美加マドカ 指を濡らす女の作品情報・感想・評価

美加マドカ 指を濡らす女1984年製作の映画)

製作国:

上映時間:89分

4.0

「美加マドカ 指を濡らす女」に投稿された感想・評価

tjr

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4.6
神代辰巳特有の身体感覚が作り上げたヤバすぎるアクション映画。序盤から異様なテンション、序盤の車のシーンからまるでスラップスティックのように突き進むのだが、突飛な行動の連鎖(カニ、拍手etc)、奇怪な交わりが止まらずめっぽう面白い。
遠方にいる男の「代理」として悶々とする内藤剛志が孤独な麻生うさぎと出会うシーンの感動よ。
男女関係のやるせなさも、他の傑作群に劣らぬストリップへの熱い眼差しも、カメラワークの巧みさも最高。このエネルギーは何なのだろう。
子供が物のように扱われる気の毒さはガレル「秘密の子供」を思い出した。
情夫の仲介により人気ストリッパー(美加マドカ)の世話役を任せられた青年(内藤剛志)が、彼女の真の恋人となるために孤軍奮闘する。男女の情欲の世界に生きている女性の生態を描いているロマンポルノ。

本作は神代辰巳が手がけた最後のロマンポルノでもあり、関係者・評論家のあいだでは「神代監督が退いた時点でロマンポルノは終了した」というのが通説となっている。

世間ズレのため情緒不安定になっている美加マドカと、情夫に嫉妬する内省的な性格の内藤剛志が、ふたりきりの密室劇を展開するのが物語の大半部分。前貼りを巧みに隠しながらアグレッシブに動きまわり、長台詞の応酬を繰り広げるのがスゴイ。

美加マドカの下手っぴな過剰演技と悪い意味で舞台劇を観ているような錯覚がするのがツライところだが、人に見られてナンボの仕事に就いている女性の心情を、ここまで熾烈に語り尽くしているのは、大変稀有なことだといえる。心残りはあるけれど、これは紛うことなき神代作品。