ブルカの中の口紅の作品情報・感想・評価

「ブルカの中の口紅」に投稿された感想・評価

糸くず

糸くずの感想・評価

3.3
第29回東京国際映画祭にて。

厳格な家庭に育ちながらも、歌手を夢見る女子大生。夫に隠れて始めた訪問販売の仕事で認められていく主婦。婚約者がいながら、仕事のパートナーである恋人と別れられないエステティシャン。水泳教室の講師に恋をしてしまった未亡人の中年女性。様々な抑圧にさらされる四人の女性たちが、自らの欲望や思いに忠実に生きようともがく様を描いた群像劇。

自由を、喜びを求める彼女たちは、ルールやモラルを逸脱することさえ厭わず、女子大生はショッピングモールで服や靴を万引し、中年女性は浴室に閉じこもってテレフォンセックスに没頭する。エステティシャンは、婚約を祝うパーティを抜け出し、物置部屋で恋人とセックスする(しかも、自分で携帯を持ってハメ撮りをする!)。

しかし、抑圧をはねのけようとする彼女たちの自由の代償は大きく、密かな抵抗を全て失敗に終わる。

インドにおける女性への抑圧の強さをひしひしと感じる物語だが、彼女たちの行動には、「女性であるがゆえに許されない」というより、単純に社会的にやってはいけない行為も含まれているように思えて、この映画に出てくる男たちが正しいとは全く思わないけども、だからといって、彼女たちが正しいとも思えなかったし、ルールやモラルを逸脱せねばならない切実さも欠けていたように思えた。もっとも、こんなことを言えるのはわたしが男性であるから言える傲慢で、わたしもまた彼女たちを「男たちの正しさ」に押し込めようとしているかもしれないけども。

ただ、言い訳にしか聞こえないのかもしれないけども、訪問販売員の主婦のエピソードは女性監督にしか描けないおぞましさがあり、「女性である」というだけで社会に出ることも許されず、夫の欲望の犠牲となり続ける彼女の苦しみは、男のわたしにも過酷なリアルとして胸に深々と刺さった。
小夜子

小夜子の感想・評価

4.0
"女性らしさ"を強く求められるインドで、抑制された4世代の女性がそれぞれの気持ちを爆発させる様をコミカルに描く。

ブルカ(肌を隠す黒装束)を着ながらも、マイリー・サイラスに憧れるティーン女子が笑えた
GG85

GG85の感想・評価

4.0
インドのハワイ・アパートに住む4人のムスリマとヒンドゥー教徒の女性が主人公の映画。ある官能小説を軸に彼女たちが日々の生活でなに思い、何を感じているのかを彼女たちの主観から描いた映画。普通の商業ボリウッドとは違ってとても良くできたヒューマンドラマ。
yuka

yukaの感想・評価

3.8
東京国際映画祭にて
気まぐれにみた作品だけど良かった

登場人物の誰かのことを語ってると思ってたナレーションがただの官能小説で、しかもその官能小説のこっぱずかしい、チープな言葉たちがいつしか登場人物たちの夢を乗せて輝き出すようになるとはね

監督や女優さんたちがとても聡明だったのでトークも印象深い
Sios

Siosの感想・評価

4.4
インドの女性の性への思い。押さえつけても欲望はそこに在る。
4人それぞれのエピソードが、つぶさで鮮明で、すごく興味深い!

夢みるおばさんから、鼻歌がツェッペリンの少女まで、親近感と違和感が絶妙で引き込まれる。
見下ろす男と、自分のものを大事に抱える女という関係が印象的。

監督が、俯瞰でなく、特定の女性に感情移入して観る映画と仰っていて、まさにそんな風に楽しめました。
ヨルン

ヨルンの感想・評価

3.6
ブルカの中に仕舞い込まれた抑圧された欲望
欲望というより、女性達が渇望し、希望とする願いだ

皆が皆、そうではないかもしれないけれど、大多数そうだし、私もそうだろうと思っている
インドにおける女性達の在り方
叶えられるなら、彼女達の自由を叶えて欲しいと強く思う
そう思わせ、そして私達はどうするか、と問われているような

監督さんはこの作品は4人の女性達の視点、思考を通して見えている世界を現していると仰っていた

カプール家やKhoobsuratにも出演されている品のあるマダム
あの方、よくぞあの役を……
女子大生役のプラビタさんが公開中のPKに妹役で出ていると知り、美しい成長を目にすることが出来て幸せ
全体的にほっそりされてて、監督さん共に美しい方だった
東京国際映画祭で鑑賞

インドで抑圧される4人の女性を描いた作品

古い慣習が残ったり、宗教の関係があったりして女性が自由に生活出来ないのは、『裸足の季節』を思い出した!
ただ、『裸足の季節』よりもコミカルなシーンは多かったです。

大学生がジーンズを履くのを禁止した法案に対して抗議運動を起こしたら逮捕って大変だなー
これ大好き。
家族の前ではブルカを被りながらシンガーになる夢を抱く大学生、対照的な二人の男に二股中のエステシャン、甲斐性無しの夫に黙って始めた仕事で出世してゆく三児の母、若い水泳コーチに恋してしまった初老のおばさん。
現代インドに生きる、4人の女性の日常が描かれる。
彼女らそれぞれに秘めたる葛藤があり、欲望があるのだけど、おばさんの朗読する官能小説が物語の展開を絶妙にアシスト。
扱ってるモチーフはシリアスなんだけど、説得力あるキャラクター、ユーモラスな演出と軽快なテンポが、作品を娯楽映画として観やすく纏め上げている。
まだまだ抑圧の強い社会で、女性たちの自立への助走の物語は、ビターだが力強く響いて、グッと感情移入。
まあ女性視点で語られる「女やるのもなかなか辛いよ」って話だから仕方ないけど、男たちは本当にロクな奴がでてこないw
これはまこと愛すべき作品で、日本でも上手く小規模公開したら人気出ると思う。
gm

gmの感想・評価

3.0
インドで抑圧された生活を送る4人の女性の日常や葛藤を描いた作品。
インド映画ではあるけれど、そんなにインド映画っぽくはない。
大学生、美容師、子だくさんの主婦、独身の中年女性。

監督が訴えたい事は、感じつつも、個人的には、大学生の女の子の行動にはハラハラで、私が親でもたまったもんじゃないな、と思ったり(^_^;)

この日が、ワールドプレミアだったようで、監督もキャストも大興奮。
映画の内容が内容だけに、本国では上映されるかどうかもわからないという話もあって、彼女たちの姿がとても印象に残った。
konomo

konomoの感想・評価

3.6
東京国際映画祭にて。

インドの女性4人の抱える悩みや問題や、形にならないもやもやは、根っこはどこの世界の女性にも当てはまるもので。

…という感想はさておき、印象に残った点メモ

お店の商品を身につけた上にブルカをすっぽり被って万引きしたり、旦那の浮気調査をするのにブルカをかぶって誰だか分からないようにして見張りをしたり。宗教的、抑制的な衣装として身構えて見てしまうんだけど、自由な利用っぷりに楽しくなった。不自由なこともあれば、便利なこともあるよね。

大学がジーンズ禁止にしたのに反対してデモやって捕まる…というのは、さすがに大変。

婚約者に「結婚したら住む家だよ」って連れて行かれた先が、まず入った部屋ではおばあさんやらおばさんやらがずらっといて、端から挨拶して。次の部屋ではおじさんやらおじいさんやらがみっしり並んでテレビ観てて。
結婚前に女性は乗り回してたスクーター手放して。
結婚で全っっ然違う生活に飛び込まないといけないんだよねって、うへー!となった。
>|