しゅんまつもとさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

3.6

初ギャスパー・ノエでかなりビビりながら見たんだけどなんなんですかこの映画は。
いくつかのシーンで、もういいから!もういいから!と本気で思ってしまった。具体的にいうと妊婦のシーンと配電盤のシーン。
モラ
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IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

1.8

鑑賞中何度も「嘘だろ…」という気持ちと溢れ出るため息を我慢できなかった。169分。約3時間である。長いことが悪いって言ってるわけじゃない。長くても良い映画なんてたくさんある。いつまでもこの時間が続いて>>続きを読む

マチネの終わりに(2019年製作の映画)

3.8

たしかにこれは「まなざし」の映画である。そしてそのまなざしがどの方向に向けられているのか、ということにとても惹かれる。

福山雅治、石田ゆり子というこれまた象徴的な(あまりにシンボルすぎる感じも否めな
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.9

「あなたが正しく使ってね」というある人物から発せられる一言でこの映画のすべてを肯定してしまいたくなった。

それまでどんなに愛された人でさえ、たった一度の失敗を責められ、貶められてそれまでの功績すら無
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クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

4.0

ハリケーンにワニ。久しぶりに景気良さそうな映画やるな〜と予告見た時からワクワクしてた。
兎角こういう映画をB級映画と片付けがちになるけど、B級なめんなっていうかそもそもB級とかなんだよって感じだし、な
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

4.2

例えばふと見上げた月が綺麗だったとき、「綺麗だ」と言葉にしたりスマートフォンの写真に収めるだけではどうにも我慢できなくてその感情を音にしたり、絵にしたり、詩に出来る人がいる。それは日常の様々なところに>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.2

映画を見る上で、感情移入というのは大事なツールなようでいて、その実とても危険なことである気がする。なぜなら自分の考えや思いもそこそこにスクリーンの中の人物と同化してしまうわけなのだから。そのとき自分は>>続きを読む

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.0

「ジョーカー」鑑賞前の補助線として。


人はナイフを突きつけられれば恐怖に怯えるけれど、バナナを突きつけられたとしたらその滑稽さに笑ってしまうかもしれない。しかし世の中にはナイフとバナナを瞬く間に入
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.4

先日、旅行先のホテルに家の鍵を置き忘れてしまい、帰ってくるも休日のため管理会社もやっておらず、行くあてもなく彷徨うという経験をした。馬鹿である。しかしこのとき感じた「自分はどこに帰ったらいいかわからな>>続きを読む

宮本から君へ(2019年製作の映画)

-

はあ、さてさて。困ってしまった。自分はこの映画のことを好きなのか嫌いなのか。今の時点ではちょうど半分ずつくらいである。自分の中での整理のために書いてみる。

この物語は圧倒的に間違ってると、正しくない
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見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.5

もっと観客を信じてもいいのに、というのが正直なところではある。序盤のあまりに説明過多な台詞やこれ見よがしに伏線のようなカットを連発するのは勿体ない。松田美由紀をここまで下手に撮れるのも珍しい気もする。>>続きを読む

アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

3.1

見ながら、これは本当に今泉力哉の映画なんだろうか…と疑わざるを得なかった。その魅力が存分に出せてたと自分には思えない。というより伊坂幸太郎原作との食い合わせがあまり良くないんじゃないんだろうか。
伊坂
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Battle at Big Rock(原題)(2019年製作の映画)

4.0

ようやく前作のラストでやったことの意味が見えてきた。そうなると俄然3が楽しみ。
「恐竜」がいる世界で私たちはどうやって生きていくのか。それが生まれてしまったことに加担していないと本当に言えるのか。ここ
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レゴ(R)ムービー2(2019年製作の映画)

4.2

前作は映画自体の構造とそこから紡がれるメッセージがフレッシュで素晴らしかったので、どうしたって同じ基準で見たら驚きは薄れてしまうのだけど、続編の本作は真っ当に、真摯に、物語としてめちゃくちゃ優れている>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

4.5

やられた〜〜。めちゃくちゃ期待して観に行ったけど完全にその期待に応えてつつ、思いもよらないところに着地させられて茫然&口あんぐりでした。

プロローグの文章と檻に入った無数のウサギが出た時点でカラクリ
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サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

3.4

80'sジュブナイルを今やる以上「ストレンジャー・シングス」「IT」との差別化というか既視感をどう払拭していくのかはかなりハードルが高いと思う。結果的には物語の決着のさせ方(あるいは決着をつけないとい>>続きを読む

マーウェン(2018年製作の映画)

4.1

日本での公開規模の少なさ、調べてみるとなんとアメリカでは酷評とのこと。なぜに????
個人的にはどんどん新しい領域に行くゼメキス流石だなあと思ったしめちゃくちゃ背筋を正されるウェルメイドな映画だったん
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ウィーアーリトルゾンビーズ(2019年製作の映画)

3.7

テンポが速いのに鈍重というのがなんとも歯痒くはある。ずっと彼らのことを見たいと思わされつつも間延びした空気に耐えられるほど映画的な魅力が高いわけでもない。そういう点を踏まえた上でも好きだったなぁ。>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.6

