ラストに至るまでの主人公の心情の細やかな変化が丁寧に描写されていて、素晴らしい作品でした。
何かを失い、変わらざるを得ない状況に直面して、打ちのめされない人はそうそういない。
寄りかかっていたもの>>続きを読む
テンポ良し、脚本良し、キャラクターもしっかりしていて役者は演技力が高い社会派エンタメ作品。
実話が元になっているとはいえ突っ込みどころは多々あるし、感動シーンでの劇伴と演出がベタだなって感じだったけ>>続きを読む
なんとも素敵な恋愛映画。
粋でお洒落。そして純度100%です。
小津安二郎が脚本してて、笠智衆がパパ役なので、いつものアレな感じなんだろうな〜と油断してたら、そこは監督が田中絹代。
どこまでも穏>>続きを読む
市川崑は特に好きでも嫌いでも無いけれど、やはり才能があって日本映画史に残る監督だと痛感。
三島由紀夫の原作「金閣寺」は、そもそも実際の事件を元に書かれた小説。
しかしそこに三島ならではの観念的な思>>続きを読む
紀子3部作の2作目。
またまた結婚問題。
『晩春』とは異なり大家族。
賑やかだけど、戦争の傷が深いことを感じる。
次男は戦死、紀子は行き遅れ。
紀子は1番綺麗な時期に戦中、戦後。
多くの男性が犠>>続きを読む
三島由紀夫のための三島由紀夫による三島由紀夫が露呈する作品。
なんなんでしょうかこれは!笑
あえて自分の領域ではないところに挑戦する無謀な傲慢さ。
時代の寵児をもてはやしつつ、受け入れる懐の深さが>>続きを読む
ホウ・シャオシェン作品なのにあまり牧歌的でなく、
むしろ全員がうだうだしていて力の抜けた作品。
南国が舞台だし、やっぱり暑い夏の日にビールでも飲みながら
「まあガオより俺の(私の)人生はマシかも・>>続きを読む
戦後のハイソな家庭、鎌倉に住む父と娘の物語。
小津監督の描く家族。
確かな品の良さと、まだどこか幼い心が残る娘。
「幸せになるんだよ」
何度も唱える、娘を思う父。
戦後の復興を思わせる、でもど>>続きを読む
大映の看板スター、勝新太郎と市川雷蔵、若尾文子たちが狸の世界を演じる時代劇ミュージカル。
全部セットだしコメディだし、いかにもチープな舞台調です。
それなのにみんな真剣に楽しんでやってる感じがアホ>>続きを読む
結局のところ、こどもは無力のようで
力にあふれているのでした。
少女たちの冒険?物語。
親の離婚でフランスから日本に行くことになるユキ。父はフランス人で母が日本人。
親友のニナと作戦をたてて、>>続きを読む
食肉処理工場で働く男女が、あることがきっかけで
同じ夢をみていることを知る。
夢という個人的なものを共有する不思議。
ロマンチックでそこはかとなく官能的・・・
生々しい牛の屠殺や、繰り返し映る2>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
前作があまりにも名作として有名なため、続編は大変。
でも良かったと思います。
主人公のKが始終陰気で何考えてるのかよくわからないし、
暗いし暗いし暗いけど・・・
前作のレプリカントVS人間(ブレー>>続きを読む
んまー、もう映像が美しいこと。
そして物語は悲しく…。
おぼこいというレベルじゃない童貞とファザコンを拗らした世間知らずな喜助はんが、遊郭で働く美しい玉枝をうまく愛せない話。
でもこういう田舎で男>>続きを読む
主演の仲代達矢が、もし死ぬ時にマイベストを選ぶならこの「切腹」と仰ってました。
新劇俳優としてどの映画会社にも所属せず、しかし日本映画の黄金時代を生き数々の名作に出演してきたご本人が選ぶというのなら>>続きを読む
現代美術の巨匠とされる芸術家、ゲルハルト・リヒターの半生をモデルにした物語。
ナチ政権下のドイツ。
少年クルトは叔母の影響で芸術に親しむ。しかし叔母は精神バランスを崩し、強制入院の果てに安楽死政策に>>続きを読む
美しいモノクロの映像を見る作品でありながら、単なる不倫駆け落ち物語。
上流階級の人間が集まる高級ホテルが舞台。
去年僕たちはここで会いましたよね?とある女性に話しかける男。
女はまったく覚えていな>>続きを読む
三浦綾子原作。
ご本人はクリスチャンで、原罪がテーマの作品。
あらすじは
幼い娘を殺害された辻口夫妻は、知人の医師の斡旋で陽子を養女を迎え入れる。陽子は美しく清純な娘に成長。兄の徹は密かに陽子を愛>>続きを読む
ジョン・カサヴェテス監督作品。
あらすじは
ストリップ・クラブのオーナー、コズモは長年の借金をやっと払い終えたのに、賭博でマフィアに借金を背負わされ、暗黒街のボス・“チャイニーズ・ブッキー"の暗殺を>>続きを読む
