デブラ・ウィンガーを探しての作品情報・感想・評価

「デブラ・ウィンガーを探して」に投稿された感想・評価

◉有名女優のグチ大会。両立が大変なのは女優以外の職業でも同じなのだが・・・。


女優のもっとも大きな悩みは“仕事と家庭の両立が可能かどうか”である。
40歳を過ぎたロザンナ・アークエットはこの問題に悩み、同じ悩みを持つ女優仲間にインタビューするドキュメンタリー映画を制作することを思いつく。
しかし、女性が家庭を持つと仕事との両立に悩むのは他の職業でも同じことであり、女優だから特別ということではない。
インタビューで多く女優が子供への想いや出演する映画の本数が制限されてしまいいい役に巡りあうことの難しさを訴えるが、やがて現場でのセクハラ問題(後年のme too運動の原因になったプロデュサーが女優をセックスの対象としてしか見ていないことも語られている)や、子供の有無に関わらず40歳を越えると急激にオファーが少なくなってしまうことなど、他の問題点も浮き彫りになる。
特に年齢の問題は深刻で、これが女優特有の大きな問題だろう。男優なら容姿と関係なく中年以上の年齢でも演技派として活躍できることもあるが、女優で長期にわたって活躍している例はごくわずかしかいない。

外見的な問題を補うために、美容整形を行う女優も多いが、40歳が美容整形で20歳代の外観に似せても、実年齢が25歳の女優にはかなわないだろう。
しかし、多くの映画女優は同じ世代の一般女性よりも“美しい”という外見的な要因でスター女優という道が開けたのだから、“美しい”が無くなった時点でニーズが無くなってしまうのはある意味当然のことである。

それでも、この映画にも出てくるシャーロット・ランプリングやヴァネッサ・レッドグレイヴを見ていると年齢相応の美しさや演技力で40歳以上のキャリアを築いている女優たちもいることがわかる。

この点については当時44歳のフランシス・マクドーマンドが「10年後の54歳の役が来た時に54歳に見える女優がいなかったら、自分が54のいい役を独り占めできる」と言ってるのが印象的で、実際彼女は60歳を過ぎてから「スリー・ビルボード」「ノマランド」と2回もオスカーを受賞している。



他にもシャロン・ストーンやウーピー・ゴールドバーグ、グウィネス・パルトローなどの話がおもしろかった。もっとも多くを語っていたジェーン・フォンダは意外にも内容が教科書的で印象に残らなかった。


それ以外の多くの女優たちが数人集まって話をする場面は、グチ大会になってしまい、ここが一番面白いが、映画としては内容もダラダラした印象で編集も雑、ロザンナ・アークエット自身は監督の才能がないと思う。
皮肉なことに、評判になったこの映画の後の彼女のキャリアは監督としても女優としても、いい仕事をしていない。

彼女の女優としてのピークは1980年代で「ベイビー・イッツ・ユー(1983)」「シルバラード(1985)」「アフター・アワーズ(1985)」「マドンナのスーザンを探して(1985)」「800万の死にざま(1986)」「ニューヨーク・ストーリー(1989)」と面白い作品が目白押しだった。

デブラ・ウィンガーは同じ頃に活躍していた演技派女優であり、1982年の「愛と青春の旅立ち」でリチャード・ギアの相手役としてアカデミー主演女優賞ノミネート、翌1983年の「愛と追憶の日々」でアカデミー主演女優賞に再度ノミネート、その後、コスタ=ガヴラス監督の「背信の日々(1988)」、ベルナルド・ベルトルッチ監督の「シェリタリング・スカイ(1990)」と一流監督との仕事が続き、1993年、「永遠の愛に生きて」で三度目のアカデミー主演女優賞にノミネートされるが、1995年頃からプッツリと消息を聞かなくなった。
不祥事や病気があったわけではなく、キャリアの絶頂期にいつの間にかフェードアウトしていった感じだった。

