真夜中の刑事/PYTHON357の作品情報・感想・評価

「真夜中の刑事/PYTHON357」に投稿された感想・評価

このテンポだと少しダルい印象を抱きがちなんだが何故か面白い。とても不可解な映画だと思う。

たまたま恋人の部屋にいた刑事が次の日には彼女を殺した犯人として徐々に追い詰められていくノワールサスペンス。
冒頭とラストでルーチン(拳銃の整備)を撮ってるのが好き。
しかもそのルーチンは回り続ける時計の回転のようにフラットで止まる事がない。
ヒロインの持つ時計、彼が受けとる時計、犯人の持つ灰皿、待ち合わせの公園を一周する場面、クライマックスで主人公が魅せる立ち回り、
全ては回転するモチーフが画面に映る事で始まる。
特にクライマックスの主人公によるガンシューティングアクションは(ここでも細かく回転演出がある。)、
それまでの七転八倒ぶり(ビフォーアフターのように現場クラッシュ、硫酸による顔面クラッシュ包帯フェイス!)を知ってなお彼に異様な格好良さが宿る不思議な場面だ。
何故だ。あらゆる証拠を揉み消し、上手く立ち回る事も出来ないこの男が何故格好良く見えるのだろう。
こうした不可解な面白さに出会うからフィクション鑑賞は止められない。
slow

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4.6
1人の女性の出現により、静かに狂い出す男の歯車。

あなたは、このジャケットを見て何を期待するだろうか。ダンディズム溢れる刑事の重厚なフィルム・ノワール?ハードボイルドまっしぐらからの車爆破危機一髪ムービー?いや、どれも間違いではないのだけれど。アラン・コルノーは全く意表を突いてくる。

蓋を開けてみれば、デッドコースタームービーだった。とは言え、もっちゃりとスピード感なく駆け抜けていくこのアトラクションは、ノット爽快感ながら妙に笑える泥んこレースのようなもの。もうね、詰めの甘さが凄いし、みんなど真面目フェイス過ぎ。お願いします、これコメディだと言ってください監督と思いながらの鑑賞。
男にとって、拳銃のメンテナンスも食事を作ることも、毎日欠かさず続けていること。言わばルーティーンなのだろう。そういう人物のディテールにこだわる感じはメルヴィルなんかと似ているかもしれない。しかし、このような映画はあまり記憶になく、イヴ・モンタンが主演であることからも予想できなかった。
思わず、その犠牲に対して得られるもの見誤り過ぎ注意報を発令したくなる。そんな映画だった。
ネット

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3.7
ポリスアクションというよりは、サスペンスドラマ。
主人公を襲う不運の連続と、それに対する足掻きが滑稽すぎて痛々しい。硫酸入れすぎじゃないかな。
最後に派手なアクションがあるのだが、その時の格好が革ジャンにジーンズなので「ザ・クラッカー」を連想してしまうのよな。カッチョ良い。
画面の切り取り方もめちゃクール。闇夜に輝く青い街灯、好きに決まってるじゃん。
ヘボい...心ここに在らずといったモンタンの表情、立場上ビクビク怖気付く悪玉の配置が絶品。モンタン夫妻のバイタリティ。
tristana

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5.0
不都合にも張り切る部下とやたら正義感の強い目撃者、逃げまくるイブ・モンタン、東山千栄子のように肥えたシモーヌ・シニョレ。何よりも思いがけずフランソワ・ペリエを撃った瞬間のモンタンの顔。
dude

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4.3
こりゃ面白い。『セリ・ノワール』もそうだったが、おじさんが若い女に熱を上げたら大変なことになりましたな物語。車が直進するかと思いきやバックするというカットが象徴するように中盤以降の“外し”が可笑しくも哀しい状況を作っていく。
個人的にはメルヴィル作品と似て非なるものという感じもして面白い。作品自体からは寂寂とした凄みを感じるが、登場人物たちはなんとなくモタモタしていて落ち着きもない。と思っているとクライマックスは妙に派手なアクションを見せたりして、よく分からないが魅力的ではある。
t

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4.0
イヴ・モンタンの逃げ方が毎度小物っぽくて好感が持てる。硫酸には笑った。にも関わらず少ない台詞で終始クールな世界が維持さる。ステファニア・サンドレッリ死後もなお1人の女の手中でしどろもどろする地方警察署。
シモーヌ・シニョレが基本的に部屋から動けないのも活きてると思う。
あと30分くらい短ければ…
イブ・モンタンが自分の不運と長い追いかけっこをする。独り身の刑事の生活が淡々と描かれる。真犯人を捜査するため死んだ恋人の部屋を解体したり、捜査の手を逃れるための常軌を逸した行動がいちいち強烈で感動する。完全に母性に支配されるフランソワ・ペリエとシモーヌ・シニョレの夫婦関係。部下の息子が何度も出てきたり、必要あるのかないのか不安にさせる場面や撮影が気になりすぎる。ラスト満身創痍のモンタンはロボコップみたいな動きでもうあっけにとられる。凄い。
女と話すために道路をぐるっと回るのが端的にこの映画を示していてよい
KazurocK

KazurocKの感想・評価

3.8
モンタンのアクションシーンはまあまあだけどガンの描写がカッコいい!三角関係のサスペンスミステリーとしても面白い。雑談なストーリー展開だけどその分狂気を感じる。署長の奥さん役のシモーヌ・シニョレが重厚感ありすぎ。
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