やんげきさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

やんげき

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それでもボクはやってない(2007年製作の映画)

3.5

「日本の裁判制度の未熟さ」という一点のみにフォーカスを当て、見事にシンプルに表現しきった作品!

それ以外の人間ドラマ的な悲劇(被告の葛藤、家族や友人の葛藤や姿勢)は割愛され、とにかく無実を信じる一点
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ゾディアック(2006年製作の映画)

3.5

こっちの方がぜんぜん前だけど、同じ実話ベースの未解決のシリアルキラー事件を題材にしている「殺人の追憶」を直前に観てしまい妙に比べてしまいうまく入り込めなかった。

キャストが今見ると豪華すぎるところと
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.2

jokerの予習のために観賞。

ルパート・パプキンことロバート・デニーロの狂人演技がすごい。狂ってる様子をすこしも感じさせないけど、明らかに頭がおかしい。という演技がすごすぎる!

明確に「認知の歪
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.1

jokerの仮面を被った社会派映画だった。

社会制度からとりこぼされた人間による悲劇の最中の声は、誰にも届かず、制度の内側で庇護され傲慢になってしまった人間を殺したとき、初めて社会にその存在を認知さ
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記憶にございません!(2019年製作の映画)

3.5

10月1日消費税が値上げした日は、奇しくも映画の日だったので、観賞。
冒頭の「お前にせいでなぁー、稼いでも稼いでも生活は苦しいままだよ!消費税だよ!ポンポンあげやがって」
のくだりで吹き出してしまった
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ブルーベルベット(1986年製作の映画)

3.9

1986年の作品。今観ても時代を感じさせないリンチワールドすごい。
赤いバラとドリーミングなオープニングから、草むらの中を蠢く虫達に寄せ、狂気の世界へ突入していく演出がやば過ぎて居ずまいを正した。
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

-

痛い、汚い、うるさい、けど怖さがない。代わりに感じるのは、燃え上がる青さと稚拙さ。というのがこの映画の愛しい点だ。

画面が常に沸騰してて、あふれた唾やら汗やら言語化できてない感情がガンガン飛んでくる
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LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)

2.3

思いつきと手癖でそのままいってしまった駄作。

ほかの人もレビューしていたけれど、まず演出がすごいダサい。

巨匠も間違えてしまうのだなぁと安心するために観るのがよいかもしれない。

遺伝子が次代に情
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.2

ラストシーンの画力!ソン・ガンホすごい!そして、あれをラストシーンに持ってくるボン・ジュノ監督半端じゃない。
何ですか、ラストの少女との意味深過ぎるやり取りは。一体観客をどこに連れて行こうというのです
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.8

FODプレミアムで観賞。
日本映画界は一体何をしているんだよ。と何度も思いつつも、いくつかツボに入って爆笑してしまった。
YOSHIKIと高見沢対決が本作の色を最も強く出していると思う。

良くも悪く
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グランド・イリュージョン(2013年製作の映画)

3.2

トリックに期待し過ぎた作品。テンポが良く、会話もシャキシャキで、マジックパートでは今まで見たことがない演出が盛り沢山。

その点までは5.0なんですが、ネタばらしパートはなぜか見た事ある演出&想像の範
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ベニスに死す(1971年製作の映画)

4.1

美しい。
1971年作。もうすぐ半世紀を経ようとしているのにこんなにも今なお美しいとは…。冒頭の汽船が近づいてくるシーンの長回しのなんと美しいことか、ラストのタージオが波打ち際で佇むだけのシーンのなん
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イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

4.0

そんな上手くいくかよ。な展開だが、私はこれぞ映画の成せる技として楽しく観させてもらいました。

何しろ演出が上手い。
他人の誘いを断り続けるネガティブで社交性のない男が、ある日の講義を境に「YES」し
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キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

3.5

MCUの単発ものとしては、珍しくあまりおふざけのないMCU初期のようなテイストの作品。(猫のグースは最高だったけど)

スケールの大きさや場面の多彩さの割に、ストーリー自体はかなりミニマルで悪役も小物
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アス(2019年製作の映画)

3.7

ジョーダン・ピールは裏切らない!再びの変態思考。観客をどこに連れて行こうというのか!

とても、おどろおどろしいのに設定が飛躍してて説明なしなのでシュールホラー化してるのがまたいい味を出してる。
良い
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(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.9

非モテな童貞を矢沢あい的な、何も見えなくなるほどの激しいファッション恋愛要素で包んだような ラブコメ。

鮮やかなカメラワークと、モノローグが恋愛のきらめきとエモさを倍増させる。

500日というタイ
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未来のミライ(2018年製作の映画)

3.2

4才のくんちゃんが”お兄ちゃん”になるまでを描いた作品。

お兄ちゃんになるとは、思いやりを持って相手の人生に関わるという事。受動から主体に変化し、挫折から立ち上がる姿を見せる事。

と同時に、ひいお
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.9

1969年8月9日にシャロン・テートの身にどんな凄惨なことが起こったのか全く知らずに観たのを心から後悔した。

けれど、そこで(なにこれ観たかったものじゃない…)と切り捨てないで自分の受け皿を疑い町山
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スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

