深い河の作品情報・感想・評価

深い河1995年製作の映画)

製作国:

上映時間:130分

ジャンル:

3.3

「深い河」に投稿された感想・評価

籠

籠の感想・評価

3.9
カメラがもたらす悲劇によってラストで映し出される二度と再現出来ないであろう河での秋吉久美子を記憶した。そのカメラを操っていた「私をスキーに連れてって」で「とりあえず」と言ってシャッターを切っていた沖田浩之が亡くなる数年前の映画であり三船敏郎節が聞ける最後でもあった。
晩年まで海外ロケにも強い佐藤正之プロデューサーの偉大さを改めて認識した次第だがその妻は菅井きんだったことは今回まで気づいていなかった…
Jimmy09

Jimmy09の感想・評価

4.8
未見だった熊井啓監督作品、ようやくスクリーンで鑑賞。
雄大な風景の中、「人はどう或るべきか…」を描いたスケール大きくて、カラー映像が綺麗な傑作‼️

ロケ地も、インド・フランス・イスラエル・日本…と幅広く、ひたすら眼を見張るばかり…(^_^)
ほとんどが外国ロケで描かれ、出演も秋吉久美子・奥田瑛二・井川比佐志、そして三船敏郎、香川京子など。
今回は「三船敏郎特集」で上映されたが、香川京子の存在感が見事だった。

原作は遠藤周作。
なんと深いテーマ。
人生に空虚な想いを抱き続けている現代女性の「自分探しの旅」を描きながら、登場人物それぞれの人生も丁寧に描いた映画。

成瀬という女性(秋吉久美子)はインドツアーに参加した。成瀬は10年前、自由奔放な学生時代を送りながらも心に空しさを抱えていた。結婚してフランスに住むが、虚しさのためか離婚。そしてインドに何かを求めてやって来たのだった。

成瀬は学生時代にクリスチャンの大津(奥田瑛二)と出会い、誘惑して信仰を捨てさせた。「神とのゲームに勝った」ものの、心の空虚さを埋めることはできず、結局大津を捨てる。そして、いま彼女の乗ったバスは大津のいるベナレスに向け走っている…。

恐らく、こんな壮大で深淵な映画は二度と撮れないであろう。
熊井啓監督の代表作のひとつと言って良いと思う。

<映倫No.114401>
原作は遠藤周作だが、キリスト者の遠藤が輪廻転生を語るとは・・・汎神論的東洋的な神を認めていたのだろうか。熊井啓監督なので けれん味はないが 真っ直ぐな撮り方は好感が持てる。秋吉久美子が妙に艶かしい。
ISHU

ISHUの感想・評価

3.0
* 小説ほどの深さを表現するのはさすがに厳しいか。 
ラストの秋吉久美子の沐浴シーンがよい、のかなぁ。あの清々しく、歓喜あふれる表情を見せるところまではいいのだけれど、ちょっと無邪気すぎて違う気も。モノローグの迫力はすごかった。というより、モノローグだけ良かった。 
あと一点。大津さんがもうちょっと醜くないと。この小説のテーマのひとつはそこなのだから。
大好きな遠藤周作さんの小説の映画化。原作をずいぶん前に読んでいたので、いろんな意味で心配になりながらの観賞。
美津子役の秋吉久美子さんが素晴らしい!小説のイメージ通りで期待を遥かに越えていました。それ以外は…うーん…もう一回観てみようかな。新しい発見があるかもしれない。
Qちゃん

Qちゃんの感想・評価

3.8
原作の方は、高校3年の時に読んで以来、私の人生の1冊といえるものの1つ。生と死、創造と破壊、宗教の意義と意味、愛と救済、そして人生。この本には人間の様々な根本要素が詰まっている。これを読んでインドに強く興味が湧き、行きたいと思うようになった。

映画版もかなりよく、美津子がサリーを纏ってガンジス河で水浴びをするシーンでは、原作を読んでいた時以上に感動した。エンディングも、唐突に終わる印象を持つ原作より、映画版の方が私は好き。
熊井啓監督による遠藤周作原作の映画化最終作。過去の映画化作品が高評価を得ていることに異論はない。ところが、本作は……残念ながら、熊井監督、老いたな、という一言。

リヨンの古い街並み、ベナレスの雑踏、ガンジス河畔に集まる巡礼者……丁寧に描かれた美しい光景、珍しい光景だけど、それが世界名所紀行だけで終わってしまっている。それぞれの人生の終着点をガンジス河に求める日本人たちの描き方はそれなりに感動的だが、主人公とキリスト教との関係がよくわからない。ここにこそ、日本人とキリスト教の関係を生涯のテーマにした遠藤文学の核心があるのだろうに。

救いは、秋吉久美子の熱演。性に奔放な女子大生から有閑マダム、そして満たされない人生にさまよう女性までを時系列に演じて素晴らしい。サリーをまとい、ガンジス河で沐浴する姿は、神々しいまでに美しい。
遠藤周作×熊井啓の巨匠といえども、原作の深みを映像化するのは厳しいものを感じた。

登場人物の多さがたたり、結局誰にも深みを出せずにいるが、原作は素晴らしいので開拓の余地は十分残されている!