【余命僅か、余白数多】
いろいろ考えさせられる作品だった。長塚京三さんの演技が光る。モノクロの醸し出すレトロな昭和感も秀逸。個々のエピソード、四季をなぞったシークエンス、細部まで行き届いた絵作り…
おっさんの妄想のような暮らしを描いてた『perfect days』に比べてこっちはあまりにも現実的で生々しさがあった。死を意識し始めた老年期の精神錯乱を描いた内容はベルイマンの『野いちご』に似ている…
>>続きを読むミステリーかと思いきや、まぁミステリーではあるか。じんわり、静かに、しかし確実に…いい映画でした。
こういう表現、演出は面白い。
長塚京三ならではのハマり役。瀧内公美、黒沢あすかの男をたじろがせる雰…
渡辺儀助は著名な仏文学家で大学教授だったが、現在は退官して文芸雑誌に寄稿するなどして余生を過ごしている。たまに古い友人やかつての教え子が訪ねてくるが、子供はおらず20年前に妻に先立たれ全くの一人暮ら…
>>続きを読む敵は己。
敵に亡霊が集まってくる。
モノクロの画面に長塚京三さんのたるみ皺がボヤける。
フランス文学教授の隠居生活は、質素だが手料理する食生活。
焼鳥串も、買ってきたものではなく、レバーの下処理し…
謎の敵に少しずつ襲われていく話かと思ってたら、ちょっと違いました。
モノクロ映像が、元教授の品位を引き立ててるなと感じた。
中盤から死んだ妻が現れだし、後半はどこまでが夢か現実か。
ラストもよくわか…
ⓒ1998 筒井康隆/新潮社 ⓒ2023 TEKINOMIKATA