【余命僅か、余白数多】
いろいろ考えさせられる作品だった。長塚京三さんの演技が光る。モノクロの醸し出すレトロな昭和感も秀逸。個々のエピソード、四季をなぞったシークエンス、細部まで行き届いた絵作り…
渡辺儀助は著名な仏文学家で大学教授だったが、現在は退官して文芸雑誌に寄稿するなどして余生を過ごしている。たまに古い友人やかつての教え子が訪ねてくるが、子供はおらず20年前に妻に先立たれ全くの一人暮ら…
>>続きを読む最初のほうは、主人公の生活に興味を持てた。仕事とか、講演料10万円以下は引き受けないとか、時折くる女性の存在とか。中盤くらいから、妄想と現実がごっちゃになるくらいから興味を失ってしまった。
おそらく…
こんなにタイトルが鑑賞中ずっと頭の片隅にあった映画も珍しいなと思う。
前半の主人公の生活とタイトルにギャップを感じて何が敵なのかずっと気になって興味深く見られた。
が、突然メールで敵の文字が出てき…
世の中変わっちゃって、元大学教授の誇りとかプライドとか、そんなの生きるのに邪魔なんだ。でも、ただ生き延びるために生きることををどうしても受け入れられないんだよ。
あのころ普通だった生活が、今では贅沢…
怖いわ…
てっきり、終活も終えて余生のはずの元教授が色めき立って狂わされていく、的な話かと思いきや、それどころではなくどんどん不穏になる空気。ためて、ためてからの数少ないジャンプスケアシーンで過去…
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