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消えた声が、その名を呼ぶ

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消えた声が、その名を呼ぶ

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消えた声が、その名を呼ぶの作品紹介

消えた声が、その名を呼ぶのあらすじ

1915年、第一次世界大戦中のオスマン・トルコ、マルディン。夜更けに現れた憲兵によって、アルメニア人の鍛冶職人ナザレットの幸せな日々は終わった。妻と娘から引き離され強制連行された砂漠では仲間を次々に失い、激しい暴行で声も奪われた。やがて奇跡的に死線を乗り越えたナザレットは、生き別れた家族に会うため、灼熱の砂漠を歩き、海を越え、森を走り抜ける。家族への想いはたった一つの希望となり、平凡だった男を遠くアメリカ、ノースダコタへと導いていく。地球半周、9年。さすらう男がたどりつく先とは。

消えた声が、その名を呼ぶの監督

ファティ・アキン

原題
The Cut
製作年
2014年
製作国・地域
ドイツ、フランス、イタリア、ロシア、カナダ、ポーランド、トルコ
上映時間
138分
ジャンル
アドベンチャー・冒険、ファンタジー

『消えた声が、その名を呼ぶ』に投稿された感想・評価

3.6
★
ヒトラーがユダヤ人虐殺の手本にしたと言われる歴史的悲劇「アルメニア人虐殺」を背景に声を失いながらも娘を探し続けた父の壮絶な旅を描いたドラマ作品。

1915年、オスマン・トルコ。鍛冶職人でアルメニア人のナザレット・マヌギアンの幸せな日々は突然終わった。アルメニア人であるが故に妻と双子の娘から引き離され、砂漠での強制労働の末に、喉にナイフを刺され命を奪われそうになる。

仲間が次々と命を落とす中、奇跡的に生き延びるも声を失ったナザレット。

もう一度生き別れた娘に会いたい…。

その想いはたった一つの生きる希望となり、平凡だった男をトルコの灼熱の砂漠から海を越え、遥か遠くアメリカ・ノースダコタの雪降る荒れ地へと導いていくのだった…


『地球半周、8年。失った愛を求めてさすらう男。その辿り着く先とは…。』


世界で初めてキリスト教を国家宗教としたアルメニア人ナザレット役を演じたタハール・ラヒムは、「サンバ」でサンバと知り合う偽ブラジル人を演じた俳優さんです。

今作では、社会情勢が起こす溢れかえった人間の悪が、出し惜しむ事なく描かれています。思わず心の痛む描写もあり、観るには勇気と体力が必要な方も少なくはないと思います。サンバの時の陽気で楽観的な人物ではなく、不運にも声を失い1度は死を覚悟しながらも真っ直ぐと前を向き、真っ暗な視界から真っ直ぐ伸びる一筋の光を探し当てるかの様な過酷な旅を、たっぷりの悲壮感で演じています。

劇中で流れる独特な雰囲気で何度も繰り返される歌のフレーズが、ナザレットの過ごしてきた8年の長さの様に聞こえてきたのは私だけかもしれませんが、あのフレーズは数日耳に残ってしまいました。

他に作品を観賞されていたお客さんの中には、吐息を漏らしながらむせび泣く方もおられましたよ。
3.5
 寡黙で職人的な鍛冶屋が、トルコ人の依頼に従い、切れなくなった刃物を元通りに仕立てる。お代を問われた男は、いつもより2割り増しの値段を吹っかけるが、裕福なトルコ人は気にも留めず支払う。使用人から貰い過ぎを指摘されるが、主人公は悪びれる様子もない。1915年オスマン帝国マルディン、戦争の時代に突入する気配の中で、ナザレット(タハール・ラヒム)は鍛冶職人としての腕を磨き、その能力で生計を立てる。小学校に双子の娘を迎えに行き、3人でクイズをしながら帰路につく。フランスの首都は?「パリ」「イタリア」アメリカの首都は?「ニューヨーク」「シカゴ」。遠く離れた世界のことを幼い娘たちはまだ知らない。家に帰れば妻、兄弟、妻の兄弟などたくさんのアルメニア人と囲む食卓。娘を食卓へと急かす妻の怒声が飛び、話は昨今の政治情勢と複数のアルメニア人の失踪に及ぶ。娘たちに物語を読み聞かせて寝かせた後、夫婦だけの寝室で今日の労を振り返る主人公。妻は髪をとかしながら歌を歌っているが、突然その歌がやむ。眠るまで続けてと妻にねだり、慌しかった今日1日が終わろうとする。その日の夜更け、深い眠りについた夫婦の部屋の表のドアが何度も叩かれる。何事だと目を覚ましたナザレットは恐る恐るドアを開けると、トルコ人憲兵たちの姿。隠してあった賄賂を憲兵に渡すが、彼らの反応は変わらない。こうしてこの辺り一帯のアルメニア人男性たちは、いきなり戦場に駆り出される。

