探偵マイク・ハマー/俺が掟だ!の作品情報・感想・評価

「探偵マイク・ハマー/俺が掟だ!」に投稿された感想・評価

ラリー・コーエン脚本。
アーマンド・アサンテ演じるニューヨークの探偵マイク・ハマーは、ヴェトナム戦争での戦友ジャックを殺され、調査に乗り出すが・・・という話。

B級アクション。オープニングからダサカッコイイ。ビル・コンティの音楽の大袈裟な感じがいい。

主役のマイク・ハマーがいけすかない。セックスセラピーの診療所を舞台にしたり、無理矢理にでもエロを盛り込んでいる。こんなにモザイクが多い探偵ものは初めて。セックスセラピーで乱交しているショットとそれを見ている主人公のショットを交互に映すシーンは、いったい何だこれみたいな気分にさせた。

ガソリンが無いから酒を燃料にしたカーチェイスと窓を突き破っての飛び降りが良かった。あといきなりの鉄板焼攻撃が印象に残る。
黒幕がCIAだけど、アジトがビニールハウスがあったりしてショボい。ストーリーもあまり気にしない方がいいかもしれない。
「小気味よいテンポの活劇とお色気の連打で魅せる傑作B級アクション」

妻の浮気調査依頼されたのに、調査対象と関係してしまうモラルレスな主人公が、殺された戦友の背後にある秘密組織と対決する。

ミッキー・スピーレンの原作は、発刊当時人気もあり自分も一時ハマって読破したので、割と思入れのある作品だか、他の映像化作品は本作とロバート・アルドリッチの怪作「キッスで殺せ」以外は目ぼしい作品がない印象。
「キッスで殺せ」も原作に忠実な前半部分の攻めた暴力描写に期待したが、中盤は少しダレる印象で何故かシュウシュウと熱と光りを放つ放射性物質の争奪戦になる展開には驚いたが。

音楽を担当したビル・コンティの美しくもノリの良い旋律とモノクロ写真を動画風にカットバックしたタイトルデザインとオープニングも目新しくて引き込まれる。

アクションやバイオレンスも程よくタイトに敷き詰められており、ガソリンの代わりにウイスキーで動かした車で逃走や防弾リムジンの爆走場面などのシチュエーションを凝らしたアクションに、サイコな変質者による殺人場面の凝った撮影などもちょっとした工夫があり良質な見せ場になっている。

お色気(死語)も本作の見せ場の一つで、主演のバーバラ・カレラのラブシーンでのヌードを披露する見せ場や当時のポルノ女優さんの出演している乱行もどきのED治療場面なども公開版では、ボカシなどが入りドキリとしたが、海外版ソフトなどで見る限りとても大人しく当時の映倫の行ないは過剰だと思う。

タフガイ探偵と有能な秘書の絆もクールで、マイク・ハマー役のアーマンド・アサンテは、昼メロのプレイボーイみたいな風貌のタフガイを好演。猪突猛進なところがいい。

なんといっても白眉なのは、秘書のヴェルダ役のローレン・ランドンが、最高である。
原作とは違う金髪だけど、ハマーを慕いサポートしながら、拳銃をガンガン撃ち、サイコ野郎にウリウリされながらも気丈に振る舞う有能な女性がハマり役。
そういえば、ローレン・ランドンが主演した作品は、この映画と巨匠ロバート・アルドリッチ監督の名作『カリフォルニア・ドールズ』が有名だが、今の視点で再見すると早すぎたフェミニズムを謳うアクション映画『ハンドラ』の主役である剣闘士もカッコよくて魅力的だった。

悪女役のバーバラ・カレラも70年代後半から80年代前半にかけてどちらかというとジャンル映画でエキゾチックな美しくを発散して、人気のあった人だったと記憶している。個人的には、『エンブリオ』とか『ドクター・モローの島』などの怪奇SFでの悲劇的な最後がトラウマ。
そういえば、漫画家の新谷かおるも好きな女優の一人として挙げていた。「エリア88」の後期に仲間になる元傭兵パイロットのセラ(セイレーン・バルナック)のモデルは多分彼女だと思う。

脚本のラリー・コーエンも『悪魔の赤ちゃん』や『マニアック・コップ』などのホラーやミステリーサスペンションなどのB級ジャンル映画で良作が多いが個人的には、この本作と未公開の傑作『殺しのベストセラー』(ジョン・フリン監督作!)とチョイと落ちるが、監督脚本も兼ねた探偵アクションの「殺しのイリュージョン』などが面白い。シドニー・ルメット監督作の『ギルティ』とかも。

