いろはにほへとの作品情報・感想・評価

いろはにほへと1960年製作の映画)

製作国:

上映時間:109分

3.7

「いろはにほへと」に投稿された感想・評価

万年ヒラ刑事・伊藤雄之助 vs 投資組合の成金・佐田啓二。な最高の人間ドラマ。ザ・傑作。

賄賂になびかぬ潔癖だけど、呑み屋の女将(藤間紫)に「高い酒呑んでるんだから」とお触りするスケベおじさんで、おまけにケチで人間的には上等とは言えない伊藤雄之助。

戦前は有能な保険セールスマンで、法整備以前で違法性はないとはいえ口八丁手八丁で投資組合の資金を集めた佐田啓二。しかしその投資組合を始めるきっかけが経済信用のない庶民たちを救うためという、むしろ正義漢。ただ大きく儲け過ぎたせいで「金になびかぬ人間はいない」という人生観を持ってしまった可哀想な人間。

伊藤雄之助はほぼ一匹オオカミだけど、佐田啓二には仲間が。その仲間たちが最高! テキ屋あがりで血の気の多い三井弘次、佐田の元上司で宮口精二、下宿のオヤジで代書屋(だったっけ?)で法律担当の殿山泰司。
この日本三大名脇役アンサンブルが最高なんです! ここが本作の大きな裏みどころ。

何故か途中から織田政雄もそこに加わってきていつのまに消えるけど、あの役は必要かな? どうみても契約上仕方のない出演にしか見えないんですが。本作唯一の不満はココ。織田政雄も大好きな脇役なのでなおさら。

タイトルの由来である「人生はいろはかるたの通りにやっていれば間違いないのよ」との名台詞を吐く、伊藤雄之助の母親役・浦辺粂子も最高。相当お婆さんに見えるけど実年齢は伊藤雄之助と17歳しか変わらない。

名優ばかりなので物語うんぬんより、やりとりを楽しむべき作品。宮口精二が賄賂の申し出をしてつらつらと長台詞を言い、それを聞きながら伊藤雄之助が「拷問だ…拷問だ…」と繰り返すシーンとか最高だし、彼らでなければそうはならなかったのでは。

伊藤雄之助が藤間紫に「さくら荘」という温泉マークに連れ込まれるもののマッチ箱を見つめて「さくら? さ、さ、さ…さわらぬ神に祟りなし!」と閃いて逃げ帰るシーンもベタなユーモアで最高!

「政治家は信用出来ないけど、金で動く」と豪語して財界の顔となった佐田啓二も、リーマンショックを思わせるアメリカの株暴落で転落。自業自得なんだけど、やはり何だか可哀想。結局は利用したつもりの政治家を信じてしまっていた世間知らずだった。上には上のワルがいるということですか…。

破綻がほぼ決まって、出前のラーメンを暗い会議室みたいなところに集まって食べるシーンは泣ける…。のびきったラーメンが本当に不味そう…。

「これは作り話です」という冒頭の念押し字幕と三井弘次の最後のキメ台詞がリンクしたり、本当の悪はこいつらだ!な国会議事堂のショットとか、映画にうるさい人らがベタ過ぎるとかガタガタ言っている評を見かけましたが黙っていただけますか。
これはこれで良い。そんな瑣末なことを観る映画ではないんですよ。
伊藤雄之助超シブイな~
関係ないけど男は度胸女は愛嬌坊主はお経漬物らっきょってライミングが心に残る。悪徳金融会社つぶれそうな瀬戸際の状況で佐田&殿山&宮口輪になってラーメンすすってんのがうまそうだった。昔の日本映画のラーメンってどれもだいたいうまそうだよね。
くずみ

くずみの感想・評価

4.0
トーキョー金融道。カリスマ啓二vs実直な雄之助。こんなかっこいい雄之助は初めて? すげなくされるほど燃えるタイプなのか啓二。力の入れどころ間違ってる。工事音がじわじわくる。
buccimane

buccimaneの感想・評価

4.5
帰ってからいろはかるたの一覧調べたけど全部が教訓っぽいわけじゃないのな。
伊藤さんが頭脳戦するのかと思いきやバチバチ戦うわけでなしにそれでも影響し合うのすごい面白いと思った。
ピンチになると敵が大きく見えるのとか手持ちの駒の一つのつもりの物がそれしか無くなる感じよく分かるな。
ただのテキ屋の三井さんまでもがずっと付き合うのヒップホップ感あった。
殿山さんは楽してる印象。
藤間さんが誘惑するのもボーナスシーンありがとうございますという感じ。
ラーメンムービーとしてもポイント高い。
しかし金利が月3パーなんてウットリしちゃうなぁ。
P後輩

P後輩の感想・評価

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本編鑑賞中、『白昼の死角』を少し想像したが、その映画自体忘れてしまっていた。
脚本・原作は橋本忍(!)、撮影は厚田雄春(!!)
本編開始とともにどどーんと「グランド・スコープ」(シネスコ)の文字。でもイマイチ、シネスコを堪能できなかった。
投資詐欺の男の役に佐田啓二、刑事役に伊藤雄之介。
見た目で人を判断してはいけないということです。

@シネマヴェーラ渋谷(8/22/2014)
神

神の感想・評価

3.7
シネマヴェーラで鑑賞。
伊藤雄之助が救われたのは、浦辺粂子のいろはがるたがあったから!
作りは「アメリカンギャングスター」。ラストで初めて顔を合わせる2人の男…盛り上がる。@ラピュタ阿佐ヶ谷