光る女の作品情報・感想・評価

「光る女」に投稿された感想・評価

4、5時間あったという最初の編集から半分以下に詰めてるわけで、そりゃこうもなるよね
ただでさえ移動距離や構成の移り変わりの大きさも含めて時間が必要そうな物を縮めているのでダイジェスト感が半端ない
珍作すぎて腰を抜かした。滝上町の皆さんはどんなお気持ちだったことか…。
ラストちょっとオリヴェイラ『春の劇』ぽくなかったですか。
赤鬼

赤鬼の感想・評価

3.2

このレビューはネタバレを含みます

オペラとプロレスと何でもありの空間がブロードウェイミュージカルでボブ フォッシーが生み出した"CHICAGO""CABARET"等の雰囲気に似てるなと思った。見せ物小屋で皆んな裸に近い格好で何でもありな感じがall that jazzみたいなごちゃ混ぜ感で、今までの相米慎二作品の世界観とは違くてその異様さが印象的。"バットマン フォーエバー"や"オペラ座の怪人"を監督したジョエル シュマッカーのキャンプな世界観にも通ずるのかな。作品毎に挑戦心を忘れないで邁進していたんだなと、その姿勢に作り手としての誇りとか遊び心を感じて尊敬しか無い。が、自分の作りたい作品がお客さんにも100%で受け入れて貰えるとは限らない。そこのバランスの難しさをこの作品ではより感じられるなと感じました。
いつもだったら、こう言った女性が男性にひれ伏されて?結ばれる作品は大嫌いなのに、この作品では不快感を感じないまま最後の丸太の上で芳乃が歌うシーンを迎え、そこで初めて違和感を感じたので、キャスティングの力だなとしみじみ。
こんなハードな作品を主演の御二方はよくぞやり遂げたなとこちらがひれ伏してしまう。
『雪の断章』の技巧的な側面がさらに進化してる。お得意の窓、トンネル、プール、電話など強烈な画がたくさん。ただその一方で、相米映画を支えていたはずの、叩けば何か出てくるはずだという役者への信頼が見えない、というか多分、無い。
S

Sの感想・評価

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友達が是非見てというので眠い目をこすりこすりモーニングショーに出かけた、客足はなかなかの入り、さすがの相米慎二監督特集、しかしてなんだこの映画は、とんでもねえな、なんでもありやな、しかして映画のなかでこそ、映画のなかくらいは自由でもいいじゃねえか、そう思ってしまう渋谷の昼間に放り出された私であった。ある意味で勇気をもらえる作品かもしれない。
なかなかの変ムービーだが、最初のゴミ山の上でオペラを歌うシーンから魅力的。
そのあとなんちゃってフェリーニみたいなおかしな世界での饗宴が続く。試合のシーンはやや退屈。
個人的には物凄く苦手なタイプの男性である武藤が魅力的に感じたのはすごいと思った。
あの頃スペースローンウルフで絶賛売出し中の武藤が主演

当時、週プロの記事で武藤が安田成美共演で映画を制作中とは知っていたがおよそ三十年後に映画館で鑑賞

80年代、邦画の地位は洋画以下だったので当時全く観るつもりはなかったが、前田日明主演だったら多分観に行ってただろう(十代の自分は熱烈なU信者)

武藤の演技はさすがに棒だったが、相手役の秋吉満ちるも棒だったのでものすごくカオスな映像に(観て判ったが安田成美三番手だよね!?)

相米作品ならではのほぼ全編長回しなので演劇を観ているよう

公開当時もし観ていたら面白さがわからずクソ認定していただろう
スズキ

スズキの感想・評価

1.0
まさか自分が相米作品に1点をつける日が来るとは思わなかった。

興行的な大失敗作と事前に聞いていたのでハードルをかなり下げて見たけど、それでも面白くなかった。

『有田ジェネレーション』という深夜のお笑い番組がある。

この番組の特徴は、普通のテレビには出てこないようなアングラ芸人が出てくるところ。アングラ芸人を見ていると、とにかく何を言っているのかわからない、何を伝えたいのかわからないという基本的なところで自分のやっていることを理解できていないことがアングラさの所以なのだなと感じる(その伝わらなさが面白いアングラ芸人が出続けているのだが)。

この映画も同じに見える。
相米の、ストーリーを語らないことの限界が出てしまっているし、役者に寄るショットが少ないので誰が誰なのか分かりにくい。しかもなぜか映画なのに舞台的な表現が多くて窮屈。基本的なところで映画的な快楽を捨て去ってしまっているように見える。

冒頭のシーンは、荒れ果てた都市とビル群なので、当時なりの文明論批判みたいなことが描きたかったのかもしれないけど、今見てもよくわからない。

そもそもなぜプロレスで、なぜ武藤敬司だったんだろう。やたらと男同士の体が密着するので、もしこれが海外の作品なら、監督はゲイでそのセクシュアリティを表現したものと解釈したと思う。実際のところはよくわからない。

相米作品を最初に見るならダントツで『東京上空いらっしゃいませ』をオススメするけど、この作品の失敗があったからこそ、あそこまでポップに振り切った作品が作られたのだろうな。

初めて見る相米作品がこれ、という人が1人も出ませんように。
G

Gの感想・評価

3.8
冒頭、ゴミ山のてっぺんで歌う女とピアノ。やはりATG(もっと言うと寺山修司)風味だなあ。地下格闘技シーンもしかり。そういうものと無縁だと思ってたから不思議だ。めちゃくちゃな製作費でディレカンを追い詰めたと言われる今作。オーディションしたけどうまくいかず、プロレスラーをキャスティングしたくて新日を見に行って武藤を発見したという経緯がすごい。(しかも候補の一人に前田日明も上がっていた)冒頭もすごいがヒロインのキメセクを覗き見してしまった後の高架下?での長回しシーンの異様さはすごい。「俺の嫁になってくれや」とまるで自分にしか聞こえない声のように呟きながら女を追いかけ回す武藤敬司が凄まじい。ちなみに武藤敬司の数少ない異種格闘技戦が見れる貴重な資料でもある。(なんか拳法の使い手みたいなやつと戦って溺死させる)意味不明だしこの尺ですら長く感じる。ラストの長回しからのバク転。アホなんじゃないか。何に付き合わされてたんだ。とにかくめちゃくちゃな映画だが膝を故障する前の武藤敬司の身体能力がとんでもないので、他の相米慎二作品の人工的な作りではあり得ないようなこれまた異様な実在感があってそれだけで見れてしまう。
やっと相米コンプ。映画はこのくらい自由でよい。照明が綺麗。次作『東京上空〜』へ至る前段階という気もする。