市川崑物語の作品情報・感想・評価

市川崑物語2006年製作の映画)

製作国:

上映時間:95分

ジャンル:

3.5

「市川崑物語」に投稿された感想・評価

TAYA

TAYAの感想・評価

-
ナレーションの代わりに黒みにテロップと、やる気ない手法だなと思っていたが、言葉の選び方とテロップの間の取り方に思わず胸がジーンとしてしまった。
アニメから入ったとは!
というか、あの手法は好き。

連子格子(あぁ、これで字は合っているのか?)
やたら気になるキーワード。

と、脊椎カリエスと太宰ねw

角川映画はたぶん全部観てる。半分はテレビだけど。

ビルマの竪琴って2回撮ってたんだ!水島帰ってこーいは家族で観に行った思い出の作品。

しかし、女優陣は勿論のこと仲代達矢も船越英二も美しいねぇ。
正直なところ全体の5割以上が字なのはドキュメンタリーの作りとして随分ニッチな気がした(字幕には味わいがあってよかったが)。
それでもこういう作り手のことを知れるドキュメンタリーというのはやはりいいものだ。

妻であり脚本家の和田夏十さんとの死別が語られたあと。
『映画監督は、それでも映画を撮り続ける』
別に凄いエピソードであるとかそういう訳ではない。
なのになぜか泣けてくる。
それは語り部である岩井俊二がどれだけ市川崑を尊敬していたかが字幕に反映されていたかのようでもあった。

また後半、岩井俊二が市川崑と対面するところ。

『世界で1番話の合う人に出会ってしまった。 いや、違う。 彼は、僕のオリジナル。 僕は彼からあまりに多くのものを学んでしまった。 そんな人と話をするだなんて。鳥肌』
羨ましい。
創作者の端くれである自分からすればあまりに羨ましい。

何にしても、市川崑の作品がもっと見たくなった。

このレビューはネタバレを含みます

 

自宅(CS放送)にて鑑賞。巨匠の人となりを作品を絡め振り返るドキュメント。テロップで解説する手法は市川崑っぽい構成だが、鉤型のテロップに代表される独特の作風や手法等は、具体的に何がどう特徴的なのか故意に説明が無い。初対面の際、目の前にいるこの人は僕のオリジナルと云い切る岩井俊二監督の潔さに最大限の敬意と畏敬の念を感じる。最晩年の作『犬神家の一族('05)』のオープニング・タイトルをほぼノーカットで流し、撮影現場をインサートするあざとさは正に市川崑らしい演出。掛け声で終えるラストも後味が佳い。60/100点。

・劇場公開時のみ許可されたフィルムがあり、約一分程度割愛している箇所が有ると放映の前にあったが、どこがカットされていたのか、全く気付かなかった。

・画面を六分割・八分割に区切り、アップになった役者の表情のみで心理描写をしたり、科白を被せ極端に速いカットバックを繰り返す手法等、該当箇所の映像のみを紹介するだけでテロップ解説は無かった。他にも写し出される数々の作品の光が回った独特なライティングについての説明はされていない。亦、横溝正史の所謂“金田一耕助シリーズ”の作品群に触れる際は、犯人をサラッと紹介するネタバレをしている。

・晩年、市川は横溝正史の所謂“金田一もの”の新作の企画を温めていた。本作で岩井との共同監督の話題が出て来るが、候補として挙がっていたのは、『本陣殺人事件』だと思われる。残念乍らこの共同監督の企画は立ち消えになってしまった。岩井の作品を観た後、その作風を逆光の人だネと評したと本篇で紹介されており、老いて猶、鋭い眼光を示すエピソ-ドとなっている。

・何度目かの鑑賞になるが、飽きさせない作りで、市川崑監督作を観たくなってしまうドキュメンタリーとしても良作。市川崑を誰かに訊かれたら、本作を薦める事にする。

・鑑賞日:2016年3月12日

 
堊

堊の感想・評価

4.5
最高。映画はドキュメンタリーどころかもはや岩井俊二のプライペートフィルムなのだがそれが素晴らしい。『映画史』のようにジャキジャキにカットしてあるのもMV感覚で最高。まさかリメイク版の犬神家でギャン泣きしそうになるとは。
当然のことながら夏十の写真がどれも美しい。
あな

