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1976
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目次

1976の作品紹介

1976のあらすじ

ピノチェト政権下のチリ。主婦のカルメンは司祭からひとりの若い男をかくまうように頼まれ、了承する。だが、そのことは彼女の生活を大きく変えることになる。独裁政権下の静かな恐怖を描いた作品。

1976の監督

1976の出演者

原題
1976
製作年
2022年
製作国
チリアルゼンチンカタール
上映時間
97分

『1976』に投稿された感想・評価

東京国際映画祭、丸の内TOEIにて視聴。ピノチェト政権下のチリ。独裁政権の様子を見に行ったつもりだったが、全くそういうあからさまな政治的抑圧とかではなく、別荘に訪れた中年というか老年に差し掛かったきれいなブルジョア女性が、勇気ある行動を取るストーリーだ。革命家を秘密裡に助けるのだが、彼女の行動がいつ当局に見つかるかヒヤヒヤドキドキする。映画視聴後、監督のQ&Aがあったが、マルテッリ監督は若くきれいで、映画好きな人達からのgoodな質問で、なかなか中身のあるQ&Aで大満足した。ペンキのピンクに赤を入れるシーンから始まり、最後の方にも同じようなケーキのクリームに赤が入るシーンがあるが、あれは血の意味だそうだ。そして、音楽が終始気味悪い効果となっていた。私的に興味深かったのは、フェミニズム的な描き方だ。昔は医者になろうとしたが封建的な家庭に育ち叶わず、今は主婦でお金持ちの医師の妻で、時々朗読の仕事をしているらしい。夫から意地悪な発言がちょいちょい見られる。彼女があまりシャープでない、アホだよ、ウチの奥さんは、みたいな言い方をする。夫からそういう扱いをされていたからこそ当局にバレずに済んだのだろうがね…革命の一部の手助けは、勇気ある行動で、彼女らしい本当の自分の発露だったんだろうな。表現の自由は出来ず、チクられるので他人が信用できず常にピリピリとした雰囲気が伝わる。海に上がった女性の死体は活動家だったが、それも単なる「外国人の女性」と新聞報道されていた。革命家と彼女の会話も良かったけど若干そのあたりの人間関係の描き方が浅かったかな。サスペンスに重きを置いた作品に仕上がっている。
[] 50点

ピノチェト時代のチリにて。田舎の海岸沿いに別荘を建ててるプチブルの妻カルメンは地元の神父に頼まれて怪我をした若者を看病するが…みたいな話。序盤は『最後の入浴』みたいな文芸エロ映画になる雰囲気だったが、若者の抵抗活動に協力し始めて云々。多分大事なとこ寝てるのでデカい声では言えないが、それっぽい音楽(これは良い)と近未来的な建物によるSFっぽい現実の切り抜き方による雰囲気重視な作りになっていて、可もなく不可もなくといった印象。全然関係ないけど、昔ラテンビートで観たい『蜘蛛』を思い出した。物語はちんたらしてるし、まぁ大体手遅れなので、本作品にも"遅さ"を感じた。『ザ・ビースト』『アシュカル』とコンペ三本目だが、今年のコンペのテーマは"遅さ"なのか?
backpacker

backpackerの感想・評価

3.0
第35回東京国際映画祭 鑑賞第7作『1976』
【備忘】
男性優位社会に抑圧される女性の、自尊心とアイデンティティーを守ろうと苦悩する姿を通して、独裁政権という政治体制における女性の地位や、ブルジョワ層のノブレス・オブリージュとカトリックであることの二面性を活写する、人間ドラマ。
男性によって紡がれる政治・社会・歴史の資料は、総じて女性の視点を排除している。しかし実際は、世界の移り変わりに女性が全く関与しないことなど決してあり得ない。それを理解し周知することこそが、この映画の重要な意味なのだと思う。

アメリカの介入で社会主義政権が打倒された1973年のチリ・クーデターにより確立したピノチェト独裁軍事政権。その独裁政権が国を制圧して3年目の1976年が、本作の時代設定。
これは、監督の祖母が亡くなった年とのことで、祖母が感じていた悲しみや憂鬱から、当時のブルジョワ層女性が政治や社会に対して抱いていた思いを描くうえで、重要な背景要因として機能している。
また、生活困窮者が多い当時のチリにおいて圧倒的少数派であったブルジョワ層に属する"裕福な医師の妻"という設定の主人公・カルメンが、清貧を良しとするキリスト教の熱心なカトリック信者であるという、一種の矛盾。
貧者への施しのため協会へ足しげく通うカルメンの姿からは、恵まれた環境に身を置くがために支払った服従の代償、即ち、赤十字の看護師として身を立てるという夢を諦めたことへの後悔が溢れる。


南米の温暖な気候、海辺の別荘のリノベーション、青年の介抱、ピンクコーラルから赤よりの色へと移り変わるペンキの色……。
明るい配色と先を見通せない暗闇との対比が、平穏な実生活を突如激変させた秘密(教会の司祭から任された「傷ついた青年を匿う」という秘密)によって炙り出される、心の奥底に封じた自分自身の望みと目を背けていた独裁政権がもたらす恐怖との対比と美しくマッチしている。
最終的に、美しい日常と不安に苛まれる秘密とが融合し、孫娘の誕生祝を泣きそうでメランコリックな表情で迎えたことから覗き見える苦しみ。
美しさが際立たせた、暗黒面のようであった。

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