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『フリーク・オルランド』に投稿された感想・評価

4.2
 今回のウルリケ・オッティンガー映画祭の3本の中で一番難解なのが今作。さっぱり訳が分からないと思ったら、その後トークショーで出て来た斉藤綾子先生も久しぶりに観てもさっぱり訳が分からなかったと笑いながら話していた。敬愛して止まないヴァージニア・ウルフの『オーランド―』を大胆に翻案する試みは、オッティンガーの愛して止まないオーランダーがバロック時代から現代までの5つの時代を往来する姿を闊達に描写する。生命樹の女神が乞食に母乳を与え、蘇らせるプロセスはおそらく人間の誕生なのだが、レズビアンを公言するオッティンガーは喜ぶべき生命の誕生とその後の受難とを同時に素描し、キャラクターをフリーク・シティに解き放つのだ。1章目は近未来的なフリーク・シティを追放され、野に放たれる女の話なのだがまぁ小人たちとの靴作りのロングショット長回しの絵画的な構図が心底とち狂っていた。ガラスのドアや窓はおそらくベルリンの「壁」のメタファーで、必ずカラフルな塗料で不気味に汚されて行く。2章では2つの頭を持った引き裂かれたオペラ歌手がその声量を披露するのだがこれがまたグロテスクで、何とも形容しようがない唖然とするようなフリークぶりを見せつけるのだ。小人のガリが描いたスケッチに写る自画像はオーランダーそのもので、何かしら運命づけられたオーランダーは3章以降、爆発的な飛躍を遂げるのだ。

 今作には図らずも日本で言うところの70年代の新宿のアングラ演劇やATG映画の実験作品と親和性が存分に感じられる。トッド・ブラウニングの傑作『フリークス』 には実際の奇形の人々が多数登場したが今作も例外ではない。おそらくデヴィッド・リンチが『ツインピークス』で拝借したであろう小人症のおじさんがワインレッドのカーテンを開ける印象的な描写が見られた『アル中女の肖像』を拡大するように、ここでは小人たちはオーランダーに引き寄せられる守り人及び靴職人として登場する。心底狂っていると思うが、どこにもまともな人々が出て来ない異形の人々の世界をオッティンガーは5つの世界で緻密に描写する。オーランダーはドイツ語読みでオルランド(マグダレーナ・モンテツマ)と修正されるが、ヘレナ・ミュラー(デルフィーヌ・セリッグ)とヘルベルト・ゼウス(アルベルト・ハインス)もまた、同じ5つの時代をオルランダーと並走せんとする。この二次創作を通り越した奇妙に錯乱した妄想世界がオッティンガーの基盤を成すのは間違いない。4章ではサーカスの見世物小屋の一員となったオルランダーが双子の姉妹の薫陶を受けるのだが、彼女はここでは究極の二者択一を迫られる。この場面では巧妙にジェンダー的垣根が取り払われ、もはや男と女の垣根を越えたオルランダーが『フリークス』のような最期を迎える。ラストの5章目は全ての異形の人々が解き放たれ、阿鼻叫喚のキッチュな地獄絵図を繰り広げる。ここで行われるあまりにも気持ち悪いクリシェや嘔吐寸前のユーモアは、男どもの行進の音が持つ無意識的な恐怖や生命の誕生を成していた生命樹の女神の親和性ですら呆気なくぶち壊す。非常に難解ながら、他の2本を観た人はこれも観ておいて損はない。
3.6
ヴァージニア・ウルフ「オーランド」をオッティンガーなりの解釈で派手に映像化しているが、章ごとに分かれていても、肝心の構成が素っ頓狂のオンパレードだから意識しても仕方ないかな。(というか私はできなかった)