3.7

重たすぎず映画として爽快な気持ちで観れる作品。それでも背景はずしりと重く、また全てのキャラにドラマがあり、感情がのっている。

「なぜスラム生まれの学のない男が億万長者になれたか?」という前に出てくる
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サルサ!(1999年製作の映画)

3.8

面白かった!というかスコアが良過ぎるな!かかる曲のセンスが素晴らしい。

そして、Christianne Gout演じるナタリーのセクシーで喜びにあふれたダンス!
これぞダンス映画といわんばかり、踊り
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パフューム ある人殺しの物語(2006年製作の映画)

3.9

何このとんでも映画!
作品全体が結構な熱量を押さえ込みながら狂気を描いてるから、かなりエロいのに全然そっちに気持ちが動かない。
淡々としたヤバさが、基地外じみたラストで爆発した感ある。

相当カルトで
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.9

作品全体を貫く圧倒的悪意がすごい。

人種差別を皮肉たっぷりに描いてみようぜという仕様がすごい。

「これからは黒人の時代」なんてよくそんなセリフいれたな!
本当に悪意しかない。

まぁトリック自体が
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.6

戦艦大和とは日本にとって何だったのか?を再定義する作品。

「見積りを再計算する」という地味過ぎるテーマに絞って
恋愛なし
勧善懲悪なし
お涙頂戴ドラマなし

にした脚本がすごい!勇気!!

ある意味
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イニシエーション・ラブ(2015年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

叙述トリックを映像化する限界を感じてしまった。

多分原作はきっちり補完するのだろうがトリックありき過ぎる見せ方が何より釈然としない。

前田敦子扮するまゆという女は、童貞狩りが趣味の女なのか、遠距離
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

3.9

マーベル単発ヒーローのコミカルさは本当に素晴らしいなぁ。

中でも我らが「親愛なる隣人」トム・ホランド版スパイダーマンは大好きだ。

トム・ホランド天然なのかな…天真爛漫さが滲み出てるぜ。

細かいネ
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ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)

4.0

ゾンビ映画って本当色々な方法で楽しめるなぁ。懐広い。

ゾンビ映画なのに、世界のゾンビ化を阻止する為に最深部に送り込まれるエージェントという立ち位置がすこぶる新鮮。

ゾンビ映画というのは、ゾンビから
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ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

4.0

ファニーとティッシュの二人のシーンにメロメロ。地下鉄で見つめ合うだけ、飯屋の入口でただ手を繋いでるだけなのに目から出る「貴方しか見えない」感、台詞や声から出てくる繋ぎ止めたい幸福な瞬間感、身体中から出>>続きを読む

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

3.7

エイミー・モティマーの会話の間の取り方やビル・ナイの顔だけでリアクションする感じとか、すごく人と人の距離の取り方が独特な作品。

そして、素敵な本をもっと素敵に撮って登場させる素晴らしさ!(上級インス
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天気の子(2019年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

「誰かのために自分を犠牲にするくらいなら、雨が降り止まず世界が形を変える方がマシ」

という話だと思う。
新海誠監督曰く「賛否両論の話にしたかった」というのはラストの部分についてだろう。

しかし、分
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

4.5

なんというロマンチックなストーリー。騙し騙されのクライムサスペンスの裏側にある崩壊し喪失した「あの日の家族像」を取り戻そうとする健気な姿勢がいたいけ過ぎる。

そしてディカプリオのエメラルドグリーンの
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羅生門(1950年製作の映画)

5.0

淀川長治さんがおすすめしていたので、観ました。
言わずもがなの世界の黒澤の原点ですが、その原点が実は「イタリア人がカンヌに応募して監督本人も知らぬうちに日本人で初めて金獅子賞を獲った作品」という超弩級
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乱世備忘 僕らの雨傘運動(2016年製作の映画)

3.4

印象的だったのは、デモ側は非暴力を貫き、権力側はしばしば暴力に訴えていたこと。”非服従”という力強さは2010年代という、人間が長い歴史の中で培ってきてやっと芽生えた社会的人間が持つヒューマニティなん>>続きを読む

荒野の決闘(1946年製作の映画)

4.6

原題「いとしのクレメンタイン」こと、クレメンタイン・カーター役のキャシー・ダウンズの令嬢感にやられた。気品に満ちた佇まいと埃に塗れた粗野な西武街とのギャップが絶妙。そしてヘンリー・フォンダが、惹きつけ>>続きを読む

プロメア(2019年製作の映画)

3.6

トリガー感全開の燃える(物理的にも精神的にも)世界救済アニメでした。

バトルシーンにおけるスピード感と変形グラフィックの熱量が凄い。ここまで速く複雑な動画観たことない。

そして、堺雅人!というか、
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バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

4.5

とんでもなく良い映画じゃないか!もう愛、愛、愛のオンパレード。

年齢が違う。
宗教が違う。
国が違う。
身体的ハンディがある。

それでも人はこんなにも、それぞれの事を思いやれるのだ。

愛ってなん
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パドマーワト 女神の誕生(2018年製作の映画)

3.5

一貫して「美しい」のひとこと。

ダンスシーンは、ディズニー映画スタッフがベンチマークしてもれなくパクった方がいい素晴らしい演出と身体、群踊のキレ。
ダンス映画大国インドの中でもエッジが効いた作品。
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