熱い賭けの作品情報・感想・評価

「熱い賭け」に投稿された感想・評価

バイオレンスなジェームズ・カーンと『ヘカテ』のヤラシイ美人な人が出てるだけで嬉しい。とゆうかチョー面白い。
シスコ

シスコの感想・評価

3.5
1978年10月
大塚名画座にて鑑賞。
ジェ−ムズカ−ン熱演映画!

このレビューはネタバレを含みます

金貸しの息子でプロのピアニスト志望のハーヴェイ・カイテルが肩に担いだラジカセでポップソングを大音量で流しながらマフィアを巡る暴力沙汰に巻き込まれてゆく異色作『マッド・フィンガー』の監督として一部では名を知られているジェイムズ・トバック脚本による賭博映画の傑作。
 大学の文学講師として、ドストエフスキーを教えるアクセルは、ある時からツキに見放され、多額の借金を抱えることになる。彼は、医師をしている母へ金の無心をする。そして、大いに怒られた後で何とか工面してもらえたのであった。
 ふつうの人間であればここで、男はギャンブルに懲りて話は終わる。だが、彼は勝負に憑かれた男で、彼の部屋の壁に貼られたポスターのモハメド・アリのように何度でも立ち上がる困り者であった。
 そして、母から折角借りたあの大金を、そのまますぐに大学バスケットボールの試合の賭けへと回してしまうのである。

 地位も名誉も欲しいままにし、十分充実している幸福な男が、すべてを擲ってでも手にしたかったものは一体何か?
 それはイズム、つまり彼の文学理論上の問題なのだ。
 アクセルがやろうとしたことは、失敗やリスクを恐れること、その人間心理への挑戦だったのだろう。だからこそ安全な賭けは決して選ばない。危険な、大きな勝負をしているスリルを味わい、生きているという感覚を確かめるのだ。
 まさに、ドストエフスキーの『賭博者』に登場する、あの「ゼロだよ、ゼロにかけるんだ」と頑なに大きな賭けに挑戦し続ける老婆の如く、危険な賭けをし続けるという恐ろしい理論なのである。
 しかし、彼は一度勝利の甘い汁を十分に吸った後で、まさに悪夢のような大敗を喫する。それは、もはや全身の毛穴から脂汗が出て、顔色が青緑に変色し、胃が悪くなるような、なんとも惨めな様であり、しまいにはアクセルは借金とりに怪しい場所へと連れ去られてしまうのであった。

 自分の理論を頑なに信じ続ける者は、その理論に裏切られ、家族に見放され、身が破滅しても、なおもそれに賭けるしかない。
 終盤のアクセルに与えられた最後のチャンスはひょんなことから彼の教え子に託されるのだが、その場面の手に汗握るスリルが凄い。

 だが、この映画が凄いのは、その賭けの勝敗ではなく、その後のアクセルが自らの賭けに対する情熱や理論を完全に喪失し、消耗しきってしまうことにある。
 ラストのやけっぱちになった彼が、◯◯へ行って、まさに身をもって生きている感覚確かめる衝撃的な場面。この展開があるからこそ、この映画は、凡百の映画を超えて、深く考えさせられる大変な傑作になることができたのではないだろうか。
spacegomi

spacegomiの感想・評価

4.1
勝とうが負けようが、親類にどれだけ迷惑をかけようが、ギャンブルだけが実存を得られる拠り所であった英文学の大学教授。ドストエフスキーの引用もあるように、文学とギャンブルの精神性の近さは言わずもがな。彼にとってギャンブルで勝つことに悦びを感じられなくなったその瞬間が、生まれ変わりの儀式を迫られるとき。彼の行き着く先、決断は70年代特有の単なる破壊衝動などでは決してなくて、実存を得られない現代人にとっても強く訴える普遍性がある。

ところでインタラクティブな講義の様子がとても眩しい。あんな授業受けてみたかった。
ラストに、ハーレムですったもんだする場面があまりにも破滅的で感動する。狂ってる。