身勝手な論理を振りかざして容易く誰かの命を奪ってしまうような不条理がすぐ隣にある。思い当たるようなことが自分たちのすぐ近くでもあるでしょう。1969年と2019年はもしかしたらそう変わらないのかもしれ>>続きを読む

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.7

監督で見る映画を選ぶとしたら絶対に選ばない映画ではあるけど評判の高さに見に行って正解だった。よくできてる。
人間のドラマでありながら人間の撮り方がつまらないというのは致命的ではあるけれど脚本が秀逸。序
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

4.0

ロバート・レッドフォードにそこまで思い入れもなく、作品追ってきているわけではないので、どうしたってそういう目線では見れないのだけど、それでも映画的にむちゃくちゃ面白い。
爺さんが車を走らせてるだけなの
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天気の子(2019年製作の映画)

2.9

「世の中のみんなが欲するものよりも、僕がほしいもの、君を選ぶ」という作品内で提示される主張は『君の名は。』の次に『天気の子』を作る新海誠の姿勢そのものだったと思う。スタジオポノック1作目の『メアリと魔>>続きを読む

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

3.7

無論、めっちゃ面白いし映像のクオリティも高いし、物語から生まれるメッセージも何も間違っていない。めちゃくちゃ高水準な映画であるということは前提として。

自分はこの物語をトイストーリーでやる必然性みた
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トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)

4.8

5億リットル泣いた。焼却炉で死を覚悟して手を繋ぐところ、そこから一気に人間からの視点にスイッチするところ。あらゆる結末の中でも完璧すぎる。
2に感じた不満もこの地点でおおよそ改善されていた。自分の生き
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トイ・ストーリー2(1999年製作の映画)

3.4

むう。そりゃまあ面白いと言ってしまえばそうなのだけど、今見るとあんまり褒められたようなもんでもない気が。勝手な思いだけどピクサーが2019年の今これを見返したらきっと作り直したくなるんじゃないだろうか>>続きを読む

ホットギミック ガールミーツボーイ(2019年製作の映画)

-

自分でもこの映画のことがまだよくわかってないのでひとまずスコアはなしで。

山戸結希の映画だから見にいったわけで、ということは普通のティーンムービーではないということは承知の上で席についてるわけなのだ
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.0

あの「エンドゲーム 」の後でありフェーズ3の締めくくりという一番辛いところを任せられたスパイディ&ジョン・ワッツ。かなりグッジョブだったと思う。全体のトーンもしんみりしすぎず、でも確実にエンドゲーム後>>続きを読む

きみと、波にのれたら(2019年製作の映画)

3.9

「夜明け告げるルーのうた」で嗚咽するほど涙した自分にとって、これはマストで観なければならない一本でした。ぶっちゃけてルーほどの爆発感はないけれど、マスをを狙いながらもコアが全くブレてない傑作だった。>>続きを読む

貞子(2019年製作の映画)

2.6

クローゼットに軟禁された少女の元に、復活した貞子が現れ、解放するオープニングを見て、まさか貞子をダークヒーローとして扱う感じか!それってむちゃくちゃ面白いじゃん!日本のアベンジャーズがあったら貞子も入>>続きを読む

町田くんの世界(2019年製作の映画)

4.1

自分の愛する人が愛する人を果たして愛すことができるだろうか。
例えば、父親は愛する我が娘が愛した見ず知らずの男を信頼して、娘を送り出すことは出来るのだろうか。愛がゆえに、愛する対象を守りたいがゆえに、
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サバハ(2019年製作の映画)

4.0

めっちゃ怖い&おもしろい。ホラー的な描写はほぼほぼないものの、自分の理解の及ばない範疇のものが自分の日常の裏に潜んでいると思うと、心底ゾッとする。
たとえば、たとえばだよ?最近頻繁に目にする、高齢者の
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メモリーズ・オブ・サマー(2016年製作の映画)

3.3

冒頭から繰り返される、川と海のシーン。物語を通して、死がこびりついている。
知らないふりをしていた世界のルールを悟ったとき、少年は大人になり、かつて自分の世界の中心だった母親という存在とは文字通り一線
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スケート・キッチン(2018年製作の映画)

3.8

歩くよりも少し速い速度で青春と呼ばれる時間は過ぎていく。掴もうとしては掌からすり抜けていくものだらけ。
物語の出発地点と着地点は全く同じはずなのに、ものの見え方が180°変わっていることこそ、青春映画
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名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)

3.5

全体的に既視感強めで「ズートピア」感を拭えなかったものの、なんつったって我らがライアン・レイノルズである。泣きながら歌なんか歌ってしまうピカチュウは最高だ。

言いたいことがないではない。クライマック
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らせん(1998年製作の映画)

3.3

全然思ってた映画と違ってたけど楽しめた。
ケイゾクが如何にこの雰囲気にしたかったのかがよくわかる。皮肉にもそれが映画じゃなくても良かった感が拭えない理由を裏付けてる気もする。

リング(1998年製作の映画)

3.5

むちゃんこ怖い。これ映画館で見た人とかよく耐えられたね。なんというか音量の振り方が異常。緩急のつけ方が尋常じゃない。

「魔がさす」という言葉の由来は、人間の心の綻びみたいなところを見つけて、妖怪の類
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