当然、同時期に活躍していた女優としてロザーナ・アークエットにとってデブラ・ウィンガーは気になる存在だっただろう。


このドキュメンタリーはデブラ・ウィンガーだけを直接追いかけるのではなく、多くの女優たちの仕事やプライベートの悩みや考え方をインタビューで明らかにすることによって、デブラ・ウィンガーの引退の真相に迫っていく構成になっていて、後半にデブラ・ウィンガー本人へのインタビューがある。
デブラ・ウィンガーはハッキリと物を言う女優として、時には製作者と対立しながら自己主張を貫いて仕事をしてきたが、ある時期から仕事と私生活の両立に疲れ彼女は自分から映画界を去った。
この映画のテーマである肝心のデブラ・ウィンガーのインタビューはあまり面白くない。様々なレビューでもデブラ・ウィンガーのインタビュー部分には言及していないことが多い(苦笑)。
後半の山場のジェーン・フォンダやデブラ・ウィンガーのインタビューがあまり面白くないのが自分としては低評価。


この映画の公開から20年の月日が過ぎて、最も大きな社会的変化はインターネットやSNSの普及だろう。
今や日本では、結婚して子供を持ったタレントはブログやYOU TUBEで私生活を切り売りするママタレとして大金を稼ぎ、女優や歌手としての技術を磨く必要がなくなった。
中には現役時代に無名に近く忘れられた存在だったタレントが炎上商法で注目を浴びている状況もあって、もはや俳優としての演技力を高めるというプロフェッショナルな欲求と家庭の両立で悩むタレントはごく一部になってしまった。


TUTAYA DISCASのレンタルで鑑賞。
インタビューが多いドキュメンタリーは字幕を追うのがきついので吹替で鑑賞。
kazu

kazuの感想・評価

4.0
女優も皆、性差別で悩んでいたんだな。結構、男優やプロデューサーの容姿の悪口も言っているが。皆、真面目で仕事が好きなんだな。今は昔より確実に改善して来ているような気がする。
jun

junの感想・評価

3.7
ロザンナ・アークエットにはコケティッシュなイメージを抱いていたのでこういう作品を撮ったのが意外な気がしたのと同時に素敵だなと思った。出てくる女優陣がとにかく豪華でほぼ知っているスターしか出てこないし彼女たちが演技を離れて素で話している姿を見るだけでも非常に楽しい。
No.3389

『公開から20年、ハリウッドも日本映画界も"アップデート"されたのか』

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ロザンナ・アークエットの監督作。

40代で引退したデブラ・ウィンガー(その後復帰)など30名以上の女優たちに、

『女優と家庭の両立』『ハリウッドにおける女優の地位』などについてインタビューしている。

特に印象に残ったのは、3度のオスカーに輝くフランシス・マクドーマンドが、自然な加齢を重視した以下の言葉。

『女優は整形手術に走ってはいけない。10年後、54歳の女の映画が必要になって、54に見える女優がいなかったら大変(当時マクドーマンドは44歳)』

『だから、今を耐えれば(整形などせずに、自然な加齢に任せたままでいれば)後で一人勝ち、54のいい女優が要る時に独り占め』と。

現在マクドーマンドは64歳。『ノマドランド』での彼女の「ナチュラルな存在感、ナチュラルな演技」を見れば、

まさに20年前のこの言葉通りである。

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公開から20年経つが、インタビューを受けた多くの女優が現在でも活躍しており嬉しい反面、

業界内の様々なハラスメント・搾取によって、俳優業から退かなければならなかった人たちもまた多くいたのかもしれないと思うと、やり切れない感じがする。

ワインスタインの性加害報道を発端にMeToo運動が沸き上がるのは、この映画の公開から15年後、2017年からである。
wakana

wakanaの感想・評価

4.0
SEACHING FOR Debra Winger


【先行初日】
【舞台挨拶】
ロザンナ・アークエット監督

「パッション(情念)がないと朝が来ても起きられない」と映画の中でもカリトン・カートリッジが言ってたけど…早起きして行って良かったです。
ロザンナが、初回上映の後に舞台挨拶。なんと、その後にパンフレットにサインもらえちゃいました。Lucky❣️
ドキドキしちゃいました。

ロザンナ・アークエットがハリウッド女優34人にインタビューした初監督作品。

メグ・ライアン、ホリー・ハンター、ウーピー、ダイアン・レイン、『フリーダ』のサルマ・ハエック、グウィネス、シャロン・ストーンらにシャーロット・ランプリングやヴァネッサ・レッドグレープまで!

