袋小路の作品情報・感想・評価

「袋小路」に投稿された感想・評価

孤島の古城の暇つぶし、刺激的。フランス女に、大男小男。潮とエタノールの混ざる香りが、袋小路で発火を待つ。所謂、次元が違う完成度。コメダ珈琲の豆のように、コメダ・ジャズも美味しい。
ooospem

ooospemの感想・評価

4.3
追い詰められた時に起こる普遍的な心情を「袋小路」と題して描くのはうまいなあと思う。フランソワーズ・ドルレアックの美しさがモノクロによく映える。お似合いだった姉御肌なキャラクターは妹・カトリーヌ・ドヌーヴの後期作品群の威厳を先取っているよう。全編を通してシニカルに淡々と進むのだけど、演出の主張や情緒をあおる描写が強いわけではない。癖のあるキャラクターでも一切咎めないし、かと言って愛しもしない。この抑揚のなさがポランスキーというか、多分彼と会って話したとしても何も伝わらないんだろうなあ、けれど彼の吐く言葉には妙に納得してしまうんだろうなあ、と思わせられるこの感じが唯一無二で、気取ってなくて、気楽で、良い。
ロマン・ポランスキー監督のデビュー作「水の中のナイフ」にも通じるのが本作です。どちらも隔離された環境下の話で、第三者の介入による夫婦関係の崩壊を描いてます。
異なる点は、本作の方が夫婦に介入する人物がより狂暴ですし、コメディの要素があります。シュールな部分が笑いを誘い、狂気を引き立てる力になってたと思います。異常さを強く感じさせたからです。ただデビュー作と比べると若干スタイリッシュさと作品の品位は見劣りはしますが…。
キャスト陣の怪演が本作を支えてます。
まずライオネル・スタンダー。狂暴そうですが、どこか気の弱いキャラを演じてます。湖城に侵入すると、威圧せずに小屋に隠れる。訪問者が来ると給仕のふりをする。小細工せずに最初から、銃で脅せば良いのにと思います(笑)
ドナルド・ブレザンスも活躍してましたよ。女房には女装させられ、浮気をされても何も言えないダメ男ぶりはハマり役だったかもしれません。
女房役を演じたのはフランソワー ズ・ドルレアック。カトリーヌ・ドヌーヴの実のお姉さんです。彼女も子供にマジ切れするし、ライオネル・スタンダーの足の指に紙を挟み火をつける等奇怪な演技が光りました。これだけの美人の奇行だけにインパクトはありました。彼女は若くして命を落としたらしく、大変な才能を映画界は失ったんだと思います。
カトリーヌ・ドヌーブは前作の「反撥」の主演と、ロマン・ポランスキーは初期作品から姉妹を出演させるだけの魅力ある映画を制作する才能に溢れてたんですね。
andrew

andrewの感想・評価

4.0
開放的な白とブラックユーモア。
海に浮かぶ古い屋敷の現実離れした
ロケーションは溜息モノ。
一筋縄にいかない3人の
キャラクター性と各々が絡む
化学反応には予想がつかずに笑う。

例え人の汚さを描こうと
常に美を匂わせるポランスキーの
圧巻の映像センスが何もかもを
愛くるしく思わせてしまう。
ダラダラした日にまた観たい。
ドヌーブの姉、フランソワーズがとにかく綺麗。
映像と音楽はよかったけど物語のカラーがいまいち掴めずおしい感じ。コメディもあり、狂気もあり…
いかにもで楽しい
音楽が良いな〜〜
浜辺のシーンは天才だと思った
rumien

rumienの感想・評価

3.6
Francoise Dorleac was really beautiful. She was an old sister of Catherine Deneuve.
ENDO

ENDOの感想・評価

3.6
はなからまともじゃない。冒頭、旦那にメイクしスリップを着せ少女のように話すようけしかける妻。2人の高笑い、一目で主従関係がわかる。彼女は浜辺で若い男と上半身裸で抱き合っている。見て見ぬ振りをする中年の夫。もう何もかも不快すぎる。レコードの音も、鶏の声も、やってくる人々も五月蝿い。煩わしい。満ち潮になると道が水没する古城に住む夫婦。侵入してくる汚い面の大きな悪人。夫婦のどちらもが同居する悪人とのふれあいで、表立ってはいないながら徐々に彼に惹かれていく。抑圧の下で。悪人はどうやら女性に興味がないところが肝。絶世の美女であるドルレアックにも暴力を振るうが、性的なことには及ぼうと考えもしない。最初から欠けていたものが露わになる。結果、抑圧された者が消えたことで、突然潮が引くように去っていく男女の破局でした。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

2.5
個人的ランキングNo.1女優であるフランソワーズ・ドルレアックの数少ない出演作でまだ観てなかったもの、とはいえポランスキー初期の作品だしどうせ気持ち悪いんだろうなあ(笑)と思っていたら案の定「何で登場人物たちがそうなるのか」の明確な解決など放置した、喉に小骨が刺さったまま1週間過ごすような違和感が延々と漂い続ける一本だった。しかもそれが突然やってきた悪者ではなく、夫婦でありながら心の通いが欠如し何もできない2人に向いてしまうからさらに不快度も高い。まあそんな汚い人間心理が浮かび上がった画面の中でドルレアックが見とれるほど美しかったので、点数はそちらにw
「反撥」に続きサイコな不条理劇。
監督は今流行りのハリウッドセクハラ問題の先駆者ポランスキー。
ホームインベージョン系のこれを撮影したのがその後マンソンファミリーに実際に家宅侵入され妻を殺害されたポランスキー監督だというから本格的に笑えない。

夜になると潮が満ち陸地から隔離される島の古城が舞台。そんな淀んだ舞台で若妻、旦那、闖入者達の人間心理の悪と呼ぶには少し足りない灰色の部分が見え隠れする。

武器は有るが殺意の感じられ無い闖入者、城の主人ながら全く覇気が無い旦那、そしてイマイチ自主性を感じない男達の間を気紛れにフワフワとしかし能動的に往き来する若妻のドラマが色々なアクシデントに左右され様々に変化していく。
モノクロで映える古城のディテールの細かさの一方で登場人物が絞られ少ないせいか情報量が多い割には一気に見終われた。
しかし、周囲の凪いだ海の様な人間の表と裏腹な水面下を見透かした監督のドライな視座が原因の後味はかなり印象に残る。

静かな生活に次第に満ちていく不協和音を象徴するような傷付いたレコードの音もナイス。

数々のムカつく悪戯とネタバレをハイレベルにこなしたガキが一番の脅威だったかもしれん(;´д`)。
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