こうして繰り広げられる地獄絵図は、ナチス・ドイツのホロコーストと同様の過酷な様相を呈する。強制連行、砂漠の強い光の中での力仕事、疲れて倒れた人間は容赦なく鞭で叩かれ、病気になろうが死ぬまで扱き使われる。女たちのレイプは子供が見ている前で遂行され、無理矢理改宗を迫られる。人権も何もない処遇はまさに奴隷そのものであり、残虐な行いはやがてエスカレートしていく。中盤の岩壁の前で膝をつかされての処刑場面の壮絶さが息を呑む。人種の違い、宗教の違いだけで、人間が罪のない人間を次々に処刑していく様子は、昨今のイスラム国や自爆テロを否が応にも想起させる。いったいこの惨たらしい事件の背景には何があったのか?当時オスマン・トルコは露土戦争やクリミア戦争による戦禍を引きずり、弱体化していた。帝国政府はロシアと同じくキリスト教徒であるアルメニア人が、トルコ軍を背後から襲うのではないかと懸念した。かくしてアルメニア人の男を労役にこき使うか監獄にぶち込むかしながら、女・老人・子供をシリアの砂漠方面へと強制移動させたのである。歴史に埋没したジェノサイドの真実はここにある。強制連行で飢えた男たちは、まさに石にかじりつき、空腹を誤魔化す。日夜鍬でいつ終わるのかわからない広大な空間に道を作りながら、多くの仲間が犠牲になった。病人の死と埋葬、イスラム教への誘い、そのどちらにも打ち勝つ崇高な精神と頑強な体はトルコ人の激昂を買う。手と足を縄でつながれ、ゴツゴツとした岩山を歩かされる様子は西部劇の奴隷にも似ている。首に当てられたナイフ、流れ出る血、処刑人の葛藤。人が人を裁くことが出来るのか?ファティ・アキンの重い問題提起が情け容赦なく降りかかる。

チャップリンの『キッド』で取り戻した笑顔。前半の息苦しい描写、生き延びた地獄の日々が、シリア、レバノン、キューバ、ミネアポリス、ノースダコタにまたがる8年間へと繋がる中盤からクライマックスまでの流れが凄まじい。残酷な運命に従う他なかったナザレットがここでは被害者から加害者へと転じ、この世界のどこかで生きているだろう娘を探す執念の物語に絶句する。彼は声を失ったジェノサイドの犠牲者であり、同じようにジェノサイドの犠牲者となった夥しい数のアルメニア人たちの叫びを代弁するかのようである。脚が不自由だというだけで娘を見限った富豪の男への復讐。トルコ人撤退の際、大きな石をぶつけようとした男を躊躇させた少年の顔への投石。許容出来ない復讐への思いはありながらも、時に思い留まったかと思えば、猟銃で脅してきたアメリカ人に致命傷を与える。戦場の痛みはやがてナザレットを勇敢で情け容赦ない戦士に変える。キューバの理髪店、ようやく会えるかもしれない娘が既に去っていたことへの怒りと苦しみ。アメリカ大陸にたどり着いてからの流れ者=移民としてのアイデンティティはまさに西部劇の変奏曲に他ならない。頭上に飛翔する黒い鶴の群れ、森の中に到着する汽車、蛮人によるレイプ未遂と線路での昏睡、そこから目覚めるまでの娘の幻影など、幾つものイメージがナザレットを導いていく。ようやく訪れたラスト・シーンには不覚にも涙がこぼれた。
Filmarksパトロールが面白くなってきた。
まだまだ世界にはいろんな魅力がある作品がある。

これも制作国がいくつも連なる作品。
Filmarks上のジャンルがアドベンチャー・冒険、ファンタジーとなっているが、ある意味ではそうだが、ある意味では違う。

1915年、つまり第一次世界大戦のトルコ。当時は“オスマン帝国”と呼ばれている地域。

世界史は少し疎いので名前を聞いたことがある程度。
第一次世界大戦の影響でアルメニア人の鍛冶屋の主人公のナザレット。貧しくても幸せな生活が突然一変。

夜中に強制的に連行されてそこからは血反吐を吐くような強制労働。
どこだかよくわからない荒野をひたすら整備整備整備、、、そして、最後は用済みで殺される、、、かと思いきや、休止に一生を得る。

しかし、あまりに過酷な労働で“声”も失う。それでも、命からがら生き延びる。
そして、その生き延びた道すがら、彼の家族が生きているような話を聞く。

そこからの彼の思いはただ1つ。家族に会うためにただただひたすら歩く、歩く、歩く。

その間に色んな人に囚われたり、集落に辿り着いたり。
知り合いにも会い、時には悲惨な現状も目の当たりにしながら。

時には列車にこっそり忍び込んで移動したり、道ゆく人の好意で。
とにかく、彼はいくつものいくつもの街を超えていく。

荒野を越え、街を越え、、、そして、海も越える。

第一次世界大戦の激動の中を、トルコから恥じる彼の苦節だらけの旅。何と最終的には10年近く、果てはアメリカ。
地球半周ぐらい。想像以上に果てしない旅だった。

これをアドベンチャー・冒険というのか、、、。
何度も何度も諦めかけて、その度に微かな希望が見つかり彼に生きる活力を注ぐ。

彼に起きることはとても悲惨で過酷なことだが、そこから転々としながら、僅かでも彼に手を差し伸べる人もいたりする。

微かな情報を頼りに、藁にもすがる思いで、いや、実際にすがりながら。
“声”を失った彼の、前途多難な、果てしなき、家族、娘たちを探す旅。

水や食料の問題や、各地での言語の問題、戦争による世界情勢の変化、そして、移動のための経済的な問題。

僅かな幸運と相手の好意で少しずつ目的に近づくも、近づくたびに情報が先を行き、目的地が遠のく。

時代背景も壮絶だが、ナザレットという1人の男が経験するこの旅が壮大過ぎる。やってやれないことはない、と思える。

壮大過ぎて、最初の方の過酷で悲惨な強制労働が彼の人生の“1ページ”ぐらいになってしまうぐらいすごい旅。

どんなに辛いことが起きても、諦めなければ道は拓かれる。そんな不思議な力すら感じる壮絶な1人のアルメニア人の旅路。

ほんと、また1つ、すごい作品に出会えた。

※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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『matchypotterと映画の秘宝』
https://matchypotter.com/
作品単発のレビューはここでやっているので、こちらは企画記事メインに挑戦したいと思います。
皆さん、時間がある時にでも見に来てください。
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F:2613
M:1181

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