HYSTERICの作品情報・感想・評価

「HYSTERIC」に投稿された感想・評価

瀬々敬久の「HYSTERIC」はどんな冷たい河川を遡り、湖を渡っても冷えることのない熱風のような映画です。

まだ世慣れぬ千原ジュニアと小島聖が疾走すると、世慣れた熱風が却って勢いづくように画面全体の温度が上昇します。

夏鳥がいれば一斉に水浴びをし、小さな飛沫が上がるでしょうし、昼間から裸で縺れ合う男女がいれば暑さのあまりに互いの身を離すにちがいないし、犬がいれば飼い犬だろうが野良犬だろうが長い舌をだらんと出して喘ぐことでしょう。

もちろん映画にそんなシーンがあるわけでもないのですが、溶けかけた路上のアスファルトを裸足で歩んでいたような余韻からつい、そんな情景が連想されたわけです。

小心翼々として生きてきた隣人・鶴見辰吾が下半身むきだしのまま命を奪われたり、ジュニアと小島聖が心中を図ろうとするもガス爆発で押し入れから真っ黒な顔で出てきたり、面会室で母・余貴美子の淫乱ぶりを中傷したりする場面を観れば、(現実)という可笑しさが軌道修正不能な若者の暴走から(切なさ)というものを悉く吸い取っているようで、もはや笑うしかありません。
それもまたこの作品にみなぎるイカれた熱風の力でしょうか。
ジュニアの目つきとジャコメッティの彫刻みたいな手足の長さがよかった
確かにあの顔で長い手足で、ジュニアさんの存在感は稀有だよなぁ。良かった。
ちょっとずつしか出てないけど、諏訪さんとか川瀬さんとか寺島さんとか、バイプレイヤーたちがよかったなぁ。
昔にテレビでやっていたのをたまたま見たが、鶴見辰吾がパン一(しかも白ブリーフだったような)で軟禁されて、目の前でジュニア達にイチャイチャされるのを見せつけられるみたいな、鶴見辰吾が不憫すぎる映画だった。何だったんだろうか。
Tyga

Tygaの感想・評価

3.5
この世紀末感というか90年代後半のどこにも行けなさそうなどん詰まり感がよい。

「ポルノスター」でも感じたけど、この頃の千原ジュニアは理不尽な暴力や言動が許されるスター性がある。
それでいて時折みせる弱気な感じはクズ男好きならはまるのでは……

ただ、時系列をいじる必要性はあまり感じなかったかなあ。
サスペンス感は煽られたけど、描きたいのそこじゃないような気がしたので。
オシャレではなく、オシャレに撮ろうとしてるなーって感じる映画。誰かの真似っこをしているような二流の雰囲気がプンプンだった。脚本も演出もどこかで見たことがあるものだったからか。
犯人の女が殺す前に被害者とセックスした異常性が話題となった青山学院大生殺人事件の映画化。実話では別荘でガス心中を謀ったがドジって爆発させて逮捕だが映画ではそこでは捕まらずオリジナルな展開に。

この小島聖は宮崎から岐阜に来て紡績工場で働きながら短大に通い保母になる勉強をしてるとあったが本当の事件当時ぼくも同地区の紡績工場におり同級の宮崎出身の娘(同じ短大で幼児教育課程)に彼女の印象を聞いたら「普通の子だよ」と答えた。
それをふまえてぼくがこの映画のシナリオを書くなら前半にかなり長く工場で働くシーンを入れる、マジメな子ほど工場中を走り廻っていてその汗と二十歳の色気を再現したいからだ(小島聖が製品となった糸を集めるシーンがあるがあんなのっそりしてる子はいないしスカート姿もありえん)
それと実話の男はこの千原ジュニアのようにキチガイだったかもしれないけど身も蓋もないぞ。
一番良かったのはゆらゆら横に動くフレームの中で踊るジュニア、あと鶴見辰吾の役が理不尽すぎて凄い、めっちゃ90年代感がある
ジュニアが出てるから借りてみてみたってだけ。
でくのぼう感はんぱない

このレビューはネタバレを含みます


 瀬々監督、ジュニアすべらない異常

 

瀬々敬介監督、脚本井上紀洲。

今や「すべらない話し」でお馴染み、お昼の顔にまで登りつめた千原ジュニア。

コメディアンだけでなく千原ジュニアの素晴らしい演技が表れてる本作。

実話を元に千原ジュニアが無軌道な犯罪を繰り返す作品。

ヒロインに小島聖、素晴らしい存在感。(撮影後付き合い別れたみたい?)

二人の肉感的な愛がエロティックで刺激有り。

ジュニアの冷たく弱い狂気が見え隠れする。

クリミナルなカップル物語。

アパート内の地味な長廻しの殺傷シーン必見です!

他村上淳、阿部ちゃんも助演。

ジュニアのくもらない静かな異常性が疾走します。

追伸
千原兄弟のライブビデオ「はじめツアー」「PINK」必見!すでに二人の緊張と笑いの素晴らしい世界とライブ映像も必見!千原兄弟ファンです。また、映画にでてほしーなー! 今やうれっこ!

2009年3月20日 13時47分レビュー