とても胸に沁みる恋愛物語でした。
聴覚障害のある2人がメインのため、台詞がとても少なく単調とはいえ、音楽が常に鳴っていて小さな笑いもあり、ちゃんとした娯楽映画です。
やっぱり映画製作におけるセンス>>続きを読む
台湾を舞台にした若者たちの群像劇。
邦題はなぜか監督の名前に「恋愛時代」だけれど、原題は「獨立時代」
英題は「A confucian confusion」
意味は「儒教の混乱」
1990年代の台>>続きを読む
曽野綾子原作、橋田壽賀子脚本。
なぜかマリリン・モンローの生涯のお話をやっている。
良かったのはオープニングクレジットのタイトルの出し方、その音楽くらいです。
ストーリーはとてもつまらなかった。>>続きを読む
ツァイ・ミンリャン監督、3作目。
とてもグロテスクな作品でした。
3人家族それぞれの孤独を映します。
相変わらずパッとしないシャオカンは今回は無職。
なぜか首が曲がって痛くなる奇病にかかり、あ>>続きを読む
物語、キャスト、音楽、セリフどれも大好きな作品。
小津監督の影響を受けているアキ・カウリスマキ。
独特の構図や陰影、間合い、人間の哀しさ、滑稽さ、全てにおいて
何を描こうとしてるのか、彼なりの信念が>>続きを読む
日本映画のホラー。
とっても気持ち悪かったです。
独特のカメラワークと映像の色や光、忘れた頃に入ってくる不協和音に神経をやられます。
そして俳優たちの怪演が見事にハマっていました。
登場人物はだ>>続きを読む
ナイルに死す。
アガサ・クリスティ原作、名探偵ポワロが活躍するミステリー。
豪華な俳優陣、壮大なエジプトの景勝地、ニーノ・ロータの音楽など見所満載。
あらすじは
莫大な遺産を相続したリネットは、親>>続きを読む
不思議の国のアリス、グロテスクバージョン。
可愛いのはアリスだけでした。
まずうさぎがヤバい。
こっち見んなレベル。
とりあえずあれは追いかけない。
アリスがインク飲んだりクッキー食べて、体がちっ>>続きを読む
江戸時代、世界初の全身麻酔を使った手術に成功した華岡青洲の妻の物語。
ですが、これは嫁姑問題に焦点を当てた原作を元にしたフィクション。
姑(高峰秀子)の美しさと、その裏にある恐ろしさには、世の嫁た>>続きを読む
ツァイ・ミンリャン監督、長編2作目。
あらすじは
共同墓地のセールスマンのシャオカン。
不動産エージェントのメイ。
露天商のアーロン。
メイが管理する高級マンションの空き部屋を軸に、3人が出会ったり>>続きを読む
サム・ペキンパー監督作品。
数学者のデヴィッドと、妻エイミーは静かな環境を求めてアメリカから妻の故郷イギリスの片田舎に引っ越してくる。
が、そこでは村の若者たちから笑い者にされたり嫌がらせの日々が待>>続きを読む
1930年代の世界恐慌の中、驚異的な経済成長をするソ連に疑問を抱いた若き英国人記者が現地取材で見たものとは…
当時ソ連の一部であったウクライナの大飢饉をめぐる物語。
飢饉は独裁者によって起こされた>>続きを読む
ドイツ占領下のパリ。
フランス軍レジスタンスのフォンティーヌ中尉は刑務所に投獄される。
毎日淡々と脱獄の準備が詳細に描写され、最後まで緊迫感が張り詰めている秀作。
なんといっても派手な演出がゼロ。>>続きを読む
谷崎潤一郎の短編「刺青」と「お艶殺し」が原作。
あらすじは
質屋の娘お艶は手代の新助と駆け落ちする。その手引きをしてくれた権次夫妻に騙され、お艶は深川の芸者として売られ、新助は殺されそうに。権次のと>>続きを読む
このジャケ写にある、犯人お手製の
「瞼を閉じることが出来ない針」みたいなのが凄い発想。
しかも殺しを見せつけるためという…
さすがダリオ監督、サディスティックが止まらない変態です。
オペラ座でマ>>続きを読む
ヴィクトリア女王の晩年、インド人青年アブドゥルとの
知られざる交流を描いた作品。
あることがきっかけで女王様に目をかけられたアブドゥル。
それをよく思わない女王の周りの人間たち。
どんどん親交を深>>続きを読む
1990年代の台北が舞台。
取り壊される前の中華商場や、MRTの建設工事中の道路など
映される風景はとても時代性があります。
ツァイ・ミンリャン監督のデビュー作。
とても暗くて閉塞感しかありません>>続きを読む
勝手に自然災害ものとなぜか思い込んでいました。
なので突然現れた謎の生物にびっくり!!
原作がS.キングなら当然こっちですね。
何もわからず見えない状況で閉じ込められてしまうという不安。
今の>>続きを読む