またの日の知華の作品情報・感想・評価

「またの日の知華」に投稿された感想・評価

CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

1.9
【自主原一男映画祭③】
原一男初の劇映画であり、その年の映画芸術ワーストテンに入った(5位)黒歴史映画。

学園闘争の時代を生きた知華の生涯を吉本多香美、渡辺真起子、金久美子、桃井かおりの4人が演じる異色作だ。

作品を観ていると、作品を作るタイミングがそもそも悪かったと思われる。ATGの暑苦しさとバタ臭さが全編に漂う。私が記憶している限り2000年代邦画は、アニメは例外として邦画ダサい風潮があったと思われる。ATGを意識した映画なんて、当時の人からしたら観るに耐えかねるだろう。

ただ、今観ても面白い映画に感じなかったのは明らかにキャスティングミスだ。『ムーンライト』のように違う世代の同一人物を別の役者が演じても、その人物の連続性を感じる作品ではない。

ただ、知華という女が4人の男と付き合う断絶の話になっているのが致命的である。

また、『ノルウェーの森』方式で学園闘争が単なる飾りでしか機能していない、暴力がファッションで終わってしまっているのもかなり痛いところ。

結局、『極私的エロス・恋歌1978』の劇映画版にも見える本作は原一男の自慰映画の域を出ることが出来ず観客に苦痛を与える作品でした。

劇映画では驚くほど魔法がなかった本作にがっかりである。

このレビューはネタバレを含みます

原監督の難産、4人の知華



2004年、製作脚本小林佐智子。
監督原一男。


日本映画ドキュメンタリー界の最重要監督、原一男監督。まずは、必ず見て欲しいドキュメンタリストの始祖だ。小川紳介を母乳のごとき尊敬たる原監督。

最近は「DIG」レーベルからDVDの再発売され、ファンにはうれしい。

伝説を見るシリーズ。
今回は、日本ドキュメンタリー界の猛威にして大家の原一男監督。

軽はずみで借りてみたVHS。出てる人がただただ怖くてダビングしたテープを上書きにして消した。俺にとっての芯のホラードキュメント。奥崎よりもその後考えに考えるとこの対峙した監督が1番怖いかもと思い、本屋で何考えてるか知りたくなり書籍を買った。奥崎の孤軍奮闘共闘のわが戦いついて何があったのかドキュメントのエポックメイキング「ゆきゆきて神軍」

これを見てからレアビデオの過去作品を求めて各所血眼で探してみた70年代作品。

おれは ここに そんざいしているよ。しょうがいをみせるカメラに収めた処女作「さよならCP」(1972)

今や「ハメ撮り」の始祖と定義されるに到る。原監督の恋愛ドキュメント。私小説というより、1人熱情カメラ越しの痴話喧嘩いや真剣口喧嘩。初期の恐ろしいほどのもしやDQNラブドキュメンタリー。はやすぎたハメ撮りVTR「極私的エロス恋歌1974」こちらも見た時度胆を抜かれた。

上記2作品をビデオで見つけた時飛び上がるほどうれしかった。

そして90年代に入り蓋開くと賞総なめのとある小説家の巨像とフィクションと嘘ほんとを聞き正す「全身小説家」

すべて鑑賞。
最近SNSの活動を機に映像講師や新作も撮っているという噂。

私のレビューにもリツイートが監督自身から来た時刺されたかと思うほどの衝撃。

そんななか未見の私の中の伝説作品、原作品を見てみようシリーズ。

ドキュメンタリーを80年代より製作、発表してきた原監督が、
長期間かけ、
頓挫したり、
製作難航した本作。

映画記事を雑誌で拝読していた。あんまりピンともプンとも話題にならなかったような本作印象。

そんな伝説の作品を見てみようシリーズ。今なら見れる判る。

マイビデオ屋にこっそりあった本作、疾走プロダクション製作鑑賞しました。



なーるほど。
なんかまあ、全般的に
迷いなんかな?
なんか「ん?」ていうカットがわりとあり。
そのカットいる?とか
逆にその後の芝居みたかったのにバッサリ省略?みたいな不可解なカッツがあった。それで、ラストは、いらないような気がしました。 
シナリオ優先なのか?
依頼した俳優のためか?
わからないが、まとめるべくして置きにきたラスト吉岡君の出落ち、出演結末に蛇足感あり。桃井さんで終わって欲しかったなあ。

トッドソロンズが「おわらない物語」で同じ話を人種を変えて物語る作品を撮っていたが、原監督は、きっと知華を1人に演じて欲しくなかった強い理由があるはず。

まあ本作の疑念もたれたり、きっとかプロデューサーや映画会社に駄目出しされた訳がこの「4人の知華」たる最大肝のゆずれない所だとも、見ていて思った。

コレを劇場ではやれないだろうなあと見ながらやっぱり思った。また鑑賞後レビューを読むとやはり厳しいレビューにはこの「4人」の違和指摘があった。

物語は、
知華という女性のラブストーリー。しかも4人の女優が「知華」を演じる。

冒頭の

「ちぃかあ」(呼びかける男の声)