もちろん、妹のパトリシアも。
インタビュー中心の割には全く飽きずに観られた。

さすがに、ウーピーのインタビューは笑わせてくれました!


ゲストで来てた白石美帆さんも1mくらいの至近距離で見られたし♫(遠目だと普通っぽいなあと思ったけど、近くだとやっぱ綺麗!)

ロザンナ・アークエットは、リュック・ベッソン監督『グラン・ブルー』、タランティーノ監督『パルプ・フィクション』、D・クローネンバーグ監督『クラッシュ』に出演。DAVID BOWIEさんとは『ニューヨーク恋泥棒』で共演。TOTOのヒット曲「Rosanna」は彼女に捧げられたものとか。

妹のパトリシアは『トゥルー・ロマンス』でブレイク、『ロスト・ハイウェイ』『スティグマータ 聖痕』などに出演しているので、ご存じの方も多いでしょう。

舞台挨拶の際にロザンナ監督が言ってたけれど、出演交渉は自分が電話でお願いしたそう。

みんな知ってる人ばかりだから、快く直ぐにO.K.してくれたとか。
錚々たるメンバーのハリウッド女優たちが『女優としての人生』についてのインタビューに応えるというドキュメンタリー映画
監督はロザンナ・アークェット
映像的にものすごい低予算な作品

『家庭と仕事』とか『加齢』とかについて自分の考えを話したり、議論したりする
あまりに大勢の女優が出演しているから誰が言ったか忘れたけど『映画会社の重役たちはキャスティング会議にあたり、枕営業してくれる女優が誰かで盛り上がってる』みたいな事とかを言ってたと思う
これ20年くらい前の映画なんだけど、今まさに議論されていることがここで取り上げられてた

そうは感じてなかったけれど、俯瞰して見れば時代ってシームレスに繋がってるものなんだなと感じる

この映画にはなんかちょいちょい言いたいことがあるけど、うまいこと言えないな〜
とにかく出演者が信じられないくらい豪華なので、一見の価値はあるのでは

エンドクレジットでの鏡にルージュを引くアイデアがキュート
流離

流離の感想・評価

3.8
興味深い作品でした。公開時は単館上映だったか、ごく少ない上映館で観に行くことができず、DVDが発売された直後に購入。

確かに、脚本とかカメラワークとか、これでいいのかっていう点も多いですが、監督が同じ「女優」だったから、というので撮れた作品なんだろうな、と感じました。30代からの女優には役がない、というのは現実味がありましたね。まさにメグ・ライアンさんなんか、当時そのまっただ中だったでしょうか。男性や、その年齢に達する前の女性には、単なる「愚痴」になるのかな? そこを通り過ぎた私には「行く道だよ」と思うところも(苦笑)
登場する女優さんがバラエティに富んでいて、個人的には「この女優さんはあの映画のあの役の人だ!」っていう面白さもありました。発売直後でDVD高いなぁと思いましたが、十分楽しみました。
kiku

kikuの感想・評価

3.9
これ、おもしろいんだよ。だいぶ前に見たので、また見返したいなあ。アークエット姉妹、好き。
tone1

tone1の感想・評価

4.0
女として、妻として、母として葛藤する女性の話。
輝かしいハリウッド女優でも、一般女性と同じような悩みを抱えていることが分かった。
har

harの感想・評価

4.3
ドキュメンタリーとしてよく出来ているとは言えないのだけど、ずっと心に残ってる。多分心の支えの一つ。

「ピアノレッスンの時手紙をくれた有名人はあなただけだった」ってパトリシアに言うホリーハンター、まじですかあの名演で?とか。些細なことをよく覚えてる。
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