パウラ・ベーアが、ナチスの密告者となった実在のユダヤ人女性を演じる、実話を元にした物語。
第二次大戦中に行われたことが風化しないように、定期的にこのテーマの映画が製作されることは、必要だと感じます。日本の製作会社には、あまり期待でない現状が悲しい。
この作品は、加害者でもあり、被害者でもある人物を描いていて、戦争が白黒の二元論だけで語れないことが伝えられる。ロシアによるウクライナ侵攻も、イスラエルによるガザ侵攻も、人種差別的な報道や世界情勢が伝えられるが、そんな単純なものではない。この作品を観る中で、もし自分が当事者であるなら、どうしただろうと考えてしまいます。
また、主人公が女性であり、常に抑圧・迫害されている姿は、現代日本にも繋がっている気がします。ただ、物語として、演出として、映画としての新鮮さは、少し物足りない印象。
2025年2月8日＠アップリンク京都

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【自分に置き換える】

※この時終われる立場にいた4人のユダヤ人の証言と回想ドラマを織り交ぜた作品で、ステラが登場します。密告者として記憶されていますが、見逃してもらったことが語られます。

自分をステラに置き換えたら、どうするだろうか考えさせられる作品だと思う。

信仰や、信念があっても、その時々置かれた状況で、人々の行動は変わるのではないか。

この作品は、それが当たり前で、だからこそ、こうした状況を招くべきではないと根本的なところを問いかけているのではないかと思う。

それがエンディングに近い場面の「過去に責任はなくても、未来に責任を負う」という言葉ではないのか。

過去を反省したくない人は沢山いる。

歴史修正主義者と呼ばれる人はそうだ。

戦争や紛争によって人々の人生は大きく変貌してしまう。

生きていくために......とは人々にとって重要な指標だ。

だからこそ、民主主義や冷静な見極めが重要なのだと思う。

ご興味のある方は、2018年公開の「ヒトラーを欺いた黄色い星」を観て下さい。

遺伝子は利己的で、延命のためにどんなことでもする。
ドーキンス『利己的な遺伝子』

壮絶ぅ。。。( ´ㅁ` ;)
実話ベースの物語。
ユダヤ人が色々な人の機転や優しさでホロコーストを逃れた話は作品として多いが、
今作は被害者でも加害者でもある物語。
‘’生きるとは‘’を究極に煮詰めた作品だった。


舞台は1940年8月、ベルリン。
物語はナチスがパリを陥落した年から始まる。

18歳のステラはブロードウェイでジャズシンガーになる夢をみるユダヤ人の少女。
戦争が激化に伴い、両親は国外脱出を試みたり、ビザを取るのに躍起だが、ステラには友達とのバンドで歌姫として歌う、舞台の方が大事。

ステラはブリーチした金髪と、生まれ持った碧眼で、ヒトラーが理想とするアーリア人の容姿すらも手に入れたと思っていた。
その為、この段階では自分がユダヤ人だからと追われるなんて思ってもなかった。

スポットライトを浴び、賞賛を得ることが彼女の一番の喜び。
そんな承認欲求と自己愛の強さが、彼女を狂わせたのかもしれない。


飛んで1943年。
ガチャガチャと金属をプレスする薄暗い工場で、汗と油にまみれて働くステラ。
輝く容姿が失われた彼女。

ユダヤ人は収容所に全員送られるらしい。
行ったら帰ってこられないらしい。
という噂が流れる。

自分だけは、賢く立ち回れると信じていた。
ステラは、タイトル通り(説明過多)自分の命か他者の命かを天秤にかけることになる。。。

ラストまで息をもつかせない展開に飲み込まれました。


空襲の中、空き家で
どーにでもなれ〜！･:*+.\(( °ω° ))/.:+
の、シーンが最高に気持ち良かった。
その輝きに惹かれる私も危険タイプかもしれない。


ステラの生存の為の利己的行動。
現在の価値観で、ステラを愚かだと断罪出来るのだろうか。
被害者でもあり加害者でもあるステラ。

実話だからこそ、唸ってしまう。。
ステラの生きたい気持ちも、密告されたユダヤ人の怨嗟も、両方理解できるからこそ苦しい。

カルネアデスの板は1人から奪えば緊急避難なのか、100人蹴落としたら犯罪者なのか。

被害者だから、加害者になるのは仕方ないのか。
イスラエル、ガザ地区の状況を、映画のラストで言及しているように感じました。

感受性高い時にいくと、引っ張られちゃう
( ˊᵕˋ ;)