撮影のアンドリュー・ラザローもちょっとしたカットに凝ったところが有り、この後に『ランボー』や『ストリート・オブ・ファイヤー』などの良作を担当している。

監督のリチャード・T・ヘフロンは、テレビドラマも多く手掛ける職人だが、アクション物で手腕を発揮する印象で、ジェームズ・ミッチャム主演で、妹を探しに都会に来たカーボーイが、売春組織を相手に妹の復讐するアクション映画『トラック・ダウン』でキレのいい演出と工夫を凝らしたアクションで一部映画ファンに注意されていたけど、今回もアクションとエロの見せ場をテンポ良く繋ぎ、上出来なB級アクションとして魅せてくれる。

そういえば、『トラック・ダウン』は、今や日本映画の名匠黒沢清も影響を受けた作品として語っていた。

原作を現代的に改変して見せ場と小気味よいテンポの活劇やお色気の連打で魅せつつ原作に準じた結末のラストも見事で、B級アクション。こうあれと思うベストムービーで傑作の一本です。

[ちなみに自分的なB級作品の定義は、階級や侮蔑ではなく、低予算や量産ジャンルの中でも、真摯に観客へのサービスに優れた作品を示す意味で使ってます。]
Luciandead

Luciandeadの感想・評価

5.0
海外盤Blu-rayにて。もうファーストカットからキマりすぎ。カッコイイ!。最高!超大好き!。
アクションが豊富でむちゃ楽しい。主人公がすごい無鉄砲なのに謎の安心感がある。秘書との関係が羨ましい。
堊

堊の感想・評価

4.2
超面白い。絶対に全部面白いことやるぞ!っていう気合い。オープニングが『カウボーイビバップ』だったけどサントラがまんまシートベルツでブチ上がった。延々ベースソロをバックのカーチェイス。なんなら企画書とかで名指しされてそう。乱行現場だから喘ぎ声で悲鳴が聞こえない、作動しまくる弾着に紛れてほんとうの弾丸が見えない、酒で動く車……。ラストがオールタイムベストの岡本喜八の『殺人狂時代』と同じで感動した。すっとぼけてむちゃくちゃなのが桔梗信治と同じでルパンっぽいね。
助手に髭を剃ってもらってるショットが良すぎる。ていうか助手まじでキュート。ほとんどピノコとブラックジャックみたい。
超絶におもしろい。『私立探偵濱マイク』のタイトルの由来はコレか!
全アクションシーンが惚れ惚れする仕掛けの連続。ラストの相棒の義手のプレゼントは青山真治『Helpless』か?
なんとなく見始めたら偶然にも死亡のニュースが飛び込んできたラリー・コーエンの脚本作品

製作は82年みたいだがテイストは70年代的はちゃめちゃB級ハードボイルド作品
CGなどない時代の人の手によるど派手なアクションとエロいシーンのてんこ盛りで、一言で言えばサイコ〜!

同業者でベトナム戦争時代からの親友が何者かに殺されたことから探偵マイク・ハマーが真相解明に乗り出すが、調べを進めるうちに命を狙われたり、妖しげなセクシャルセラピーの診療所が出てきたり…
途中、話の筋が見えてこないのはハードボイルド探偵モノの定番で、そもそもハメットやチャンドラー、そしてこのミッキー・スピレーンも原作からしてそうなのだから、それはそういうものとして最後まで付き合おう

おまけとしてバーバラ・カレラの全裸も付いてくる
R.I.P. Larry Cohen

瞬時に殺し屋へと変貌する日本料理屋の店員が素晴らしい

劇伴がカッチョ良すぎる
JackBurton

JackBurtonの感想・評価

5.0
探偵がベトナム帰りっていう設定がまず最高!
グレーのスーツにたまにミリタリージャケットなんて姿がイカしてる。
防虫剤と酒で無理矢理動かした車でのカーチェイスやロメロの屋敷での銃撃戦など見せ場も多い!
ベトナム帰還兵ものはやっぱり戦友との友情が強く描かれてる。
ビルコンティのスコアも痺れるほど格好いい。
ピーターセラフィノウィッツ辺り似てる俳優で主演で続編撮ってくれないだろうか…(設定はそのままで)

ビルコンティのスコアはテーマ曲からハイテンションかつクールなジャズ!大好きな曲ばかり。
何かと二本立てで観た。
まったくのノーマークで観たから、このカッコ良さには、ビックリした覚えがある。
A・アサンテが見事なくらいハマってた。
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