majiziさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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獣の戯れ(1964年製作の映画)

3.5

三島由紀夫原作。

内容は倒錯的な男女の物語です。
ひとりの女性がふたりの男性を加害者と被害者にしてしまう。
そしてがんじがらめにして2人とも自分に依存させる話です。

これらをナチュラルに、一切の悪
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セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

4.0

セリーヌとジュリーの2人が追いかけっこして出会い、仲良く同居。

マジックや下手な歌を披露したり、たまに2人が入れ替わったり、魔法のキャンディを舐めてトリップ冒険へ。

物語の中にさらに物語があって、
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ラブゴーゴー(1997年製作の映画)

3.5

どんな人間でも恋をする、その愛おしさが詰まった作品。

「熱帯魚」でも感じたけれど、この監督にはとても優しい眼差しが存在します。

ストーリーは台湾の若者たちの恋愛群像劇。

ケーキ職人のアシェン、ア
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バイス(2018年製作の映画)

3.0

ブラピのPLAN B制作作品。

ハリウッドは言うまでもなくリベラル派の特権階級の集合体なので、共和党の悪どさを描く作品は得意と思われます。

なんなら、堕ちた民主党の姿もきっちり描いて欲しいところで
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.0

とても薄気味悪い…それなのに色々と考えさせられるという作品。

カメラワークや劇伴が特徴的で、それが雰囲気を煽っており不穏さを強調しています。

あらすじは
心臓外科医のスティーブンは、眼科医の妻、娘
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華氏451(1966年製作の映画)

3.5

原作はレイ・ブラッドベリの小説。

本の所持や読書が禁んじられた近未来のお話。トリュフォー監督のSF。

あらすじは
書物の捜索と焼却が任務の「ファイアマン」のモンターグが、ある日クラリスという女性と
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ホウ・シャオシェンの レッド・バルーン(2007年製作の映画)

4.0

侯孝賢(ホウ・シャオシェン)が1956年のフランス映画「赤い風船」にオマージュを捧げた作品。

赤い風船は絵本のようなとても可愛らしい作品。
一方、こちらは淡々とした日常を映す物語。

シングルマザー
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.5

これが初監督作品とは…
ただただ、圧巻。

お笑いで天下を取った人なので、どうしたら笑いがおこるかを、どうしたら面白い映画になるかという視点で転換させただけで、元々のセンスが突き抜けている。

監督を
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浮草(1959年製作の映画)

4.0

小津安二郎監督のセルフリメイク作品。

しかも大映で!👀

いつもドロドロして感情的、扇情的な作品が多いイメージの大映映画。

そこの俳優さんたちが、棒演技っぽいセリフ回しで小津色にすっかり染まってい
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友だちの恋人(1987年製作の映画)

3.5

エリック・ロメールの喜劇と格言劇シリーズ。

“友だちの友だちは友だち”

うーん🙄
そうなの?


事あるごとに、
「私は無理よ、ブサイクだし…」
と言う恋に内気な主人公ブランシュ。
対して恋にはア
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

3.5

エリック・ロメールの喜劇と格言劇シリーズ。

“言葉多きものは災いの元”(ドラクロワ)


離婚寸前のマリオンといとこのポーリーヌはノルマンディーの海にバカンスに来る。

マリオンは元彼ピエールと再会
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ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-(2019年製作の映画)

3.5

流出したパナマ文書の物語。

旅行中に観光船の事故により、夫を亡くした主婦(メリル・ストリープ)は船会社に保険金を請求するも、その会社が安いという理由で加入していた保険会社はペーパーカンパニーだった…
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.0

ワンシチュエーションのお手本のような名作。後世たくさんの作品のモチーフにもなっていますね。

陪審員たちが有罪か無罪かを決める話。
それぞれの立場と信念が交差する。

みな最初は他人という感覚に、恐ろ
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.5

宮廷で繰り広げられる愛憎劇。

スチュアート朝最後の女王アン(オリヴィア・コールマン)、アンの幼馴染でベッドのお相手でもあるマールバラ公爵夫人サラ(レイチェル・ワイズ)、サラのいとこで没落貴族のアビゲ
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.5

ウディ・アレンが描く恋愛喜劇inNY。

ティモシー演じるギャツビーは上流社会にいて、そこの人たちのことをスノッブだって言って毛嫌いしてるんだけども、そんなお前が一番スノッブっていう皮肉。

田舎のミ
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恋のエチュード(1971年製作の映画)

3.5

フランス青年がイギリス姉妹の間で揺れ動く物語。

イギリスの海が見える風景がとても美しい。
カメラからとらえた建物と人物配置が凄くって、ああ大自然は絵になるな〜という感じです。

ストーリーは恋愛相手
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フォロー・ミー(1972年製作の映画)

4.0

妻の様子がおかしい。
浮気を疑い探偵に尾行調査を頼む夫。

不穏な空気になるかと思ったら、、、

なんとも可愛らしくて微笑ましい物語でした。

あんな斬新なデートあり?😳
しかし実に楽しそう!

