時に撮った『やぎの冒険』で数々の国際映画祭に招待された沖縄人、仲村監督が大学進
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天国から来たチャンピオン(1978年製作の映画)

3.8

子供の頃観て好きだった作品。体調不良で仕事を休んだ午後にテレビをつけたらたまたま放映されていて、懐かしく思いながら観ました。

手違いで天国に連れて行かれそうになったアメリカンフットボール
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オデッセイ(2015年製作の映画)

3.7

現場の底力を観る映画。
火星ひとりぼっち男のサバイバルと救出の物語。

火星に取り残されたマークは毎日ビデオシステムにログを残します。その日やったこと、感じたことを日記のようにカメラ
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Maiko ふたたびの白鳥(2015年製作の映画)

4.0

わたくし、とんでもない困難に直面して絶望する話も好きですが、とてつもない困難を乗り越える努力と根性の話がやっぱり大好きです。

そして、親と子の心がすれ違う切ない話も好きですが、親の子を想う気
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もしも建物が話せたら(2014年製作の映画)

4.2

わたくし、建物が好きです。美しい形を観るのが好きなんですね。建物は何らかの機能を持っているわけで、美しさと機能の両方を併せ持つところに魅力を感じるのです。

この映画、好きです。

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大地を受け継ぐ(2015年製作の映画)

3.8

みなさんはスーパーで手に取ったキャベツが福島県産だったら買いますか、買いませんか。

福島の農家、樽川さんは言います、「福島の野菜を喜んで食べる人はいない。俺だって食べたくない」と。

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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.8

追悼デヴィッド・ボウイ特別レイトショー、新文芸坐(東京・池袋)にて。

他に観たい新作映画が何本かありましたが、昔観た映画をスクリーンで観られる機会って案外無いので、これをチョイス。

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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.7

煮ても焼いても喰えない8人の疑心暗鬼を観る映画。

駅馬車の休憩小屋的な洋品店での一夜の物語。

西部劇の緊張感って独特ですよね。殺すか殺されるかの世界で生きて行くためには、騙しの罠
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俳優 亀岡拓次(2016年製作の映画)

3.8

麻生久美子ファンのみなさんに悲報です。

この映画、彼女の出番はそんなに多くありません。

でも素敵です。ドキッとしちゃいます。

わたくし、テレビドラマ『時効警察』からの麻生
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マンガ肉と僕 Kyoto Elegy(2014年製作の映画)

3.6

なんかおかしいぞ。歪んだ男女関係を観る映画。
福島から京都の大学に出て来た青年の8年間の恋愛物語。

人間は誰も何かに寄生したり、されたりして生きているのかもしれない。その連鎖で社会
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光のほうへ(2010年製作の映画)

3.9

一昨日の『Men and chicken』に触発されてデンマーク映画を観たくなりチョイス。

親の愛を知らない兄弟が、愛を渇望してもがく物語。

父親はいない。母親はアルコール中毒、
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GONIN(1995年製作の映画)

4.0

映画を観たら、その日のうちに感想を書いてフィルマークスにアップするようにしています。後で書こうと思っても忘れちゃうので。

この映画は珍しく感想を保留していました。

去年、東出さん
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メン&チキン(2015年製作の映画)

4.0

これは面白い!

ハチャメチャな世界を観る映画。
異母兄弟が実の父母を探す物語。

父親が亡くなり、遺されたビデオテープに出生の秘密が…。

出自の謎を解くために異母兄弟
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