このレビューはネタバレを含みます

 ダブルジェームズの賭け

1977年、製作ロバートチャートフ、アーウィンウィンクラー。脚本ジェームストバック。監督カレルライス


うちのビデオ屋でもうすぐ撤去されるであろうビデオ作品を見てみようシリーズ

VHS二週間レンタル 86円コースでございます。

今回久々の大好きな得意分野アメリカンニューシネマ期70年代作品

本作ビデオの裏ジャケットを見て

「ロッキー」シリーズやスコセッシ作品を製作したロバートチャートフ、アーウィンウィンクラーのダブル製作者コンビじゃなく

コッポラの困った雨の男のロードムービー「雨の中の女」主演のジェームズカーンじゃなく

私のお気に入り映画
モリーリングウォルド、ロバートダウニージュニア主演「ピックアップアーチスト」や

初監督作品で、その暗さ、その悪魔のピアノ手、ハーベイカイテル主演「マッドフィンガーズ」

これらを脚本監督した、脚本家のジェームズトバック作品だったからです。このジェームズトバック好きな人なんて日本で私ぐらいかなと。

CICビクタービデオ、パラマウント作品鑑賞となりました。



いやぁ、やっぱり70年代の作品って 好き、素晴らしい!すばらしい。

もう身も蓋もない、ラストですね!それが許されるから素晴らしいんですね!

人間のありのまま

ありのままのアメリカ、

不恰好で、

無様なアメリカ人

を魅せてくれるから大好き!ニューシネマの70年代!てな感じ。

アメリカンニューシネマ、まあ70年代後期なんでずれてますが、この男に女性陣は、無視軽蔑のキャラクターですよね。だらしないだけですから、、、。 

だけど男は、パチンコ、競馬、麻雀なと゛こりないギャンブル日常が今も脈絡とありますからね、シンパシー感じてしまうんです。まあギャンブル映画なんで成功or失敗しかないわけで、、、。

男のどうしょもない、しょったれ(だらしがない)姿丸出し映画なんですね。

物語は、
大学教師のジェームズカーン。ふらふらしながら、いっせき授業をかましながらも、ギャンブル好き。勿論大きなバクチにでますが、、、世の賭博者は、そうなる展望であとは、野となれ山となれ、石は転がり落ちていきます、、、。

ジェームズトバックは、「ピックアップアーチスト」

でも教師がバクチしてモリーを救い出しますが、

博打を物語のキーポイントに添えます。

そして依存 を必ず絡めます。 本作では、賭博にのめり込む哲学をとうとうと語り
とうとうスタスタと人生階段をゆっくり踏み外していきます。


劇中「2+2=5に なる」

という逸話をロシアの超ぶっちゃけ文豪、ドストエフスキーから引用します。写真もチラッと登場。

ジェームズトバックがドストエフスキーの「賭博者」がきっと好きなんでしょうね、それにインスパイアされた物語を紡いでいます。

ジェームズカーンは、飄々としながらも冷静にイライラしながら、賭博の渦に衝動極まります。

スコセッシの「グッドフェローズ」でギャングボスを演じたポールソルヴィーノが若い。とりたて屋になっています。

同じく「ロッキー」シリーズでも出てくるバートヤングも出演、とりたてていました。

ラストは、さながら予想つきそうな感じですが、 私が好きなニューシネマらしい 根暗オチ で忘れられない映画になりそうです!

いやぁ良かったなぁ、ジェームズトバックは、9作と寡作で消え失せてしまった作家ですが、私は大好きな根暗作家監督です!

これは○○ヤ良品発掘じゃないとソフト化しなそうな作品ですね。

大変 良かったです! 



さて
ジェームズトバックと ジェームズカーン、すなわち

ダブルジェームスの賭博者

ぜひ! ご覧ください。



追記
ドストエフスキーの「賭博者」も読んでみたいですね。また、本作のリメイクも進行中とか?!