まなざしの作品情報・感想・評価

「まなざし」に投稿された感想・評価

刑務所帰りの老いた親の介護を娘がする、その姿をひたすら淡々と描いた
非常にしんどい映画。

セリフが極めて少なく、音楽も全くといっていいほどない。
極めてストイックな作りで93分が180分に感じるくらいに鑑賞ストレスの高い作品だが、虚飾を排し同じことの繰り返しをしつこいくらいに描写しているのも「介護は出口の見えない作業」という現実を見せつけるのためという明確な意図を感じる。
また、終始一貫して客観的な描写を通しておりインディーズ映画にありがちなひたすら自己主張を積み重ねる傲慢さが無い点にも好感を持った。
(だったらドキュメンタリーでやればいいんじゃないかという疑問が浮かばなくは無いが)

積極的に観ようとは思わないし人にも勧めないが存在することに意義があるそういうタイプの作品。
SHINDY

SHINDYの感想・評価

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さざなみ映画祭で鑑賞。

作品を作るにあたって監督自ら介護の仕事に従事して取材を重ねたという、映画に対する誠実な、愛のある卜部監督。

出演している役者も素晴らしいく、リアリティがありすぎて苦しく、疲れた…

ほとんど台詞はない
繰り返される仕事から帰ってオムツ替えの日々
ある日突然帰って来た あの男

娘が面倒をみる、犯罪者であり、母を殺したも同然な父親

憎しみ
だけど、父である。

息子ではなく、娘が、という設定が物語のドラマがキュンとなる方向に連れていっている気がした。娘と父親という関係性が私にはもう思い出すだけでまた涙が溢れてしまう。

医者が「いい娘さんでよかったですね」と父親に言った一言が、娘にはもう辛かった
憎むべき相手を
憎みきれない

父と言葉を交わすことができない今
溜まっていく気持ち

だけど、吹き出た時、このぶつかり合いが 二人を救った
赦したいし、謝りたい
誰だってきっとそうだ。

ぶつかり合いを避けがちな今の時代に
響く、作品


観てよかったです。本当に。
この映画のために
介護の現場で実際に働いてきた監督自らが
描き下ろした脚本で劇映画として
この作品を撮られたとのことで
ラジオで知り速攻見てきたました

セリフはほとんど無く
表情や挙動で見せている映画で
そのシンプルさ故に
人の情動が手に取るように伝わってきます

見ているのはありふれた
介護の風景のはずなのに
まるでお能の舞台を観ているような
不思議な感覚に囚われました
既に美学の世界ですね

綺麗事を一切排除し
ドラマ性
センセーショナルな展開など
一切の欲を捨てて
捨てるがゆえに浮き上がるものがあるのでしょうか?
見たことのない凄いものを見てしまった感じがします

祖母の介護のことでは自身かなり悩みました、家族の中でもトラウマになってますが考えないこと、逃げることよりも、対面する事、それを通して見えてくる光明こそが「生きる」という事なんでしょうか?

答えはそれぞれの心の中にありますよ…と語りかけられた気がしました


見たあとに合掌したくなる
素敵な映画でした

感謝感激です(*^^*)
nami

namiの感想・評価

4.2
終わらない苦しみ、優しさ。
わずかな光でほんの少しだけ希望がみえた。
HAL2000

HAL2000の感想・評価

3.9
昨年4月の関係者試写

関係者試写中野ZERO視聴覚ホール15:00開演。

SCOPEの卜部監督の最新作。EXに参加させて頂いた縁で試写にお呼ばれ、感謝です。

参加したのはクランクイン。坊主頭の卜部監督、気合入っていたのが印象的でした。

主役の根岸さんが弟に喫茶店で相談しているシーン。あいつが出てきたのよという言葉に弟は急に不機嫌になり席を立ち去る。

介護を正面から扱うとは聞いていたのだが、自分の参加したシーンは介護には関係ないところ。どう結びつくか楽しみではありました。そして卜部さんがトライする介護とは。

絶対にシネコンにかからないようなエンタテインメントとは真逆にある作品でした。でもあの台詞のない繰り返しのシーンにただただ釘付けになるしかありませんでした。ほとんど親子の2人芝居。もう役者さんの圧倒的な芝居が見事です。親子だけど、親子だから、そうなるのかと考えさせられます。

この私も身体壊すまで4年半、訪問介護の仕事やったので、介護のシーンは全てやったことがあるものでした。根岸さん、お見事でした。違和感全然ありませんでした。父親役の方も口きけない設定で本当に大変だったと思いました。あの表情だけで芝居するなんて凄過ぎます。お尻がとても美しいのも驚きでした。

まだまだ、未完成とおっしゃる卜部監督。来年公開目指して更なる進化をさせたいと語っていらっしゃいました。毎回、斬新な切り口で驚きを提供してくれる卜部作品。公開が待ち遠しいです。

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