同性愛、小人、キッパを被った男。双頭女、オペラを歌うジェンダーレスなキリスト、軍靴の音から連想されるナチスの残像、シャム双生児との結婚と殺害。かつての第三帝国の優生思想による迫害は凄惨なものだったのだろう。この亡霊のような登場人物たちは、あからさまではあるが、記号化されて描かれていおり、日本でいうところの赤テントの状況劇場や丸尾末広の劇画の世界観と同様にキッチュ(kitsch)のお手本である。

ビニールの擦れあう音や、軍靴の音、人工物と自然が重なり合う音、後半から音に対する監督の特別なこだわりが薄くなってしまったようだ。高解像度の再スキャンからの画質補正よりも音響面でもう少し立体感のある解像度に調整をしたかった気もするが。

やはり本場ドイツらしいなと感じたのは、エンドクレジットなどに使用されていた書体はフーツラ(FUTURA)が綺麗に配置されて美しく使用されていた事である。
ドイツでいう未来(Future)という意味でもあるが、Fritz Weichert フリッツ・ヴァイヒェルトからの由来という説もある。

一般的にどのようにこのフォントが使われているのかといえば、有名どころではヴィトンやフォルクスワーゲンのロゴをイメージしていただければお分かり頂けるのではないだろう。(日本では過去にアイドルグループSMAPのブランディング戦略として使用)

周辺の噂で、このフォントはナチスをイメージさせるという話はあるが、これは都市伝説である。当時の保守派はフラクトゥール系を使ったポスターを推奨して宣伝をしていたので、基本形にもとづいた見やすさと機能美を追求していたドイツ生まれのフーツラ書体ではあったが、戦時中は排他的な扱いで攻撃の対象となっていた。実際に作者であるパウル・レナーはナチスから目の敵にされていたバウハウスで教鞭をとっていた関係もあり、共産主義者という言いがかりで逮捕されて祖国を追われることとなる。(写植時代の先輩はフツーラと仰っていた。)

本題に戻るが、後半のコンペティションが中心の章はB&Bが司会をしていた「勝ち抜きブス合戦」というバラエティ番組と似ていたが、発表時期が同じ時期なのでオリジナルがどちらなのか知りたいところ。冗談はさておき、通りがかりの男の優勝は元から仕組まれており、この筋書きのある出来レースは、ホロコーストにおける約束された死が保証されたゲームのパロディである。

評論家の解説も時代考証とドイツロマン主義の系譜からレトリックで紐解いていくのが精一杯という感じもするが、純正のゲルマン系ではない彼女の出自からみれば、両親に対してアンビバレントな感情があり、無意識に現実を受け入れられなかったことや、戦時中の原体験を視覚芸術として昇華してきたのだろう。この映画からキリスト教以降の父権性と母権性の対立からフェミニズムの原型を汲みとることはできるが、やはり表現手法は奇異であり、ジェンダー論が色眼鏡としてみらてしまう点も危惧している。

〈ウルリケ・オッティンガー ベルリン三部作〉
[ユーロスペース 13:00〜]
菩薩
4.4
さっぱり意味が分からない、あらすじを読んでも尚のこと分からないがめちゃくちゃ面白かった。これはもうこの時代のドイツ文化の特異性をそのまま具現化したものとして感覚で捉えるべきではないか、音楽にしてもそうだが狂ってやがる。圧倒的なビジュアル的暴力と共にフリークシティの中で軽やかな時間旅行が行われる。とは言え台詞があって説明される様な映画ではないから、とりあえずなんか知らん人達がずっと訳分からん事をわちゃわちゃとやってる、の状態が2時間続き、性別は勿論のこと何もかもが超越されていく。『フリークス』同様の批判はされて然るべきであろうが、受け入れられない人からしたらそれが単なる地獄ツアーになり、そうでない人からしたら人生は祭りだ的な2時間になる、たぶんそんな感じで別れるであろう映画。後2本も楽しみに観るけど、こんな感じが続くのであれば私は無事発狂すると思う。たぶんだけどNDW好きな人は好き、個人的感覚ではホルガー・ヒラーが近い。

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