「自
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女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.5

バーの雇われママ、圭子(高峰秀子)の物語。

これはリアリティの極致。

水商売で働く女性もお客の男性も、根本的に60年前と何も変わっていない。

めちゃくちゃ面白かったです。

圭子の二転三転してい
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赤線地帯(1956年製作の映画)

4.5

溝口監督の遺作。

売春禁止法制定が目前の吉原、赤線地帯で働く女たちの群像劇。

戦後まもない時代にやむを得ない事情、訳ありの女たちが、この商売に身を投じる。

結局それも家族が原因がほとんど。
そこ
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ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

4.0

ゴッホの死後、弟テオへの手紙を巡りながら死の直前の軌跡をたどる物語。

出てくる登場人物は、みんなゴッホの絵のモデルになった人たち。

観たことのある油絵が動くという不思議な感覚。

景色も全て、ゴッ
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ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

4.0

「ライ麦畑でつかまえて」で有名なJ.D.サリンジャーの伝記映画。

人の何倍も繊細で感受性が強い人だったのだろうなと。

とにかく創作の、産みの苦しみ。
作品と同化したり迷ったり。

戦時中は書くこと
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悪魔(1972年製作の映画)

3.5

A.ズラウスキー監督作品。

舞台は18世紀のポーランド。
ポーランドが分割と消滅した悲劇の時代。

国王暗殺未遂で収容されていたヤクプは、謎の男によって出所させられ、修道女と故郷に戻るがそこは荒廃し
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クインシーのすべて(2018年製作の映画)

4.0

クインシー・ジョーンズのドキュメンタリー。

彼の手掛けた曲を聴いたことが無いという人はいないだろうと断言できる、音楽界にとって重要な人物。

ジャズから入り、フランク・シナトラ、映画音楽、そしてキン
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ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)

3.0

ジョージ・クルーニーが余命いくばくも無いって設定の割に元気そう。

CGがすごくチープなところもあったりするのに、力入れてる画面との落差がある。

地球はもう住めないから、今宇宙にいる人たちのために北
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カリガリ博士(1920年製作の映画)

3.5

1920年ドイツ制作。
100年前の作品を今観るという不思議。

100年後に未来人は今作られた作品を観て
「うーん、まあ100年前にしては面白いかな?」って感覚になるんだろうか。

それとも映画とい
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近松物語(1954年製作の映画)

5.0

題名の通り、物語は人形浄瑠璃のために近松門左衛門が書き下ろした江戸時代のスキャンダルがベースになっています。

なぜこんなに美しい画面ばかりが撮れるのでしょうか。
昨今の時代劇では見ることのできない、
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.5

爽快で残虐な西部劇。

マカロニ・ウエスタンを愛してやまないオマージュあり、南部奴隷を主人公に歴史問題も掘り起こしつつ、それでいてきっちりエンタメ作品になっている。

俳優陣の力量もさすがなんだけれど
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小さな泥棒(1988年製作の映画)

3.5

万引きってレベルじゃない。
息を吐くように物を盗む少女。

シャルロット・ゲンズブール、こういう役がぴったりです。

大人になる前の段階ですし、設定された時代も時代なのでとても殺伐とした雰囲気。

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ヘイター(2020年製作の映画)

4.0

現代社会の問題を詰め込んだ社会派ドラマ。

主人公トメクがPR会社でターゲットに対してSNSでネガティブキャンペーンをしていくうちに、どんどんエスカレートしていくお話です。

ポーランド作品ということ
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祇園囃子(1953年製作の映画)

3.5

芸妓として生きていく女性の悲哀。

元も子もないことを言えば、一番肝心なおっさんの転がし方、あしらい方はちゃんと教えないのかしらん?と、思いました。

いくら腹黒京都祇園と言えども、おぼこい田舎娘を躾
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「女の小箱」より 夫が見た(1964年製作の映画)

4.0

冒頭はお風呂シーン。
裸体は顔が見切れてるので、多分ご本人ではないような。

それにしても色っぽい始まり方です。

仕事のため、お金のためならなんでもする男たちと、愛されることに固執する女たち。

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鬼が来た!(2000年製作の映画)

5.0

わたしたちは歴史を勉強しますが、おしなべて教科書からおおよそ外れることはありません。

日本兵や軍隊の何をどう知っているか。
未経験であれば当然知識でしかありません。

また経験者であっても当然戦況の
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泳ぐひと(1968年製作の映画)

3.5

変なおっさんの話。

いきなり友人の家(豪邸)のプールに飛び込んで泳ぎだし、友人もそれに気づいて「やあ!」と、和気藹々に歓談。
そんなんありなの?
どういうこと…

山の手にあるお屋敷なので、高台のプ
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ザ・プロム(2020年製作の映画)

3.5

ハッピーミュージカル✨

細かなことはすっ飛ばして、このご時世だからこそ響く、人生って楽しんだ方が良いよねってメッセージ。

当たり前のように昨今ぶち込まれるLGBT問題は、全然目新しさも無いしとりあ
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夜の第三部分(1972年製作の映画)

4.0

A.ズラウスキー監督の長編デビュー作。
父親の実体験を元に書かれた脚本。

第二次大戦下のポーランド。
療養中に住んでいた屋敷で、ナチスの襲撃を受け母と妻、幼い息子を殺されたミハウ。街へ戻り抵抗運動に
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.5

このゴーストの見かけが、何よりの成功なのではないかと思います。
めちゃくちゃ可愛いよ〜

最後の方はシーツがドロドロで汚れてしまっていたし、お疲れ様な旅でした。

なんともロマンティックな物語。
音楽
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