あなの感想・評価

3.0
まさか映画のほとんどが文字で語られているなんて思ってもみなかった。映像資料が無かったのだろうか。それならわざわざこんな作品を作らなくてもいいような気がする。公開当時のリアルタイムで劇場へ観に行った観客は一体どんな感想をもっただろうか、同情する、。けど別につまらなかったわけではない。個人的に市川菎という映画監督に対して興味があったので、彼がどういう生涯を歩んできて、どんな作品を撮ってきたのかを軸に描かれる語り口は分かりやすかったし、自分がこの作品に対して一番求めていたので観てよかったと思う。実はというと市川菎監督の作品は「犬神家の一族」(2006年版)と「悪魔の手毬唄」ぐらいしか観たことがない。最近になっていつか観てみたいなぁという風には思っていたが、今作を観て、その思いが一層強くなった。だから近いうちにどの作品か手をつけてみようと思う。
今作は僕みたいな市川菎監督のことをあまり知らないけど、興味はあるみたいな人に丁度いい作品だと思う。全く興味のない人は多分途中で寝てしまうと思う。

このレビューはネタバレを含みます

 市川崑監督の生涯を描いた岩井俊二監督のドキュメンタリ。

 写真をベースに淡々と市川崑監督の生い立ちを描いていきます。ずっと字幕が出てきて、それが客観的なものなのかと思いきや、完全に岩井俊二監督の主観の字幕なのがわかってきます。これが果たして市川崑監督の物凄さが伝わるかどうかは微妙で、いち映画ファンがこっちの気持ちも考えずにひたすら喋っているのをずっと見せられているような気持ちになりました。

 ボクが見ていて面白かったのは、犬神家の一族とかの映像で物凄いカッティングで話をする登場人物たちの映像で、その映像1つで市川崑監督の凄さがわかるもので、そういった映像とかをもっと見たかったです。市川崑論としての映画を見たかったです。「照明について語り合った」とかの字幕は出るけどその詳細が出なかったり、「ボクが脚本を書く予定だった」とか市川崑監督岩井俊二監督の企画の映画があったとか、そういう情報が果たして何の意味があるのだろうか。とか冷たい視線で見てしまいました。

 それに後半の金田一シリーズの紹介になると完全に犯人をガンガンに紹介されていくので、また見ていない人にとっては微妙な気持ちにさせてくれる字幕でした。金田一シリーズが犯人捜しをメインにしているのではないシリーズなら無問題でしょうが、少なくともミステリー物の映画の根幹の部分を壊しちゃっていないのか心配になりました。
タイトルとジャケットが犬神家の一族のタイトルのレイアウトと一緒で良かった。映画っぽくはないけど、市川崑の映画を全て観てから岩井俊二の言葉でふりかえるために出直したい
リメイク版「犬神家の一族」と併せて公開されたドキュメンタリー。

序盤はスチールと字幕で展開し、後半になって市川崑作品の映像が出てくる。
神山健治が以前「ダ・ヴィンチ」の連載で指摘していたが、岩井作品は視点の変化が重要な要素だと言う。本作では市川崑→妻の和田夏十→岩井俊二という形だ。極端に言うと、途中で「市川崑物語」から「岩井俊二物語」に変貌するということ。

この構成でふと思い出したのが、市川崑「映画女優」だ。田中絹代の半生を描いた映画。この映画、ナレーションと絹代の独白が交差する。ナレーションは映画史を説明し、絹代の個人的な体験は独白という形式。この2つの語りが交差するので、日本映画史内の田中絹代という図式によって描かれていた。
しかし後半、溝口健二(劇中では溝内)と絹代の出逢いからナレーションは消え、絹代の独白のみになる。つまり後半は絹代の主観が起点になっていく。
これが視点の変化の元になっているというのは、穿ち過ぎ?

このレビューはネタバレを含みます

正直なところ全体の5割以上が字なのはドキュメンタリーの作りとして随分ニッチな気がした(字幕には味わいがあってよかったが)。
それでもこういう作り手のことを知れるドキュメンタリーというのはやはりいいものだ。

妻であり脚本家の和田夏十さんとの死別が語られたあと。
『映画監督は、それでも映画を撮り続ける』
別に凄いエピソードであるとかそういう訳ではない。
なのになぜか泣けてくる。
それは語り部である岩井俊二がどれだけ市川崑を尊敬していたかが字幕に反映されていたかのようでもあった。

また後半、岩井俊二が市川崑と対面するところ。

『世界で1番話の合う人に出会ってしまった。 いや、違う。 彼は、僕のオリジナル。 僕は彼からあまりに多くのものを学んでしまった。 そんな人と話をするだなんて。鳥肌』
羨ましい。
創作者の端くれである自分からすればあまりに羨ましい。

何にしても、市川崑の作品がもっと見たくなった。
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