[ 敵 ]
「なにが敵なの?」
その回答は間違いではない
ただその問いが一生わからなければ
敵に追われるのだろう
いや、理解しても追われるのだろう
終われる日々に。
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この映画を観ながら、まるで自分の老後を見ているような不思議な気持ちになった。恋人も作らず、誰かに依存することなく、ひとりで日々を生きる姿に、どこか共鳴してしまったのだと思う。
特に印象に残ったのは…
丁寧に余生を暮らす元大学教授の日々、と思いきや、現実か夢か妄想か、はたまた走馬灯なのか。シームレスに行き来…しているのかもわからない。
「敵は突然やってくる」と言いながら、ずっとじわじわ「敵」を恐れ…
原作筒井康隆。
筒井康隆の小説は好きで何作か読んだことがあるけど、普通ににわかなのでこれは知らなかった。
モノクロで丁寧に描写される日常風景。
そしてその日常が徐々に崩れ、“敵”に侵食されてゆく様…
ⓒ1998 筒井康隆/新潮社 ⓒ2023 TEKINOMIKATA