って原監督の声に聞こえましたが私だけ。

時は学生運動。
だが本作はそこからは離れている。ちょっと意外だった。原監督なら描きたい題材にも見える「学生運動」のこと。あくまでそれは知華のとりまく時代のながれのようであまり関係なく描かれている。なら必要とも思ったのも本心。

若き吉本多香美の知華。若き綺麗な吉本の知華。体操選手の少女からの吉本の若々しさはなんとなくリアル。

先生になり肉感的な絡みを魅せる渡辺真紀子の知華。この渡辺パートで田辺と喧嘩しそうなドラマパートがばっさりカットされて、かなりがっくりした。監督!迷いましたね?もしくわつかえなかったのか?疑問が残る。

それをつなぐ本作で悪を珍しく演ずる初期、田辺誠一。不貞な男であんまり見たことない田辺さんだった。

そして本作のむりくりでもきっといれたかったお祭りパート。金久美子のスナック知華。
お祭りのシーンだけ浮き立つような美しさ必見。
知華とあんまし関連関係無く独立したシーンに見えた。まあ若造の学生運動キャラをまじえたパート。

そしてこちらもレビュー指摘にあったし、私も思った圧倒的存在感の桃井かおりの知華の最後。
塩をまかれた夏八木勲とのラブ。
良きにせよ
悪しきにせよ
1番の桃井かおりをだされた知華
甘えて、べったりしつつ、
知華が桃井になり所帯じみた幼子をもつ知華になり、
ラストが唐突すぎて逆びっくりした。
ほんとにびっくり。していたまもなくエピローグに補完作業のようで、まあ納得。

ていうか逆に桃井パートで終わらせたら確かに、これだけ見つめさせた知華が

こんなバットエンドかい!

でも、私は良かった気がしますが、話しは、吉岡君が締めていく。

決して頭の中で4人の知華がつながる事はないのだが、まるで女優のアンサンブル所帯を持つ知華の流浪な恋愛模様にもみえなくもなかったが、。

絡みはほどなく無く
原監督はロマンポルノをやりたいのかな?とも思ったけど、そうでもない鑑賞後の感慨。

十年かけ「全身小説家」から書け、賭けた知華は、あまりにも
どこかオムニバスのような知華ラブに見えました。

正直この4人の知華がそれぞれハードに濡れ場があったなら、そこまで粘って撮れたらなあとか

確かに吉本さんだけで知華をやりきったならとか

渡辺さんの知華だけとても冷静なクールチカだとか

金さんは、風貌ソバージュと出番がすくなかったなあとか

桃井かおりは夏八木さんの髭ばかりさわるなあ、きっと触りたくてさわってるなあ、おちょくってる風にもみえるなあ、演出してないだろうなあとか。

見た後いろーんな~とかとかを考えた後の祭り感想だった。不足を補う知華への思いだったかも知れない。

もっと
熱烈で
激情で
エロスな
冷酷で
喧嘩しまくるかと思いきやね、原監督の諸作を見てきたものとして。
やけにしっかり、
魅せようと整えたドラマ、いやラブストーリーだった。整合性や肉感的なドラマやラブを描いた他日本映画(たとえばの五社英雄監督作品とかと比べても、)と比べると薄味にも見えた。

まとまらず
資金不足になりながらも
なんとか
ととのえたラブに
画面からは見える。
粘られない何かなのか?
女優とどう対峙したのか?とても気になったが、さぞ苦労した著しい不足を感じる。

だって神軍、奥崎と映画を撮った原監督。

にしてわ、

ほんと
均整のとれない
どこか
バラバラにしたような知華を魅せられた気がした。
満をじしたというより、
ようやく桃井や吉岡を使いフィルムをつなげたようにさえも見える。

つまり不足な感があったなあ。見ていてね

絶対理想の知華になってないと私は思った、原監督の心底そう重いに思う。

お疲れさまでした。

原一男の伝説のフィクションは、
どこか過不足ある知華の女模様にみえました。



さて
原監督の4人の知華

原一男ファンのみどうぞ!

本日執筆

追伸
次回伝説シリーズ松井監督「追悼のざわめき」「どこへ行くの?」です。
年代ごとの「知華」を演じる女優たち。名前以外の設定に縛りはなく、自由に演じているように思われる。そのため違和感がなかなかぬぐえなかったが、逆に言えば彼女たちの感じたままの「知華」は、女優の個性を表しているともいえる。
takandro

takandroの感想・評価

2.4
とてつもなくつまらなかった。大根演技とはまさにこれかと言わんばかりの一章から始まって辛かった…