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ノン、あるいは支配の空しい栄光
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『ノン、あるいは支配の空しい栄光』に投稿された感想・評価

4.0
 1974年春、アフリカとの植民地戦争を繰り広げていたポルトガル兵士たちが不毛な戦争について語り合う中、カブリタ少尉(ルイス・ミゲル・シントラ)はポルトガルの敗北の歴史について話し始める。彼が語る過去の3つの敗北の歴史が意味するのは、支配することの空しさだった。冒頭、1本の木と雲と空がしばらく仰角で撮られ、画面奥からゆっくりと兵士たちを乗せた車が登場する。いかにも神々しい映画の入りに、しばし呆気にとられる中、戦地に向かう輸送車の中で戦争についてのディスカッションが始まる。カメラは律儀にも話し手の顔を真っ正面から順番に捉える。ルイス・ミゲル・シントラに至っては、思いっきりカメラ目線でポルトガルの歴史をゆっくりと語り始める。様々な歴史がゆっくりと語られていくのだが、とりわけ大航海時代を通じ、ポルトガルがいかに発達していったかが語られる。そこに挿入される当時の映像はロメールの歴史物のような柔らかいタッチで、リアリティよりもファンタジーを重んじているように見える。キューピッドが裸の女性の胸を打ち、やがて空からこうのとりが天女を運んで来る。

 特に奇抜だったのは3項目のセバスティアン1世の狂信的な侵略を描いた挿話である。平野を挟んで、サード朝スルタン軍とポルトガル軍が対峙する中で十字軍を夢想する王は自爆覚悟で敵陣に乗り込もうとする。大勢の軍隊が前に前に進もうとするが、半分くらいの兵士は敵の攻撃でバタバタ倒れていく。その様子はまるで巨大なマス・ゲームのようにどこかコミカルにさえ映る。映画は8割方、ルイス・ミゲル・シントラによる独白とダイアローグで進行する。輸送車を降りた後も、土の上で休憩し、夜は自然の中に停泊し、朝を待つ。回想シーンだけがやたら豪華絢爛で、彼らが実際に行動する現在は回想シーンに比べるとスケールが小さいのが気になるが、今作でも突然、全てを木っ端微塵にするような暴力に主人公は巻き込まれる。野戦病院の描写では彼らは1974年に生きているにも関わらず、200年も昔のアルカセル・キビルの戦の舞台にいる。悪夢にうなされている。それを向かい合ったベッドから見つめるアフリカ人の目のクローズ・アップには心底肝を冷やした。戦争映画でありながら、あえて戦争そのものを描かず、ポルトガルの建国の歴史とサラザール独裁体制下の抑圧された兵士の悲劇を外堀から埋めていく。実にオリヴェイラらしい反戦映画である。
人を食っているようでその意図やいかに、というところだ。一般に歴史というものは主観的なものだ。主体がいて「歴史」が立ち現れる。むろん裏の歴史、正史ではない歴史というものもポリティカル・コレクトネスの視点から掘り起こす立場はあるが、それとて主観からは逃れられない。

本作でルイス・ミゲル・シントラによって語られる、ポルトガルにおける3つの敗北。ここでオリヴェイラは、普通の意味で客観的な歴史の記述を目指す、なんぞ全く考えていないし、できるとも思っていない。現在時制で語られる過去の歴史の中に戦闘シーンがインサートされるが、そのシーンの陳腐さはいかにもいびつであり、バランスを著しく欠いている。これは歴史批判的な批評精神というより、単にオリヴェイラの生来の変態性(笑)とバロック的な歪みの産物だろう。もしくは、歴史は意識だから、普通の意味でのリアリティなんぞどーでもよい、と。あからさまなカメラ目線も映画への没入ではなく「シラケ」を促す。異化と言ってもよい。

これは確かに面白いんだが、ある意味失笑に近いもので、正直どう捉えたものか戸惑う。要は「分からない」。まあ、この戸惑い自体が快感ゆえになんだかよく分からんことが多いオリヴェイラ作品を度々観ているのだろう。

文句なしにすばらしいのはやはり冒頭の大木を捉えた長回し(また音楽も良いのだ)。いかにも神々しいこの老木はポルトガル2000年の歴史を静かに眺めてきたのか。このシーンは兵士を乗せたジープだかトラックからのトラッキングだろうが、しかし木を見ているのは誰なのか。兵士ではなかろう。それゆえ人間ならざる超越的なものを感じ、かつそれに対する畏怖の念を抱かせるのだ。ここだけでも観る価値がある。
Cem
4.0
ポルトガルの戦争の記憶・歴史。戦争と敗北の歴史を壮大なスケールで綴る.:*♬
兵士をひとりひとり映しだすのも、カメラ目線で話すのも良い。歴史に詳しい少尉が語りだし、それを皆が真剣に聞く。『もっと聞きたい!』と言われ、嬉しそうに話を続ける少尉が可愛い☺️何故か急に裸のお姉さんや少年が出てきてメルヘンチックになる。ここだけ平和で和む。熱く語り合ってた仲間たちが、翌日ボロボロな姿で横たわってるのが悲惨で哀しい
戦闘シーンなど、映像の迫力が凄まじかったな

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