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召使のTSのレビュー・感想・評価

召使(1963年製作の映画)
4.0
【召使が主人を喰らう】84点
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監督:ジョセフ・ロージー
製作国:イギリス
ジャンル:ドラマ
収録時間:115分
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これは面白い。召使と主人の立場がじわじわと逆転していく恐ろしい展開。ただそれだけでなく、上流階級の者が下級市民に嘲笑されていく様も描かれている映画です。撮影の仕方も非常によく、どことなく薄気味悪さが滲み出ています。

南米から帰ってきた貴族のトニーは、召使としてバレットという男を召喚する。彼は優秀な召使であり、家のさまざまなことを彼に任せるのだが。。

最初は礼儀正しく、紳士的なバレット。ところが彼はトニーの婚約者であるスーザンには頗る嫌われています。で、バレットは何故か自分の妹であるベラも女中として働かせてほしいと嘆願し、奇妙な四人の暮らしが始まります。ここからが予想の範囲内。トニーはベラと情事を起こしてしまうし、驚くことにバレットもベラと情事を起こします。そしてここからは予想できない展開になります。バレットの豹変具合が本当に謎めいていて奇妙。また、同性愛を仄めかすような描写もあり、結局のところどれが正しい見解かは不明。ただ、じわじわとトニーは落ちぶれていきます。このバレットという召使を雇ってしまったからが故に。。

召使とて人間。奴隷のように召使をこき使うイギリス貴族階級の痛烈な批判か。しかし、召使のバレットも相当策略的な人間であり恐ろしい。従う者の腹黒い部分も垣間見れる、総じて人間の恐ろしを再確認できる作品と言えそうです。オススメ。
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