HYSTERICの作品情報・感想・評価

「HYSTERIC」に投稿された感想・評価

深夜にテレビでやってるのをたまたま見た。2人の異常さを愛だと言われても意味不明だったけど千原ジュニアのいっちゃってる奴感は良かった。後で実話って知って、自己中で無意味で残忍なクソみたいな犯人の行動を、愛として映画化してることが気分が悪い。
どんだけ時系列入れ替えても死のイメージと焦燥感が2人と時間を違和感なく繋ぎとめる。居場所がなくなるまで居場所を探し続ける小島聖と千原ジュニアの儚さに泣いた。浜辺で重機に乗ってアメリカンドッグ食べながら死ぬ話するシーンはどうやったら思いつくんだろうか?これからキツネうどん食べるたびにこいつらのこと思い出して泣いちゃうかもしれないな。
瀬々敬久の「HYSTERIC」はどんな冷たい河川を遡り、湖を渡っても冷えることのない熱風のような映画です。

まだ世慣れぬ千原ジュニアと小島聖が疾走すると、世慣れた熱風が却って勢いづくように画面全体の温度が上昇します。

夏鳥がいれば一斉に水浴びをし、小さな飛沫が上がるでしょうし、昼間から裸で縺れ合う男女がいれば暑さのあまりに互いの身を離すにちがいないし、犬がいれば飼い犬だろうが野良犬だろうが長い舌をだらんと出して喘ぐことでしょう。

もちろん映画にそんなシーンがあるわけでもないのですが、溶けかけた路上のアスファルトを裸足で歩んでいたような余韻からつい、そんな情景が連想されたわけです。

小心翼々として生きてきた隣人・鶴見辰吾が下半身むきだしのまま命を奪われたり、ジュニアと小島聖が心中を図ろうとするもガス爆発で押し入れから真っ黒な顔で出てきたり、面会室で母・余貴美子の淫乱ぶりを中傷したりする場面を観れば、(現実)という可笑しさが軌道修正不能な若者の暴走から(切なさ)というものを悉く吸い取っているようで、もはや笑うしかありません。
それもまたこの作品にみなぎるイカれた熱風の力でしょうか。
ジュニアの目つきとジャコメッティの彫刻みたいな手足の長さがよかった
確かにあの顔で長い手足で、ジュニアさんの存在感は稀有だよなぁ。良かった。
ちょっとずつしか出てないけど、諏訪さんとか川瀬さんとか寺島さんとか、バイプレイヤーたちがよかったなぁ。
昔にテレビでやっていたのをたまたま見たが、鶴見辰吾がパン一(しかも白ブリーフだったような)で軟禁されて、目の前でジュニア達にイチャイチャされるのを見せつけられるみたいな、鶴見辰吾が不憫すぎる映画だった。何だったんだろうか。
Tyga

Tygaの感想・評価

3.5
この世紀末感というか90年代後半のどこにも行けなさそうなどん詰まり感がよい。

「ポルノスター」でも感じたけど、この頃の千原ジュニアは理不尽な暴力や言動が許されるスター性がある。
それでいて時折みせる弱気な感じはクズ男好きならはまるのでは……

ただ、時系列をいじる必要性はあまり感じなかったかなあ。
サスペンス感は煽られたけど、描きたいのそこじゃないような気がしたので。
オシャレではなく、オシャレに撮ろうとしてるなーって感じる映画。誰かの真似っこをしているような二流の雰囲気がプンプンだった。脚本も演出もどこかで見たことがあるものだったからか。
犯人の女が殺す前に被害者とセックスした異常性が話題となった青山学院大生殺人事件の映画化。実話では別荘でガス心中を謀ったがドジって爆発させて逮捕だが映画ではそこでは捕まらずオリジナルな展開に。

この小島聖は宮崎から岐阜に来て紡績工場で働きながら短大に通い保母になる勉強をしてるとあったが本当の事件当時ぼくも同地区の紡績工場におり同級の宮崎出身の娘(同じ短大で幼児教育課程)に彼女の印象を聞いたら「普通の子だよ」と答えた。
それをふまえてぼくがこの映画のシナリオを書くなら前半にかなり長く工場で働くシーンを入れる、マジメな子ほど工場中を走り廻っていてその汗と二十歳の色気を再現したいからだ(小島聖が製品となった糸を集めるシーンがあるがあんなのっそりしてる子はいないしスカート姿もありえん)
それと実話の男はこの千原ジュニアのようにキチガイだったかもしれないけど身も蓋もないぞ。
一番良かったのはゆらゆら横に動くフレームの中で踊るジュニア、あと鶴見辰吾の役が理不尽すぎて凄い、めっちゃ90年代感がある
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